北米向けトヨタ「カローラ」に設定された特別仕様車「ナイトシェードエディション」が注目を集めている。その理由を今尾直樹が考えた!
全世界販売台数はぶっちぎりのトップ
愛車の履歴書──Vol19. 村井國夫さん&音無美紀子さん(前編)
「超カッコいいトヨタ・カローラが出た! ナイトシェードエディションに注目」というGQの記事が意外なほどよく読まれているらしい。大衆車のカローラがどうしてこんなに読者の関心を集めるのだろう? しかも米国市場でのお話なのに……と、この記事を書いたイナガキくん本人が不思議に思っている。
なるほど、カローラというのは、あるひとにとっては、AE86レビン/トレノに代表される走り屋御用達であり、ファミリーカーの代表であることはもちろん、日夜駆け回る営業車であったりもする。初代の発売は1966年にさかのぼり、ニッポンのモータリゼーションを牽引してきたトヨタを代表するブランドで、60年近い歴史があって、伝統的にワイドバリエーションだから、いろんな顔を持っている。
たとえば、2019年に国内に登場した現行カローラのセダンとツーリングには、ハッチバックのスポーツもあれば、クロスオーバーのカローラ・クロスもある。それらが自販連の統計では全部まとめてカローラとして数えられており、国内市場では2022年、ヤリスに次いで2位の座を獲得している。昨年はGR カローラとそのモリゾウエディションという過激な限定モデルを発売して話題づくりにもこと欠いていない。モリゾウこと豊田章男会長が先頭に立って、カローラのイメージアップに励んでいる。トヨタが次にカローラでなにをやってくれるのか、期待も大きい。
でもって、膨大な数のカローラが世界中で、売れている。「Statista」のデータによると、2022年、カローラは全世界で112万台を販売し、乗用車のベストセラー第1位に輝いている。ちなみに2位はトヨタ「RAV4」で87万台、3位はフォード「Fシリーズ」で79万台、4位はテスラ「モデルY」で76万台、5位トヨタ「カムリ」、68万台と続く。2位のRAV4以下を断然引き離し、ぶっちぎりのトップを走っているのがカローラなのだ。
販売台数112万台ということは、世界中にほぼそれだけの数のユーザーがいるということで、もしも、そのひとたちの1%がカローラに関心を抱いていてネットとかを見ていたりしたら……、考えただけでものすごい。112万台というのは昨年1年間だけのことだからだ。
とはいえ、GQの記事は日本語で書かれている。そうすると、日本の読者が米国でのカローラの奮闘ぶりを知りたがっている、ということである。おそらく。筆者の独断によれば、たとえば、「松田聖子が全米デビュー! 超カッコいいCDジャケットが出た!」みたいな記事にひかれるのと同じ読者心理ではあるまいか。ピンク・レディーでもいいです。もちろん、大谷翔平でも吉田正尚でも八村塁でも三苫薫でも久保建英でもいい。
私たちニッポン人というのは筆者も含めて、同胞が海外で活躍している姿はもちろん、同胞たちがどう評価されているのかを知りたいと思っている。アメリカのカローラにはこんなのがあるのか……という関心をみなさん、抱いておられたにちがいない。
ナイトシェードエディションの日本版を投入すべき!さてそこで、カローラ・ナイトシェードエディションだけれど、ナイトシェード(nightshade)とは英語でナス科の植物を指すようである。
でも、この場合は、そのまま“夜の影”を意味しているらしく、ブロンズ仕上げの18インチ・ホイールに加えて、グロス・ブラックのフロント・グリルと、黒く塗りつぶしたTOYOTAのバッジを外観上の特徴としている。日本仕様には存在していない、ちょっとワルい雰囲気を醸し出しているのだ。
ナイトシェードエディションは米国トヨタの定番で、カローラのほかにカムリや「ヴェンザ」(日本では「ハリアー」)、「CH-R」などにもイヤー・モデルのひとつとして設定されている。デザインの手法としてはマツダの「ブラック・トーン・エディション」と同様で、“夜のカローラ”だったり、“夜のカムリ”だったりする点は、ロールス・ロイスの「ブラック・バッジ・シリーズ」の世界観に近い、といえるかもしれない。ただし、トヨタ版のブラック・バッジは、動力性能には手をつけていない。
申し上げるまでもなく、自動車というのはイメージ商品でもある。シルバーのグリルをブラックに塗るだけで大いに雰囲気が変わる。それはときに、最高出力を10psアップするよりも効果があることもありうる。時計でもスマホでもパソコンでも、あるいはスニーカーとか衣服でも、機能は変わらずとも、いつもはホワイトのところをブラックにするだけで、スペシャル感が出るのと同じことだ。
日本の消費者というのはじつはそういう類のことに、もしかしたらアメリカの消費者以上に敏感で、だからこそカローラ・ナイトシェードエディション2024の紹介記事はウケたとも考えられる。
してみると、世界共通のプラットフォームを得た現行カローラのオーナー層は、ちょっとワルい仕様に魅力を感じる世代の方たちのハートをつかむぐらいにまで若返ってきているのかもしれない。
それこそ、モリゾウこと章男さんとトヨタがいちばんやりたかったことだろう。カローラは確実に若返っている! としたら、ご同慶のいたり。ぜひナイトシェードエディションの日本版を投入すべきである。
文・今尾直樹 編集・稲垣邦康(GQ)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
テカテカ