MotoGPの統括団体であるFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が、2026年シーズンにシートカウルウイングの一部を規制しようとしていることが判明した。
2010年代半ばからMotoGPで広がっていったウイング。今ではフロントだけではなく、フェンダーやサイドカウル、シートカウルと様々な場所に、ウイングやエアロダイナミクスを考慮した付加物がつくようになった。
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今回FIMが急に規制しようとしているのは、その中でもアプリリアやホンダが採用している、シートの側面部に装着されたウイングレットだ(ライダーのお尻の下にあるウイング:レッグウイングとも)。彼らはこれを事実上禁止にしようとしている。
通常、MotoGPのテクニカルレギュレーションで定められている事項を所定の期間以外に変更する方法は1つしかない。それは安全性を理由とするモノだ。FIMは安全上の理由からシートウイングレットを禁止する技術指令をチームに向けて発行した。
FIMはバレンシアテスト後に、この大幅な規則変更について議論したことが分かっている。しかし一方で、この変更は発効前に MSMA(メーカー協会)の全会一致での承認が必要となる。
アプリリアが先鞭をつけたこのシートウイングは、彼らの躍進に関わっているという見方が強い。元々アプリリアのマシンはあるコンディションではナーバスになりがちだったが、このウイングによってそれを安定させているのではないかと考えられている。
Motorsport.comの調べでは、このシートウイング規制の提案は事前の議論もなく、突如として提示されたものだった。まさに青天の霹靂と言えるモノであり、MotoGPパドック内でも激しい反発は避けられないだろう。
■規制の概要文書を入手!
さらにmotorsport.comでは、チームに送られた新たな空力規制の概要文書も入手した。そこで安全性の問題として挙げられていたのは、ライダーの脚を車体に“引っ掛かる”可能性があり、潜在的に危険な状況を生みうるという点だった。
ライダーの安全が最優先である以上、重要な論点ではあるだろう。しかし、実際にはそうした懸念を裏付けるような具体的な事案は1つも存在しないまま、議論が進められている印象を受ける。かつてドゥカティをキッカケにウイングレットの開発が進んだ時代に、ドゥカティの空力の進化を止めようと「安全性」を口実とした状況に逆戻りしたかのようだ。
なお当時ドゥカティはウイングレットに負荷がかかった際には部品が外れるようになっているという証拠を示した。
現在では危険性は存在しないと見られ、すべてのMotoGPマシンが同様のウイングを採用している。一方で、過度なウイングレット類を好まない勢力が、重要な開発領域を封じ込めようとしているのではないか、との推測も成り立つだろう。
そして新しい規制案には次のように記されている。
「リヤタイヤ後端に接する垂直線から前方800~500mmの位置にある車体部分は、上から見た際に、幅450mmからリアタイヤ後端の垂直線より500mm前方にかけて広がる円錐状の面積を超えてはならない。ただしステップ、コントロール類、ブラケット、および排気カバーは、排気パイプ外面から20mm以内のオフセットに収まる場合は例外とする」
つまり画像の赤枠の部分を指しているわけだが、今はこの領域に装着されているシートウイングがまるっと規制を受ける、ということになる。
奇妙なのは、FIMがこの決定をバレンシアテスト後、つまりシーズン終了後のオフシーズン入り直後に下した点だ。各メーカーはすでに2026年マシンの設計を完了させている段階にあるため、この規制案が通れば風洞テストなど開発工程をやり直す必要が生じてしまう。必然、計画予算を超えるコストが発生することになるはずだ。
安全性を理由としたこの変更は2026年シーズンにも多大な影響を及ぼすだろう。単に“シートウイング”を取り外すだけでなく、これらに作用する気流、さらにマシンのフロント部以降で生成される気流パターンそのものを再構築する必要がある。
「アプリリアの成長を警戒したドゥカティが安全性を持ち出したのではないか」と推測する人もいるが、確証が得られるものはない。ただし論理的に考えれば、シートウイングを禁止するのであれば、2027年の新レギュレーション導入時に行なうべきであり、すでに一部メーカーが費やしてきた重要な開発作業を妨げるような形で行うべきではないと言える。
さらにこの決定はこれまで秘匿されており、実施にはMSMAで全会一致の承認が必要となる。MSMAの現会長はアプリリアCEOのマッシモ・リボラであることを考えれば、全会一致とはならない可能性も高そうだ。
そのため現在議論を呼んでいるこの問題は“観測気球”に終わる可能性もある。今後の推移を注視していくことが必要になるだろう。
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みんなのコメント
ホンダもせっかく競争力出てきたのにまた水を差されたな