デザインにこだわったクーペライクなセダンと6人乗りMPV
インドネシアで開催された第25回ガイキンド・インドネシア国際オートショーでワールドプレミアされた二台のダイハツ製コンセプトカー。セダンタイプがDN F-SEDAN、マルチパーパスタイプがDN MULTISIXと命名されている。この2台、どちらも観音開きのドアを持ちながら、じつはセグメントも開発コンセプトもまったく別物なのだ。
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インドネシアは大家族が多いため、7人乗りのクルマが人気だ。しかし国民の平均所得がまだまだ低いため、自動車の販売促進のために低価格帯で低公害のマルチパーパス車はLCGCという税制優遇制度が適用される。一方、スポーツカーやセダンなどはその優遇制度が適用されないために同じセグメントでも購入する場合には割高となってしまう。そのせいで街中では高級車以外ではほとんどと言っていいほどセダン形式やスポーツカーを見かけない。
DN F-SEDAN
そこでインドネシアのダイハツでは「新たにセダンの復権」を提唱してみたいというコンセプトのもと企画されたのがDN F-SEDANだ。現地で一番売れ筋のAセグメント(1.2リッター)で、大人四人がゆったり座ることができるセダンタイプのコンパクトハッチバックとした。
未来的でラグジュアリーなエクステリアとし、流れるようなグリーンハウス部分と相まって、かなり攻めたスタイリッシュなセダンのようなハッチバックデザインに仕上がっている。観音開きのドアは前後とも直角に近く開くために乗降性は極めて高そうだ。
インテリアもAセグメントとは思えない完全に4座にセパレートされたゆったりとした空間が確保されている。黒を基調にしたなかに赤いアクセントが効いたスポーティなシートや、ドアインナーの赤と黒にシルバーのアクセントが効いた見事なコンストラストとなっており、運転することの楽しさを具現化してくれそうな仕上がりとなっている。
じつはこのGIIASのオープニングセレモニーで、ヨハネス・ナンゴイ会長(ガイキンド)は、インドネシアでセダンを生産して近隣諸国や諸外国に輸出してさらに自動車産業を発展させたいという主旨の発言があった。
またインドネシア国内では、近いうちにセダンに対する税制も見直すのではないかという話しも聞かれるようになっている。今はF-SEDANというコンセプトカーだが、近いうちにマーケットに投入される可能性も低くない一台と言えそうだ。
DN MULTISIX
こちらはその名のとおり、大人六人がゆったりと乗れる1.5リッター+CVTの組み合わせのBセグメントのマルチパーパスビークルだ。敢えてインドネシアで人気の3列7人乗りとはせずに、6人が余裕で乗れるスペースを確保するシート配分としてウォークスルーが出来るように仕立てられている。
エクステリアはF−SEDANと似た造形としながらも、一層押し出し感と塊感が強いタフさを感じさせるデザインとなっている。注目はやはりインテリアで、6座が個々に配された白いシートはいかにもゴージャスでラグジュアリーな雰囲気を醸し出す。インストルメントパネルも近未来的で大きな液晶が助手席側にも組み込まれている。インドネシアという国でのマーケットを強く意識したダイハツの意欲作といえそうだ。
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