海外市場ではすでに発売が始まっているモデルたちが、続々来日の機をうかがっている。日本でも人気が高い車種がフルモデルを控えていることも、2024年の見どころと言えそう。ここではEクラスをはじめ、日本導入車種が多くなりそうなメルセデス・ベンツのこれからに注目してみた。(Motor Magazine 2024年2月号より)
ニューモデルラッシュのメルセデス・ベンツに要注目
2024年も多くの輸入車が日本上陸を果たすが、そのいずれもが、なんらかのカタチで電動化の影響を受けることになるだろう。その余波はパワートレーンだけではなく快適性の作り込みや装備品の内容にまで及び、極論すれば自動車メーカーの製品作りそのものに本質的な影響を与えていると言ってもいいくらいだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
たとえばまもなくデビューするメルセデス・ベンツの新型Eクラスは、電気自動車(BEV)こそ1モデルもないけれど、全車がハイブリッド、もしくはプラグインハイブリッド(PHEV)とされた。さらにメルセデスが現在開発中の次世代ビークルOS「MBOS」を電気系プラットフォームの一部に採用したことも、そうした流れの一部と捉えることができる。
最初に日本上陸を果たすのは2L直4のガソリンとディーゼルで、いずれもマイルドハイブリッドを装備するほか、ガソリンにはPHEV版も用意。追って直6ガソリンエンジンも登場する。
エクステリアは既存のEクラスとの近似性を強く感じるものの、全体的な質感は大幅に向上しているほか、メルセデス・ベンツらしい「優しいフラット感」がもたらす乗り心地はさらに向上した。実は、ADAS系の進化が新型Eクラス最大の特徴でもあるのだが、日本に導入される仕様は法規制の兼ね合いですべてが導入されるとは限らない点が残念だ。
一方のCLEは完全なニューモデル。これまで「CL」の名が与えられたメルセデス・ベンツとしてはCLAとCLSがあったが、これらが4ドアクーペだったのに対して、CLEは2ドアクーペとなる。「おや、メルセデス・ベンツの2ドアクーペはCクラスにもEクラスにもあったじゃない?」というご指摘はごもっとも。
ちなみにCLEはCとEのクーペを統合して誕生したという。エンジンの主力は直4のガソリンとディーゼルエンジンだが、直6ガソリンの4MATICもラインナップされる。また本国では、遅れてAMG仕様がデビューした。
V8ユニットは健在。PHEVの最強版も準備完了
新型AMG GTクーペはフルモデルチェンジ版。注目されるのは、従来は2シーターだったものが2+2へと一新されたこと。これは駆動方式にトランスアクスル方式を用いていた従来型から、ギアボックスをエンジンとともに車体前方に搭載する一般的なフロントエンジンレイアウトに改めることで実現した。
ちなみに新型は最新のSLと基本的に同じプラットフォームをベースにしている。極論すればGTはSLのフィックスドクーペ版ともいえるだろう。エンジンはいずれもV8で、GT63 4MATIC+とGT55 4MATIC+の2タイプが用意される。
同じAMGからはGLCのフルモデルチェンジ版もデビューする。メルセデス・ベンツの新型GLCが国内発表されたのは2023年3月のこと。当然のことながらAMG版はこれをベースとしており、内外装や装備レベルを一新するとともに、走りの性能もよりリファインされた模様。
エンジンはいずれも直4で、本国ではGLC43 4MATICがデビューしたのに続き、最強モデルのPHEV+4QD、GLC63 SEパフォーマンスが投入された。
『ジャパンモビリティショー2023』で日本初公開されたコンセプトEQGの量産モデルもまた、2024年にデビューする見通し。これは単なる現行GクラスのBEV版ではなく、新開発の4モーター式4WD、ラダーフレーム、リアのリジッドアクスルなどを用いたブランニューの本格クロカン4WDである。
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