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キャンピングカー界に旋風? フィアット・デュカト、日本導入の戦略は? ポイントはサービス体制

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キャンピングカー界に旋風? フィアット・デュカト、日本導入の戦略は? ポイントはサービス体制

ハイエースのバンコンに勝る点

キャンピングカーの中でも日本で人気を得ているのは、「バンコン」というカテゴリー。

【画像】フィアット・デュカト 内装/デザインを見る【キャンピングカーも】 全107枚

ベース車両となるのはワンボックスの商用車やミニバンで、トヨタ・ハイエースが一番多い。一見すると外観はハイエースで、車内にベッド/キッチンなどを架装している。

バンを改装・改造、つまりコンバージョンしているからバンコンだ。

バンコンのベース車両は“ハイエースの一強”が続いていたが、ここに来てステランティス日本法人が、フィアットの商用車である「デュカト」を日本導入。

ハイエースをベースにすると、車室の高さをハイエースの室内高に依存することになる。デュカトなら、車内で大人が腰を曲げずに立つことができるので、新たなベース車として注目されている。

そして今週、正規輸入されるデュカトの販売代理店5社が決定し、契約の調印式の場で、日本導入の戦略を聞くことができた。

5社のうちの1社、茨城県のアールブイランド 阿部和英 代表取締役社長は、正規輸入によるサービス体制の変化がキーになると期待する。

「弊社では約15年ほど前から、ドイツでキャンピングカーに架装されたフィアット・デュカトを並行輸入して販売してきました。オーナー様は、デザイン、乗り心地、走行安定性の満足度が非常に高いです」

「これまでは、なにかトラブルがあってから部品を輸入していたので、お客様を2週間、3週間お待たせしてしまう現状があり、なかなか国内で普及しなかった。この度、正規ディーラー車となり、3年10万kmの保証もつきます。クルマに関しては間違いないモノなので、やるしかないという意気込みであります」

輸入元となるステランティスも、販売台数より、サービスがポイントと考えている。

デュカト「成功」へのカギは?

調印式で報道陣の質疑に応じたステランティス ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長の見解はこうだ。

「優先順位は、ディーラーネットワークの企業数を増やすことではございません。むしろ、5社の正規販売代理店の皆様が、適切に必要な台数を確保できるようにすることが重要です。そして、供給を受けて事業を成功させること、利益を健全に生み出せることが最優先なのです」

「今後に向けては、台数よりも、サービスの拡充のほうが大事だと考えております」

「実際にデュカトのRV(レクリエーショナル・ビークル)が一般道を走り始めると、サービスのニーズが高まりますので、それらに対応できる手段の拡充を考えております。さらに今後は、運送、ピープルムーバー、バスのような用途にも拡大していきます」

「台数についての言及は難しいところですが、欧州ではRVの市場占有率で70%のシェアを持っています。日本でも同じように成功できると考えており、来年はこのネットワークで少なくとも10%は手堅いと考えております。その10%というのは、バンベースに限りますと、20%のマーケットシェアに相当します」

5社へ配車されるデュカトのデリバリー状況も明らかにされた。

5社だけ? 販売拠点はもっと多い

ステランティス ジャパンによると、「今月末・来月末のそれぞれに、(正規販売代理店への)納車を予定しています。すでに弊社の豊橋のPDIセンターに何十台も入ってきており、次のロットも日本へ船で向かっております」とのこと。

正規販売代理店になったのは下記の5社だ。いずれも業界の知見に富んだキャンピングカー・ビルダーだろう。

・ホワイトハウス(本社:愛知県)
・アールブイランド(本社:茨城県)
・岡モータース(本社:香川県)
・トイファクトリー(本社:岐阜県)
・ナッツ(本社:福岡県)

われわれユーザーは、キャンピングカーに架装されたデュカトを、5社の本・支店はもちろん、提携店でも購入できるようだ。

ナッツの荒木賢治 代表取締役社長兼CEOは、同社だけでも「パートナーも含めて全国15拠点で、デュカトを販売していく予定」と明かした。

また5社は、いずれもデュカトを架装するための新工場・新たな生産ラインの増設、土地の確保など、供給体制の拡大に向けて動いていると話す。

各社で架装されたデュカトベースのキャンピングカーは、来年に開催されるジャパン・キャンピングカーショー2023で披露されるという。

日本仕様のデュカトについて

今年2月にデュカトの日本導入を発表して以来、相当数の企業から問い合わせがあったことに驚いたと話すステランティス ジャパンのポンタス社長。

「デュカトには、メーカー工場で標準装着されるアイシン製ナビ、アップル・カープレイ/アンドロイド・オート、最新のADASなどが装備され、乗用車のような仕立てと快適性能にたくさんの賛辞を頂いた」と打ち明ける。

「加えて、パワフルで高効率なディーゼルエンジン(180hp/45.9kg-m)と、それに組み合わされるのが日本製のATとあって、そのパフォーマンスにも多くの期待が寄せられています」

「こうした期待に応えるために、われわれは日本仕様のデュカトを時間と投資を惜しまずに企画してきました。そして本国の関係者の強力もあり、メーカー保証はもちろん、アフター用のパーツ供給も万全にしております」

デュカトの日本仕様は、下記の3タイプが導入される。5社に販売されるBtoBの価格(未架装)は、それぞれ469万円、479万円、489万円。

L2H2:全長5413×全幅2050×全高2524mm 室内高1932mm
L3H2:全長5998×全幅2050×全高2524mm 室内高1932mm
L3H3:全長5998×全幅2050×全高2764mm 室内高2172mm

デュカトへの期待は日に日に高まっているが、ポンタス社長は「このタイミングではこういった形で展開していくのがパーフェクトでしょう」と、販売ネットワーク5社の体制に自信をうかがわせる。

世界的にも拡大しているキャンピングカー市場。2021年は、北米、ヨーロッパだけでなく、ここ日本でも記録的な販売台数を達成した。

ハイエースの一強だったバンコンのマーケットに、デュカトは旋風を巻き起こすかもしれない。

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みんなのコメント

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  • がっつり空間で車中泊おじさんの創意工夫の腕がなる☆
  • ディーラーが少ないのが厳しい。
    ハッキリいって、トラブル時のフォロー体制がアルファロメオ、フィアットは致命的
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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