■中国で話題沸騰の純電動ミニバン「デンザ D9」とは
中国の自動車メーカーとなるBYDとメルセデス・ベンツを展開する旧ダイムラーが作った合弁会社があります。
2022年には新たなミニバンが登場しましたが、そのデザインや居住性は中国でも人気のトヨタ「アルファード」を超える存在となるのでしょうか。
【画像】アルファード顔じゃない? 存在感あるデザイン採用した新型ミニバンを見る!(22枚)
2003年に誕生したBYDは、いまや世界でもっとも多くの電動車(BEV/PHEV/HEV)を販売する電気自動車メーカーにまで発展しました。
一方の独ダイムラー(現メルセデス ベンツ グループ) は、メルセデス・ベンツといった高級車ブランドを展開し、トラックなどの部門となるダイムラー・トラックを独立して継続しています。
そんなBYDがダイムラーと共同で出資をおこなっている電気自動車メーカーが中国にある「デンザ(denza/騰勢)」。
現在のEVシフトの流れが形成されるよりも前の2010年5月に設立され、2014年にはメルセデス・ベンツ「Bクラス(W246)」をベースとした最初のモデル「デンザ 500」を発売しました。
長らくデンザが展開するモデルはこの1車種だけでしたが、2019年にはようやく2モデル目となる「デンザX」をリリースするも、2021年には終売。
しばらく目立った動きがなかったデンザですが、再出発のために2022年に送り出した新モデル「デンザD9」が大きな話題となっています。
デンザD9は全長5250mm×全幅1960mm×全高1920mm、ホイールベース3110mmの大型ミニバンです。
中国で販売されているミニバンとしては珍しく、PHEVモデルと純電動のBEVモデル両方を取り揃えています。
正式発売の前の2022年5月にプリセールをおこないましたが、予約開始30分で3000台の注文を受け付けるほどの熱狂ぶりを記録。その後も売れ行きは好調で、開始2か月で3万台を販売しました。
PHEVモデルは1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを出力170kWのモーター(四駆グレードは後ろに45kWモーターを追加)と組み合わせています。
航続距離はNEDC方式で945 km(二駆上位グレードは1040 km、四駆グレードは970 km)を誇ります。
また、上位グレードでは電気のみで190kmを走行可能なうえ、PHEVでは珍しい出力80 kWまでの急速充電に対応するなど、ちょっとしたEVのような使い方も可能となっている仕様です。
一方のBEVモデルでは航続距離が620 km(四駆は600 km、CLTC方式)としています。
中国ではミニバン市場が加熱の一途を辿っています。
保守的なスタイルの自動車であるセダンも依然として人気ですが、大家族の移動に便利なファミリー向けミニバンや、政府高官や芸能人、重役などの送迎に適した高級ミニバンなどへの需要が高まっています。
そのなかでも不動の人気を誇るのがトヨタ「アルファード」ですが、中国では輸入車扱いとなり、1か月に販売できる台数も限られています。
そのため、希望小売価格は83万9000元(邦貨換算:約1728万7300円)からですが、優先的な納車のための追加料金がディーラー独自で設定されており、合計で2500万円近くを支払うのが一般的です。
しかし、アルファードは日本の道路事情に合わせており、若干小さめ。室内空間に影響するホイールベースも3000mmなので、中国国内でこのサイズは小さいという意見も多く見られます。
中国メーカーはこぞってアルファードよりも大型で、なおかつアルファードには無いPHEVモデルやBEVモデルを投入したりと、シェア獲得に向けて奮闘しています。
このデンザD9もPHEVモデルは32万9800元(邦貨換算:約640万3000円)から43万9800元(約853万9000円)、BEVモデルは38万9800元(約756万8000円)から45万9800元(約892万7000円)と、アルファードよりも大幅に手の届きやすい価格で勝負に挑んでいます。
※ ※ ※
それでも依然としてアルファードの人気が高いことは中古市場を見ても明らかです。
10年落ちの2代目アルファード(2.4リッター仕様(23万キロ走行))でも450万円の値がついています。
もはやアルファード別格の存在として中国の消費者には認識されているといっても差し支えないでしょう。
ますます混沌を極める中国のミニバン市場において、打倒アルファード掲げるライバル車種と、それを迎え撃つアルファードの人気ぶりからは目が離せません。
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みんなのコメント
10年落ち23万キロとかゴミが400万以上で売れるなら
笑いが止まらない
中国や韓国の車紹介してほしくない。