現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【2台でGO!!】同じエンジンを搭載する「INT650」と「スーパーメテオ650」に感じた、意外な共通点と相違点

ここから本文です

【2台でGO!!】同じエンジンを搭載する「INT650」と「スーパーメテオ650」に感じた、意外な共通点と相違点

掲載 1
【2台でGO!!】同じエンジンを搭載する「INT650」と「スーパーメテオ650」に感じた、意外な共通点と相違点

いずれのモデルもフレンドリー

 当記事の目的は、同じメーカーの気になる2台を同条件で試乗して、各車の個性を明らかにすることです。今回の素材はロイヤルエンフィールド、排気量650ccのパラレルツイン搭載車で、クラシックスタイルのロードスターである「INT650」と、クルーザーとして開発された「スーパーメテオ650」を、さまざまな状況でじっくり比べてみました。

【画像】ロイヤルエンフィールド「650ccパラレルツイン」2機種の比較を画像で見る(15枚)

 なお、ロイヤルエンフィールドの650ccパラレルツイン車には、往年のカフェレーサーを思わせる「コンチネンタルGT650」も存在します。もっとも、アップタイプのバーハンドルを採用する「INT650」と「スーパーメテオ650」がフレンドリーな乗り味を実現しているのに対して、セパレートハンドル+バックステップを装備する「コンチネンタルGT650」には敷居の高さを感じる人がいるかもしれません(実際は決して高くはないですが)。

 そのあたりを踏まえると、ロイヤルエンフィールドの中で競合車になるのは、基本設計を共有する「INT650」と「コンチネンタルGT650」ではなく、ジャンルと車体関連部品のほとんどが異なっていても、「INT650」と「スーパーメテオ650」ではないか……と、私(筆者:中村友彦)は感じているのです。

往年の「Z」シリーズと「Z-LTD」シリーズに通じる雰囲気

 そんなわけで、以下では「INT650」と「スーパーメテオ650」の印象を記します。

 まずは、どちらがよりフレンドリーかと言うと……なかなか断言は難しいところです。と言うのも、多くの人が気になるシート高は、「INT650」より65mmも低い、740mmの「スーパーメテオ650」が圧倒的に優位です。しかし日常的に行なう押し引きは、車重が244kgで軸間距離が1500mmの「スーパーメテオ650」より、213kgで1398mmの「INT650」の方が格段に楽なのですから。

 そういった事実を考えると、小柄な人には〇〇、大柄な人には〇〇、などという安易な発言はできないのですが、2台の価格差(試乗車は2023年型だが、2024年型INT650は92万7100円からで、スーパーメテオ650は97万9000円から)を考慮したうえで、アフターマーケット市場で販売されているローダウンキットを視野に入れるなら、フレンドリーさでは「INT650」に僅差で軍配が上がるんじゃないか……という気がします。

 では実際に走って各車の個性をどう感じたかと言うと、「INT650」は軽快なコーナリングとガッチリした車体、「スーパーメテオ650」は一定開度で巡航した際の充実感と柔軟な乗り味が印象的でした。

 とはいえ、これもまたなかなか難しいところで、「INT650」だって、270度位相クランクを採用する並列2気筒の鼓動を感じながら、マッタリ気分で淡々と走るのは相当に楽しいですし、軽快という雰囲気ではなくても「スーパーメテオ650」は峠道でスポーツライディングが十分に楽しめるのです。

 言ってみれば両車は、エンジン以外の共通点がほとんど存在しないにも関わらず、キャラクター的に重複する部分が多いのです。そしてこの2台に乗った私は、1970年代後半から1980年代前半にカワサキの旗艦を務めた「Z」シリーズと、そのクルーザー仕様である「Z-LTD」シリーズを思い出しました。

旋回初期の舵角が異なる理由を考える

 さて、ここからはちょっとマニアックな話で、2台で同じ峠道を走った私は、コ-ナリング初期のフロントまわりの舵角に差異を感じました。この件については表現がしづらいのですが、ナチュラルにして安心感抜群のハンドリングが堪能できる「スーパーメテオ650」とは異なり、「INT650」には微妙な居心地の悪さを感じたのです。

 その理由に関して、当初の私は前輪の外径の差かと思いました。

■前輪タイヤサイズ・外径「INT650」=100/90-18・630~640mm前後「スーパーメテオ650」=100/90-19・665mm前後

 ただし、舵角に多大な影響を及ぼすキャスター角とトレール量、フォークオフセットを調べてみると……

■キャスター角/トレール量/フォークオフセット「INT650」=24度/106mm/32mm「スーパーメテオ650」=27.6度/118.5mm/46mm

 この数値を見たときの私は、なるほど!! という気分になったのです。

 以下はあくまでも私見ですが、「スーパーメテオ650」の数値はスポーティなクルーザーとしては平均的で、見方によっては旧車的でもあります。でも「INT650」の数値は、クラシックなロードスターの基準からすると、キャスター角が立ち気味で、フォークオフセットは少な過ぎ……の感があるのです。

「INT650」がそういった数値を採用した背景には、おそらくカフェレーサーの「コンチネンタルGT650」と基本設計を共有という事情があったのでしょう。とはいえ私は「INT650」のキャラクターを考えると、キャスター角は+1~3度、フォークオフセットは+10~15mmが適当ではないかと思いました。

 もっとも、今回の試乗でそういった細かい部分に目が行ったのは2台を同条件で比較したからで、「INT650」単体で普通に乗っていたら、ハンドリングに疑問を感じることはないでしょう。

 ただし、2024年から発売が始まる「スーパーメテオ650」の派生機種、「ショットガン650」が25.3度/101.4mm/42mmという数値を採用したことを考えると、ロイヤルエンフィールドの開発陣の中にも、私と近い考え方の人がいるのかもしれません。

こんな記事も読まれています

フルカウルなのに乗りやすい! スズキ「GSX250R」はどんなライダーも楽しませてくれるオールマイティーな1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
フルカウルなのに乗りやすい! スズキ「GSX250R」はどんなライダーも楽しませてくれるオールマイティーな1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
バイクのニュース
BMW Motorrad「R 12」はフラットツイン入門に最適!! クルーザースタイルで抜群の親しみやすさを実現
BMW Motorrad「R 12」はフラットツイン入門に最適!! クルーザースタイルで抜群の親しみやすさを実現
バイクのニュース
個人的試乗ランキング1位! スズキ「Vストローム250SX」はどんな道でも安心して身を任せられるオールラウンダーな1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
個人的試乗ランキング1位! スズキ「Vストローム250SX」はどんな道でも安心して身を任せられるオールラウンダーな1台 レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
バイクのニュース
スポーティーで気持ちの良い走り! FELO「FW-03」が既存の電動スクーター観を大きく変える!?
スポーティーで気持ちの良い走り! FELO「FW-03」が既存の電動スクーター観を大きく変える!?
バイクのニュース
試乗速報【インディアン新型スカウト】エンジンは1250ccに!「走り」と「快適」それぞれのトップ2機種をテスト
試乗速報【インディアン新型スカウト】エンジンは1250ccに!「走り」と「快適」それぞれのトップ2機種をテスト
モーサイ
便利な「ベンリイ号」に見るホンダのチャレンジ精神! 1955年にアールズフォーク採用!?
便利な「ベンリイ号」に見るホンダのチャレンジ精神! 1955年にアールズフォーク採用!?
バイクのニュース
色良し、スタイル良し、好みなんです!ホンダの原付二種レジャーモデル『CT125・ハンターカブ』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
色良し、スタイル良し、好みなんです!ホンダの原付二種レジャーモデル『CT125・ハンターカブ』に試乗します~小野木里奈の○○○○○日和~
バイクのニュース
俺のやってきた35年間を返せ!! スポーツ走行派にこそ欲しいホンダEクラッチ
俺のやってきた35年間を返せ!! スポーツ走行派にこそ欲しいホンダEクラッチ
バイクのニュース
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
正式発売前のプロトタイプ先行試乗をプレイバック! 3代目レクサスISはBMW3シリーズを超えられたのか?
ベストカーWeb
一体何をするのか説明できる? エンジンのオーバーホールとは
一体何をするのか説明できる? エンジンのオーバーホールとは
バイクのニュース
STD+約19万円はお買い得!? ヤマハ新型MT-09の「SP」が7月に発売! オーリンズ製リヤサス、専用電子制御などを採用
STD+約19万円はお買い得!? ヤマハ新型MT-09の「SP」が7月に発売! オーリンズ製リヤサス、専用電子制御などを採用
モーサイ
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
レスポンス
トヨタ カローラ・レビン/スプリンター・トレノ1600(昭和47/1972年3月発売・TE27型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト068】
トヨタ カローラ・レビン/スプリンター・トレノ1600(昭和47/1972年3月発売・TE27型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト068】
Webモーターマガジン
遊び心満載RV!トヨタ「スターレッド リミックス」とは
遊び心満載RV!トヨタ「スターレッド リミックス」とは
バイクのニュース
カワサキ「KLX300/SM」2025年モデル登場! パワフルな水冷292cc単気筒の“闘う4スト”に新色【北米】
カワサキ「KLX300/SM」2025年モデル登場! パワフルな水冷292cc単気筒の“闘う4スト”に新色【北米】
WEBヤングマシン
【10年ひと昔の新車】スバル インプレッサWRX STIの4ドアに待望の「スペックC」が登場した!
【10年ひと昔の新車】スバル インプレッサWRX STIの4ドアに待望の「スペックC」が登場した!
Webモーターマガジン
【スーパースポーツ試乗】フェラーリ296GTBと296GTSに乗って実感。エレガントにしてレーシー、スポーツカーは永遠に不滅
【スーパースポーツ試乗】フェラーリ296GTBと296GTSに乗って実感。エレガントにしてレーシー、スポーツカーは永遠に不滅
カー・アンド・ドライバー
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
ベストカーWeb

みんなのコメント

1件
  • ko2********
    コンチネンタルGTのアライメントのままアップハン付けたのがINT、という理解でいいでしょうか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村