■本当に“めちゃ速い”! ニュル最速の称号は伊達じゃなかった!
2023年11月25日、ルノーは、袖ケ浦フォレストレースウェイにて「R.S. ULTIMATE DAY」を開催しました。当日は、「R.S.(ルノースポール)オーナー」でだけでなく、スポーツカーファン全員が楽しめるイベントとなっており、ルノー車はもちろんマツダ「ロードスター」やホンダ「シビック タイプR」など他メーカーのクルマも集まっていました。
このR.S. ULTIMATE DAYのプログラムの中に“メディア対抗サーキットチャレンジ”も含まれており、くるまのニュース編集部も機会をいただきましたので参戦してきました。
【画像】めちゃカッコイイ! ルノー新型「メガーヌ R.S. ウルティム」を画像で見る(28枚)
メディア対抗サーキットチャレンジで使われたのは、ルノー「メガーヌ R.S. ウルティム」。ルノーのモータースポーツのテクノロジーと知見を凝縮した究極かつ、ルノースポールシリーズ最後のモデルで、世界限定1976台と希少なクルマです。
ボディサイズは、全長4410mm×全幅1875mm×全高1465mm。直接のライバル関係に当たるのはニュルブルクリンクサーキットで“FF最速”のしのぎを削るシビック タイプRなどですが、サイズ感だけで言えばトヨタ「GRカローラ」に近しいサイズ感です。
パワートレインは、最大出力300馬力・最大トルク420Nm(MT車は400Nm)を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンで、これに組み合わされるのは、電子制御6速AT(6EDC)もしくは6速MT。0-100km/h発進加速5.7秒という優れたパフォーマンスを発揮します。
エクステリアは、コの字型の外形を持つ斬新なデザインのヘッドライトが目を引くスポーティなデザイン。張り出したフェンダーがパフォーマンスの高さを主張します。また、各所に配された専用のブラックのデカールがあしらわれ、通常モデルとの差別化を測っています。
インテリアは、カーボン調素材とレッド&グレーステッチが配された外装同様スポーティなデザイン。アルカンターラ表皮のレカロ製フロントバケットシートが採用され、優れたホールド性を発揮します。
ボディカラーには、ノワール エトワール、ブラン ナクレ、オランジュ トニック、ジョン シリウスの4色を設定。価格は659万円からです。
そんなメガーヌ R.S. ウルティムを使って行われたメディア対抗サーキットチャレンジにくるまのニュース編集部は、助っ人ドライバーとしてモータージャーナリストでフランスでの活躍経験もある南陽一浩氏に参戦していただきました。
■くるまのニュース編集部が参戦! その結果は?
競技は「ハイパースラローム」と、「サーキットタイムアタック」の2競技に分けて行われました。
ハイパースラロームは、メガーヌ R.S. ウルティムの開発テストドライバーであるロラン・ウルゴン氏が来日しコースを監修したという、ホームストレートに作られた特設スラロームのタイムを競うもの。
設置されたパイロンに触れてしまうと+5秒のハンデを取られてしまうため、慎重な走行を行いましたが、経験豊富な南陽氏はもちろん、初めてメガーヌ R.S. ウルティムに乗った筆者(くるまのニュース編集部員)でも自然にかつスピーディに走行できました。
驚きのコントロール性を発揮したのは、メガーヌ R.S. ウルティムに採用されている4 コントロール(4輪操舵システム)によるもの。時速約60km未満の低速走行(「レース」モードでは時速約100km未満の走行時)では、後輪を前輪とは逆の方向に、時速約60km以上の高速走行(「レース」モードでは時速約100km以上の走行時)では、4つの車輪がすべて同じ方向に向けられ、コーナリングでの安定性を高める仕組みになっています。
これにより、走行ラインを正確にトレースし、確実なドライビングのための的確なステアリングと安定したロードホールディングに貢献しています。
今回のメディア対抗サーキットチャレンジでは、メディアとしては全9チームが参加しましたが、このハイパースラロームにおけるくるまのニュースチームの順位は6位。メガーヌ R.S. ウルティムは初心者が乗っても十分に戦える“強力なマシン”と言っても過言ではありません。
次に行われたサーキットタイムアタックは、袖ケ浦フォレストレースウェイを4周し、ラップタイムを2度計測する形で行われました。
袖ケ浦フォレストレースウェイは、1周約2.4kmで14個の多彩なコーナーを備えたハイスピードコース。筆者(編集部員)も何度かサーキット走行を観覧していますが、テクニカルな設計ゆえコーナーでタイムを詰めるのもなかなか難しいようで、攻略しがいのある本格的なコースです。
もちろんこのようなコース走行では、ハイパースラロームで使わなかった高速域をふんだんに使います。当然高速コーナーを何度も駆けることになりますが、ここでもメガーヌ R.S. ウルティムの挙動は乱れず、驚きの安定感を発揮します。
筆者(編集部Y)のようなサーキット初心者でも、安心してコーナーを楽しむことができました。
これは、メガーヌ R.S. ウルティムの“パフォーマンスを最大限に引き出す”というシャシーが影響しています。
スプリングレート、アンチロールバー、そしてダンパーがハードな方向に振られており、ロールを最小限に抑えることで、コーナリングスピードの向上に貢献しているほか、このハードな仕様のフロントダブルアクシスストラットサスペンションと4HCC(4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)の組み合わせにより、公道での快適性も維持しながら、コーナリングスピードが高いサーキット走行が重視されたセッティングを実現しています。
このサーキットタイムアタックの得点とハイパースラロームの得点を足し合わせ、最終的な順位が確定するのですが、くるまのニュース編集部チームは10.5点で8位。決していい結果とは言えない順位に収まりましたが、上級者はもちろん初心者でも安心してサーキット走行を楽しむことができる…そんな懐の深い一台であるメガーヌ R.S. ウルティムのお陰で十二分にサーキットを楽しむことができました。
※ ※ ※
メガーヌ R.S. ウルティムは前述の通り“ルノースポールシリーズ最後のモデル”。そのDNAは、以後ルノーのスポーツカーブランド「アルピーヌ」に引き継がれていくといいます。
同社のシャシー開発を担当したフィリップ氏はこのことについて以下のようにコメントしています。
「ルノースポールを開発していたチームが、そのままアルピーヌを開発しているため、ルノースポールの開発ノウハウは失わず、アルピーヌの設計ができています。今後も完成度の高いクルマを生み出し続けることができるでしょう」
優れた走行性能を体験できたメガーヌ R.S. ウルティム。その技術が引き継がれているという「A110」もいつの日か体験してみたいものです。
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