毎日自動車ディーラーを回り、いち早く各メーカーの新型車情報をつかんで報じてくれる流通ジャーナリスト・遠藤徹氏。今回もトヨタ、日産、ホンダ、スバル、ダイハツと、幅広い新型車情報を届けてくれた。
2019年は東京モーターショーあり、消費税増税あり、自動車税制改正ありと、自動車界を揺るがす大きなニュースがてんこ盛りの1年になりそう。そんな年だからこそ、新車スケジュールをきっちり抑えて、慌てないようにすごしましょう!
日産復活への足掛かり!! デイズが2019年3月に新型に!? 新型「デイズ」最新情報
この年末年始から春にかけて、新型車の購入を狙っている皆さまは、ぜひ参考にしてください。
文/遠藤徹
■2019年1月7日、ヴォクシー/ノア/エスクァイアを一部改良&新グレード設定
トヨタは2019年1月7日、ヴォクシー/ノア/エスクァイアを一部改良します。
今回の改良内容は2列シート5人乗り車や新グレードの設定、安全装置「ICS(インテリジェントクリアランスソナー)」の標準装備などです。
2列シート5人乗り仕様は追加設定されます。新グレードは従来特別仕様車だった「ヴォクシーZS 煌」と「ノアSi W×B」をほぼ同じ装備内容で標準グレードに繰り入れます。そのため、これらの特別仕様車は廃止されます。
最近は特別仕様車がどちらも販売の中心になっており、これを標準グレードに盛り込むことで増販気運を一段と盛り上げる狙いがあります。
■次期型デイズを今年度末に発表、2019年4月に発売
日産は軽自動車の次期型デイズを2018年度末となる2019年3月に発表し、その翌月の4月に発売する方向でスケジュールを進めている模様です。
従来どおり三菱自動車との合弁による「NMKV」での企画開発となりますが、次期型では日産側スタッフが大幅に組み入れられ、実質的には日産の独自開発に近い陣容になると思われます。生産はこれまでどおり三菱の水島工場が担当します。
次期型では新開発のプラットフォーム&エンジンなど基本コンポーネントで全面刷新を図ります。パワーユニットはモーターアシストによるマイルドハイブリッドによって燃費&性能の向上を図り、ターボユニットの刷新も行われるものと思われます。デイズの姉妹車である三菱自動車のeKワゴンも、今回同時に同様の内容で世代交代します。
また、その1年後の2020年春には両側スライドドアのスーパースペースワゴン「デイズルークス」もフルモデルチェンジします。
■軽自動車ベースの電気自動車は2020年後半に投入か
関係筋によると日産&三菱自動車は2020年後半にも軽自動車ベースの電気自動車を投入する見込みです。次期型デイズ/eKワゴンのボディをベースに、両社が共同開発します。「i-MiEV」の後継モデルで日産、三菱の両ブランドで発売されます。
■2019年1月下旬、ヴェゼルに1.5Lターボ車を追加
ホンダは2019年1月下旬、ヴェゼルに1.5Lターボ車「ツーリング」を追加設定します。同モデルはターボエンジンに専用チューニングのCVT、アジャイルハンドリングアシストなどの装備によって、走行性能向上を図っています。
外観は2本出しマフラーフィニッシャーなどを採用。内装色はスエードコンビシートの上質な茶系の専用色、外装色は「スーパープラチナグレー・メタリック」、「プレミアムクリスタルブルー・メタリック」が設定されます。
ベースグレードは上級のRSです。スペックは173ps、220Nm(22.4kgm)を発揮し、駆動方式はFFのみとなります。価格は285万円程度とハイブリッドの281万円を上回り、同シリーズの最上級に位置づけられる見込みです。
■スバルの2019年の新車は終盤にレガシィのフルモデルチェンジ
「毎年1台以上の新型車を発表する」、と中期経営計画で明言しているスバル。
2018年はフォレスター、その前年はXV、2016年にはインプレッサが登場している。モデルサイクルとラインアップに照らしてみると2019年はレガシィのフルモデルチェンジとなる。
しかしスバルの各販売店幹部などに取材してみると、どうも開発は遅れているようで、新型レガシィは2019年終盤の発表、2020年初頭の発売…あたりが現実的なスケジュールとなりそうだ。
タイミングを考えると、2019年10月の東京モーターショーか、11月末のロサンゼルスオートショーあたりで世界初披露となりそう。
■2019年、ホンダの新型はフィット&N-WGNの次期型
2019年のホンダの新型車戦略は近く明らかになりますが、販売店各社はフルモデルチェンジがフィットとN-WGNの後継モデル、マイナーチェンジはフリード、追加グレードはヴェゼルあたりと予想しています。
前半の販売では、2018年の後半に投入したN-VAN、新型のCR-Vとインサイトの新車効果がフルに寄与するので、2019年に投入するニューモデルはいずれも後半の発表、発売になる見込みです。
フィットは本来であれば9月あたりが世代交代の時期となりますが、10月に消費税の増税が実施になることから、10月以降の発表に先送りされる見通しです。派生モデルのシャトル、グレイスは順次2020年中盤のフルモデルチェンジが有力です。さらに、オデッセイも2020年秋の世代交代が予想されます。
■ハスラーが特別仕様車作戦で販売復活へ
スズキのハスラーの売れゆきが回復基調にあります。10月の届出台数は5732台で前年同月に比べて9.6%増と、これまでのマイナスからプラスに転じているのです。
今夏から秋になってタフワイルド、Jスタイルなど2トーンカラーの特別仕様車を設定して発売していて、この成果が表れています。来年秋にも、さらに特別仕様車第4弾を設定し、商品ラインナップを強化する方針で、当分ハスラーはこうした商品戦略で対応するものと思われます。
■次期型タントの投入は2019年秋
ダイハツは2019年終盤、エース車種であるタントのフルモデルチェンジを予定しています。
2019年の10月には消費税が10%に増税され、実施直前には駆け込み需要が発生します。
この時期に新型タントを投入すると新型車効果と駆け込み需要が重なり、受注が集中しますが、納期が遅れれば増税後の販売になるケースも発生し、販売店では混乱が生じる可能性があります。
そうであれば増税実施後のほうが長い目で見た場合販売の上乗せが期待できるとの読みがあります。こうした事態は同じ時期に新型車を発売する各社も同様にあります。
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