DTM(ドイツツーリングカー選手権)を率いるゲルハルト・ベルガーは、4輪への挑戦を開始したバレンティーノ・ロッシについて、DTMへの参戦は時期尚早だと考えている。
MotoGPのレジェンドライダーとして知られているバレンティーノ・ロッシ。彼は2021年にMotoGPを引退したが、2022年もレース活動は継続。今シーズンはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCE)へAudi R8 GT3 LMS Evo IIを駆ってフル参戦することが決まっている。
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DTM自体はGT3マシンへと切り替わったこともあり、ロッシの4輪レースへの参入にあたっては最も魅力的な選択肢のひとつだと考えられてきた。
ロッシというビッグネームを逃したとも言えるDTMだが、ベルガーはDTMのような完全なプロフェッショナルによるスプリントレースシリーズに挑む前にGTWCEで学ぶことは、ロッシにとっても最善だと考えている。
「彼は今、MotoGPでの自分のチームをしっかりさせることに非常に集中していると思う。それから、”クルマ”に慣れるために長距離でのソフトランディングを好んだと思っている」
ベルガーはそう語る。
「タイミングとしては、(ロッシが今DTMに参戦するのは)適切な時ではないと思う。だから彼は正しい事をしていると思う」
「彼のことを迎えられれば嬉しいだろう。知っての通り、彼はファンタスティックなビッグネームだからね。しかし、それにふさわしくあることも必要だ。競争力のあるバレンティーノを見る必要があるんだ」
「そしてDTMで競争力を発揮するには、少し時間が必要だ。だから彼の行動は良いモノだと思うし、今後相まみえることになるだろう」
なおベルガーはロッシのDTM挑戦の可能性について、個人的に話す機会は無かったとも明かしている。ただマネジメントチームと”MotoGP後”の選択肢について話はしたようだ。
「昨年、我々が直接話をしたことはない」
「何年か前はあったが、昨年は話はしていない」
「彼のマネジメント担当とは少し話をしたが、何もなかった。彼は(MotoGPでの)チーム編成に忙しいと思うし、何かを始める前に、4輪での経験を多少積み始めることになると思う」
ロッシのDTM参戦という点では、2019年のミサノラウンドで実現する可能性があった。ロッシはここでDTMデビュー寸前まで進んでいたのだ。ただ、これは実現しなかった。
ゲストドライバーの参戦は今年もDTMは許可している。しかしフルシーズン参戦でグリッドが埋まっているため、ゲストの参戦枠は減らさなければならな状況だ。
ただDTMのイベントディレクターであるフレデリック・エルスナーは、ロッシがDTMに興味を示したなら便宜を図ることも喜んで対応するだろうと語っている。
「仮に彼が(DTMへ)来たいと望んだなら、大歓迎だ! 間違いなく、例えばイモラでのゲストとして許可するだろう」
「ただ、これは『うまく行かなかったから、なんとしてでも彼をゲストとして走らせよう』ということではない」
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