トヨタのミドルサイズミニバン「ノア/ヴォクシー」の新型が、年明け早々に登場する。ホンダ「ステップワゴン」も2022年春には新型登場、とされており、2022年はミドルサイズミニバンの年となりそうだ。
ミドルサイズミニバンといえば、日産「セレナ」も、フルモデルチェンジのタイミングが近づいている。現行型セレナ(5代目C27型)が登場したのは2016年8月のこと。セレナはこれまで、おおよそ6年ごとにフルモデルチェンジしていることから、おそらく、2022年内には次期型セレナが公開され、2023年初頭からの発売開始されるのでは、と筆者は予測している。
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売れ筋ミドルサイズミニバンとしては、最後発となるセレナ。最新事情を踏まえつつ次期型セレナの姿を予測し、ノア/ヴォクシー、そしてステップワゴンとの「ミドルサイズミニバン新時代」の勢力図はどのようになるのか、考察してみよう。
文/吉川賢一、写真/NISSAN、HONDA、TOYOTA
[gallink]
ベースモデルがe-POWERとなるのは間違いない
2016年8月に登場した現行型セレナ。2018年3月にはe-POWER搭載モデルが追加され、2018年と2019年の2年連続でミニバン登録台数トップを獲得
現行セレナは、2018年3月にe-POWERを追加して以降、販売は好調で、ノートとエクストレイル(エクストレイルは現在失速中だが…)と並んで、国内日産の販売を支えるエースモデルだ。発電用の1.2L3気筒エンジンと、最大出力136ps、32.6kgf・mを誇るモーターで、セレナの大きく重たいボディを力強く引っ張る。また、現在は当たり前となった装備だが、2017年にプロパイロットがいち早く搭載されたのがセレナであった。
次期型のパワーユニットについては、ガソリン仕様(マイルドハイブリッド含む)は廃止され、ベースモデルがe-POWERとなるのは間違いないだろう。最量販車である「ノート」でe-POWER専売としてきた日産が、ここにきて、「いや、やっぱりセレナはガソリンの需要もあるので…」なんてカッコ悪いことは、少々内情が苦しくても、してこないはずだ。
ノートオーラに搭載の第2世代e-POWERは、モーター最高出力100kW[136ps]/3183-8500rpm、最大トルク300Nm/0-3183rpmを発揮。ノートオーラNISMOにも、制御定数を変更した本ユニットが搭載されている
そのe-POWERも、現行E13ノートから採用が始まった「第2世代のe-POWER」となるだろう。E13ノートのe-POWERシステムは、先代E12の排気量(1.2L)を維持しながらも、エンジン全体をブラッシュアップしており、モーター出力トルクは10%以上もアップしている。次期型セレナには、ノートオーラに搭載された、最大出力で18%UP(85kW→100kW)、最大トルクは7%UP(280Nm→300Nm)させたe-POWERユニットが搭載されると考えられる。
先代E12ノートに対して、発進時のフィーリングは著しく向上しており、フィットe:HEVやヤリスハイブリッドとは異なる滑らかさをもつ、現行E13ノートのe-POWER。また、加速や減速のモーターサウンドは、新生e-POWERならではの大きな魅力だ。
「ノートオーラ」級のインテリアが欲しい!!
木目調パネルやツイード調織物の採用して、上質さと心地よさを高めたノートオーラのインテリア
セレナは、ミドルサイズミニバンジャンルにおいて、2018年と2019年の2年連続で、登録台数トップを獲得している。しかし、2020年はヴォクシーがトップに、2021年も、このままのペースでいくと、ヴォクシーがナンバーワンとなる見込みだ。
全高と全長は、3車の中で最も大きく、特に、エルグランド(1300mm)よりも高い室内高(1400mm)による使い勝手の良さは、セレナの大きな魅力のひとつだ。3列目シートの左右跳ね上げ式も、広い荷室スペースの形成に一役買っている。こうしたセレナの「長所」は、次期型でもしっかり踏襲されるであろう。
しかし、長所を伸ばすだけでなく、現行セレナがもつ弱点をしっかりカバーしなければ、新型ノア/ヴォクシー、新型ステップワゴンに太刀打ちできるはずがない。現行セレナの弱点、それは「インテリアの質感」だ。
セレナに限らず、日産車はこれまで、インテリアの質感がチープで、かなり不評だった。しかし、アリアや北米で発表された新型Z、現行ノートやノートオーラなどで見せてくれたインテリアセンスは、日産車とは思えない仕上がり。やればできるなら、もっと早くやってほしかったと思う。
特にノートオーラでは、欧州車ばりのフルデジタルメーターの採用をはじめとして、ダッシュボードのつくりやインフォテイメントモニターのレイアウト、ステアリングホイールなど、すっきりと、使いやすく、上質だ。ギラギラと派手なこともなく、「丁度良い節度を保った和モダン」とでもいうべきか、センスが良い。
これに加えて、「アリア風」の新顔で決めてくれば、セレナは、再びミニバンランキングの首位に躍り出ることはできる、と筆者は考える。
サプライズとして、上級グレード向けに欲しい「VCターボe-POWER」
欧州市場に2021年夏から投入されている新型キャシュカイ。可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとした新たなe-POWERを搭載
さらにライバルを突き放す戦略として、欧州で販売されているSUV「キャシュカイ」の新型で用意される1.5L直4VCターボを発電用とした「e-POWERターボ」を搭載したグレードを、セレナの上級グレードにも用意してほしい。
日本仕向けの新型エクストレイルに搭載される見込みであるこの「e-POWERターボ」は、新型キャッシュカイでのリリースによると、最高出力140kW(187ps)、最大トルクは330Nm。現行E13ノートの「第2世代e-POWER」に対して、およそ1.2倍はパワフル、ということになる。これだけのパワーがあれば、次期型セレナにとってかなり強力な武器になる。
日本仕向けの新型エクストレイルは、三菱のアウトランダーと兄弟車となったことで、プラグインハイブリッドモデルが用意されることが濃厚だが、ミドルサイズミニバンであるセレナには、高額となるプラグインハイブリッドモデルは、さすがに用意されることはないだろう(あるとしたらエルグランドか)。
また、現行セレナにある「AUTECH」は早急に用意してほしい。湘南ブルーをイメージカラーとした、プレミアムスポーティ仕様「セレナAUTECH」の上級バージョン「セレナAUTECH SPORTS SPEC」の足の良さ(ショックのいなしとボディモーションの両立レベルが高い)は、ちょっと感動ものだった。
足周りのチューニングだけでなく、フロアの車体対策も施された特別仕様であったが、次期型にあの足をそのまま移植してほしいと思うくらい、いい仕上がりだった。日産はノートで派生車を連投させてきたが、セレナでもこうした派生車を続々と登場させ、ユーザーに選択肢を多く用意することでも、ノア/ヴォクシーやステップワゴンとの差別化につながり、一歩前へ出ることはできると思う。
次期型セレナの概要が判明するのは、あと1年ほど先となるだろう。日産の国内を支えていた3本柱の一角として、何処まで進化した姿を魅せてくれるのか、非常に楽しみだ。
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