心臓部は13Bブリッジ+T88-34Dタービン仕様!
「常にセブンを楽しみたい!」そんな欲求を満たす贅沢チューン
「エアコンやナビを残したまま筑波56秒台を実現したFD3S!」目指すはストリートマシン最速の称号
筑波サーキットで繰り広げられている“素人最速決定戦”で56秒463というタイムを叩き出し、トップランカーの一角に食い込んでいるブラウンカラーのFD3S。サーキット専用機かと思いきや、快適装備をフル搭載したナンバー付きでチューンドで、ストリートユースを重視した作りになっているのが見どころだ。
室内は軽量化のために内装パネル等を部分的に削ぎ落としているものの、エアコンやオーディオ、ETC等は完備。補強はロールケージのみながらガゼット補強を加えて強度アップを狙う。シートはタイムアタックマシンで定番のレカロSP-Gではなく、アルカンターラ素材を採用したTS-Gをチョイス。この辺りにオーナーの拘りが見え隠れする。
また、ミッションはシンクロ付きのHパターンに拘っているのもポイントだ。Iパターンのシーケンシャルではないにも関わらず、筑波56秒を叩き出しているのだから恐れ入る。
そんなストリート志向のチューンドである反面、エクステリアはドアパネルやリヤゲートをFRP化、サイド&リヤウインドウをアクリル製にそれぞれ変更。快適性に影響が出にくい部分の軽量化を図って、1140kgの車重を達成している。さらに、カナードなどの空力パーツは脱着式とすることで、簡単にリーガル仕様に変身することもできるように仕上げられている。
エンジンはサイドポート拡大+TD07-25Gタービン仕様から、ブリッジポート+T88-34Dタービン仕様へとアップデートし、ブースト圧1.4キロ時に530psを発生させる。ZESTレーシングで組んだエンジンのフィーリングは、アタックでのパフォーマンスとストリートでの安定感を兼ね備えているという。
オレンジアルマイトがかけられたアルミプーリーはスーパーナウ製、軽量な上にストリートマシンとしての見栄えにも貢献している。
一方の足回りは、アラゴスタ車高調を軸に構築。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化(スーパーナウ製)している。
ブレーキは2ピースの大径ローターを組んだ上、6型純正のABSを移植することで制動力を根本からアップ。実際に、これまでよりもクルマ1台分ほどブレーキングの距離を詰めることができるようになったそうだ。このアップデートもタイム短縮に貢献したポイントとのこと。
エアロパーツはRE雨宮のフルキットをベースにさらにワイド化。フロントアンダーには、ガレージカゴタニのGT-R用アンダーパネルを組み込んでダウンフォースを増強。左右に延びたカナードは幅20cmというビッグサイズだ。
ボルテックス製のリヤウイングはステーの高さを変更。ステーは見た目と整流効果を狙ってカーボンパネルを貼付けている。また、ヨーロッパ車風デザインで一新したLEDテールランプはGLOWの製品で、FD3Sのリヤビューに先進性を与えるストリートアイテムだ。
「エンジンや足回りはかなり自分のイメージに近付いていますね。あとは路面状況やアタックのタイミング次第で55秒台に入れるんじゃないかな」とはオーナー。ストリートマシン最速を目指した戦いは、まだ終わらないのだ。
●取材協力:カーショップグロウ 東京都練馬区豊玉上2-2-3 TEL:03-6794-2003
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