レクサスは2020年6月16日、コンパクトFRセダンの「IS」のマイナーチェンジモデルを世界初公開した。国内での発売は2020年の秋ころを予定している。
新型ISの公開された画像はこちら
これでマイチェンなの!??? 新型レクサスISが世界初披露!
「IS」の世界初公開は、米国からのデジタルプレスカンファレンスをオンライン配信および、プレスリリースにより行われた。
今回の「IS」、何よりも驚いたのが、これでマイナーチェンジ? と思うほどのエクステリアデザインの変貌だ。プラットフォームをイジらずに外板を総取っ替えして、最新レクサスのアイデンティティを盛り込んだ。もちろんインテリアもブラッシュアップ。
さらには、世界一過酷なレースコースとも言われるドイツ・ニュルブルクリンクサーキットを参考に造られた、トヨタの最新テストコースである「Toyota Technical Center Shimoyama(下山テストコース)」にて走りを鍛え上げたというから、その走りに期待は高まる。
ビッグマイナーチェンジした「IS」が追求したのは、コンパクトFRスポーツセダンとして従来から築き上げてきた乗り味や運動性能のさらなる進化だ。レクサス独自の価値として、あらゆる走行シーンで減速や操舵、加速がシームレスにつながる気持ちよさなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答性な乗り味である「Lexus Driving Signature(レクサス ドライビング シグネチャー)をより高い次元に昇華させたという。
見た目は、まったく“別モノ”に変貌
躍動感のあるアグレッシブなフォルムは、その走りを期待させるに十分。AピラーおよびBピラー、ルーフ以外のボディパネルは新規開発だという。見た目は全面刷新といっていい。
そんな気合いのビッグマイナーチェンジで目を引くのは、一層ワイド&ローとなったプロポーション。新開発の薄型のヘッドランプや低く構えたグリルまわりそしてフェンダーの張り出し感の強調、サイドのキャラクターラインを下げることや、トランクの後端を段付き処理することで低重心感を表現している。
新意匠のスピンドルグリルはグリル先端を起点として立体的な多面体構造とすることで押し出し感を強調。メッシュパターンにはスピンドルをモチーフとしたブロック形状とメッシュパターンを組み合わせることでスポーティさを演出している。
ルーフラインは後方でなだらかに傾斜するとともに、リヤクオーターピラーがサイドからまわり込むように絞り込むことで、リヤフェンダーの張り出し感がより強調されている。
L字モチーフのリヤコンビネーションランプは左右が一文字でつながるデザインだ。リヤバンパーには立体的なガーニッシュを備えているのも特徴で、今回新たに採用した19インチホイール&タイヤやワイドなトレッドにより、スポーティな走りを予感させるプロポーションを実現する。
新型「IS」は、特にリヤまわりの造形にこだわった。ボディパネル製造行程で、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加した「寄絞り型構造」の最新プレス機技術を採用。ラゲッジ部のシャープなキャラクターラインを作り出している。
ちなみにボディサイズは、従来型とホイールベースは同じ(2800mm)だが、全長が4710mm(+30mm)、全幅1840mm(+30mm)、全高1435mm(+5mm)とそれぞれ拡大している。(北米仕様プロトタイプの数値)
より高揚感のあるインテリアに
インテリアでの変更点をすぐに感じられるのは、10.3インチのワイドディスプレイ。従来のリモートタッチによる操作に加えて、直接ディスプレイに触れて操作が行えるようになった。画面の操作性を高めるためにディスプレイの位置を乗員に近づけている。さらに、「SmartDeviceLink」や「Apple CarPlay」、「Android Auto」に対応し、iPhoneやAndroidスマートフォンとの連携機能が強化。利便性も高めている。
このほか、インストルメントパネルやドアパネルを2トーン配色とすることで、左右方向の広がり感を強調。2トーンカラーの配色によるコントラストで乗車時の高揚感も感じさせるカラーコーディネートを図っている。
ドアトリムの一部にはレクサスの新たな加飾表現である複数のエンボスラインが交差したグラフィックパターンを採用。オーナメントパネルにアッシュ(オープンフィニッシュ/墨ブラック)、ブラックジオメトリーフィルム、Fスポーツには専用サテンクロムを新たに採用する。これら表面処理などでアクセントをつけることで、質感へのこだわりを感じられるスポーティな車内を演出している。
“下山育ち”の感性チューニング
エンジンは従来型同様に、3.5リットルV型6気筒と2.5リットル直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッド、2リットル直列4気筒直噴ターボの3タイプをラインアップ。
気になるのは、なんといっても、トヨタが車両開発用に2019年に新設した下山テストコースで鍛え上げられた走りへの期待だろう。
世界屈指の過酷なコースとして知られるニュルブルクリンクを長年走り込んできた経験を基に、自然の地形を生かして造られた全長約5.3kmのコースには、約75mの高低差や多くのカーブやさまざまな路面を組み合わせている。「クルマは道がつくる」という考え方で造られた下山テストコースをはじめ厳しい環境のなかで、ISはその走りを鍛え上げた。
ここでキーとなるのは数値では測れない人の感性価値へのこだわりだ。走行試験の結果に基づき、ドライバーの入力に対する俊敏な応答性やばね上の無駄な動きを抑制。路面状況や走行シーンに応じて徹底的にチューニングしたという。ステアリングやペダルの初期応答だけでなく、戻す際のコントロール性の向上を図り、滑らかな運転動作を追求した。
2.5Lハイブリッドモデルは、アクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御を変更。2Lターボモデルはドライバーのアクセル開度などから走行環境を判定して、シーンに応じた適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を採用。よりドライバーのアクセル操作や意図に対してリニアなレスポンスを実現する。
今回の改良では、サイドラジエターサポートの補強や、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造を最適化するなどして、ボディ剛性を高めた。これによりハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能を高めるとともに、ノイズや振動を抑え、乗り心地を向上させている。
新たに採用した19インチタイヤは、コーナリングフォースを大幅に向上する。さらにホイールの締結にハブボルトを採用し、締結力の強化と質量低減を図っている。これらによって気持ちのいいハンドリングとブレーキングを実現する。
サスペンションチューニングにも抜かりはない。ショックアブソーバーに微小な動きに対しても減衰力を発生させる「スイングバルブショックアブソーバー」を採用。アブソーバーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性のいい上質な乗り心地を実現する。
これら数々のチューニングを施すことで、走りの質感をレベルアップしたというから、気にならずにはいられない。
また、さらに進化した先進安全運転支援システム「Lexus Safety System +」などを装備するなど、安全面のアップデートも見逃せない。
見た目の変化以上の、”感じる走り”を期待して発売を持ちたい。
〈文=driver@web編集部〉
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みんなのコメント
サイズ感がいいし、夫婦だけ、一人だけで乗っても持て余さないし、クリーンなデザインも長持ちしそうだし、他所様とも被らなそうだし。
そして、レクサスについては信頼性・耐久性は鉄板だし、維持費嵩むこともないでしょうから。