軽自動車のSUVには個性的なモデルが多い。その中でも、フルモデルチェンジしたばかりのスズキ ハスラーも三菱 eKクロスも、個性的なエクステリアデザインを持つ。そこで、見た目だけではわかりづらい2モデルの特徴を比較してみた。
ボディサイズにほぼ違いはない2台。異なるのは?
スズキ ハスラーはハイトワゴンとSUVを融合した軽クロスオーバー。その嚆矢となった初代が、優れた実用性と可愛くて頼もしい絶妙なデザインによって一躍大人気モデルになったことは、知ってのとおりだ。2019年12月に2代目へと進化した新型は、外観のイメージを忠実に踏襲するものの中身はフルモデルチェンジならではの進化を遂げている。
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一方の三菱eKクロスは、eKカスタムの後継にあたる軽ハイトワゴンで、従来どおり生産は三菱で行われる。開発を担当したのは日産で、デイズ ハイウェイスターとはデザイン違いの兄弟車となる。「ダイナミックシールド」採用のフロントフェイスは、もちろん三菱オリジナル。このクラスでもっとも押し出しの効くSUVルックで、アクティブなユーザー層に新たな軽ハイトワゴン像を提案する。
ボディの全長・全幅は、言うまでもなく軽自動車規格のフルサイズ。全高はルーフアンテナの関係もありスペックは若干異なるが、基本的にはこれも変わらない。
特徴的な違いは2点。ひとつはホイールベースだ。スズキの新世代プラットフォーム採用の順番がようやくハスラーに回ってきたことになり、ホイールベースは現在のスズキ軽乗用車と同じ2460mm。一方、eKクロスは日産開発の最新プラットフォームに刷新され、ホイールベースはハスラーより35mm長い2495mmだ。もうひとつの違いは最低地上高で、eKクロスは軽乗用車で標準的な155mmなのに対し、ハスラーは全グレードで180mmを確保している。悪路のロードクリアランスはハスラーが上だ。
ホイールベースに関連する数値の比較で言えば、最小回転半径はハスラーが全車4.6m。eKクロスは、14インチのタイヤ&ホイールを履くベーシックなMは4.5mと小さいが、主力の15インチモデルは4.8mと若干大きいという違いもある。
車内スペースの広さと、先進運転支援システムに差
室内長は両車とも軽クラスのトップレベル。細かく見れば、ホイールベースが35mm短いハスラーのほうが広く感じられるほどだ。身長175cmの乗員を基準にしても、後席のニールームにこぶし4つ分の圧倒的空間が広がる。
足元に眼を移すと、両車ともフロアトンネルのないフラットな床面とするが、後席のシートアレンジに違いが見られる。ハスラーは左右独立式で160mmのスライドをできる一方で、eKクロスは左右一体式で175mmとわずかに上回るシートスライドを可能とする。左右独立のアレンジが必要なければ、レバー操作ひとつで後席全体をスライドできるメリットがある。
また、シートスライドを一番後ろにして座ったときの開放感は、クオーターウインドゥを採用するハスラーが有利。しかしそれ以上に違いがあるのは前席で、前方に長いルーフを持つハスラーは頭上とその前方の空間に余裕がある半面、直上の信号が若干見づらいこともある。
先進運転支援システムは両車充実しているが、安全装備を比較するとハスラーがハイレベルだ。衝突被害軽減ブレーキの作動する自車速度は約5~100km/hと、eKクロスの約10~80km/hよりも広範囲である。駐車場などで心強い後退時ブレーキサポートも備える。また、ACC(アダプティブクルーズコントロール)はスズキの軽初の「全車速」対応だ。
だが、その点でeKクロスも黙ってはいない。日産プロパイロットの三菱版「マイパイロット」を電動パーキングブレーキとセットでオプション設定しているのだ。もちろん軽初の快挙で、ACCと車線中央を維持するハンドル支援が全車速で可能となる。ハスラーのACCは停止まで対応してくれるが、eKクロスはさらに停止・保持まで対応してくれる。
パワートレーンもなかなか興味深い。eKクロスのBR06型エンジンは、ルノー・日産が海外向けに共同開発した800ccをベースに開発されたもの。かたやハスラーのNAエンジンは、燃焼効率をいっそう高めた新開発R06D型が投入された。組み合わされるトランスミッションも、ともに進化しておりeKクロスは軽専用に新開発された従来と同じくジヤトコ製を採用。一方、ハスラーはスペーシアに続くアイシンAW製だ。
ISG(モーター機能付き発電機)を使ったマイルドハイブリッドの採用は両車に共通する。動力性能においてはNA/ターボともeKクロスが有利だが、ハスラーは車重の軽さでそれを十分に補う。ISGを瞬間的にトルクアップさせるハスラーのパワーモードは、オーバーブーストのような加速を味わわせる新アイテムだ。燃費については、実勢に近いWLTCモードでハスラーが確実にリードする。
eKクロスはコンパクトカーと同じブラシレスモーターを奢った電動パワーステアリングもトピックで、小気味よく洗練された操舵感は軽自動車離れしていると言ってもいい。それでも、両車はすべてにおいて好勝負。精悍で逞しいeKクロスか、遊び心が楽しいハスラーか。デザインの好みでどちらを選んでも間違いはないはずだ。(文:戸田治宏)
スズキ ハスラー HYBRID Xターボ(2WD) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:830kg【820kg】
●エンジン:直3DOHCターボ【直3DOHC】
●排気量:658cc【657cc】
●最高出力:64ps/6000rpm【49ps/6500rpm】
●最大トルク:98Nm/3000rpm【50Nm/5000rpm】
●モーターパワー:3.1ps/50Nm【2.6ps/40Nm】
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:161万2600円【151万8000円】
※【】内はNAグレードのHYBRID X
三菱 eKクロス T(2WD) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1640mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:860kg【850kg】
●エンジン:直3DOHCターボ【直3DOHC】
●排気量:659cc
●最高出力:64ps/5600rpm【52ps/6400rpm】
●最大トルク:100Nm/2400−4000rpm【60Nm/3600rpm】
●モーターパワー:2.7ps/40Nm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:166万6500円【158万4000円】
※【】内はNAグレードのG
[ アルバム : 【絶対比較】ハスラーとeKクロス はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
実際あの規格で室内を大きく取ろうと思うとどうしてもドア内部やボンネット内部に遮音材などを入れる事が不可能になり高速道路では660CCのエンジンを必死で回しますから室内は会話もできないやかましさになりますし、その省略はさらに衝突された時の安全性をも無視されるのは物の道理的に誰が考えても明らかですよね。
それでもそんな軽自動車を選ぶのはカッコ悪くてもスタイルと形が普通自動車の猿マネとか言われてもなんでもいいからとにかく自動車関連税をなるべく支払いたくない低所得層だからなのでしょうか。そんな風に認識される軽自動車はセカンドカーとしても要りません。バイクの方がよほどエコですし小回りもきいて便利です。
軽自動車っていうのはこんな車種なのです。