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1位はスズキ ジムニー!──2018年の「我が5台」 Vol.2 吉田由美編

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1位はスズキ ジムニー!──2018年の「我が5台」 Vol.2 吉田由美編

「出る、出る」と、言われながらなかなかフルモデルチェンジされず、先代登場から20年目を迎えた今年、新型が登場したジムニー。原点回帰とも言うべき角ばったワイルドなデザインと、先代から継承したラダーフレームが本格クロカンであるのを物語る。また、細い道でもガンガン走行可能なコンパクトサイズも、これまでと変わらず嬉しい。

昨今のSUVブームと相まって、すっかり“イマドキなクルマ”として注目を集めているジムニーの高い悪路走破性は折り紙つき。まさに「オトナのおもちゃ」のように扱えるので、あそび心をくすぐる。

これは最強の実用車か、男のオモチャか──新型ジムニー公道試乗記

運転してみると、正直言って洗練されているとはいいがたいが、それもまた「ジムニーの個性」だ。しかも、ほかの自動車メーカーのデザイナーから「この手があったか!」「やられた」と聞くと、日本のデザイン力を牽引する1台でもあると思う。日本カー・オブ・ザ・イヤーを辞退したスズキであるが、「GQ カー・オブ・ザ・イヤー」があれば、ぜひ選びたい1台である。

2016年登場のフラグシップSUV「XC90」で新世代ボルボを印象付け、「XC60」で“新世代”を身近にしたものの、価格やサイズ含め「もう一声!」と、思っていた人にとって嬉しいクルマが「XC40」だ。「XC60もいいけど、ボディサイズが少し大きいなぁ……」と、思っていた私のような人にはまさにドンピシャ。しかもデザインは、XC90やXC60よりルーフが低くなっていてさらにスタイリッシュになっている点も見逃せない。

XCシリーズを手掛けるデザイナーが来日したとき、この3台のSUVを靴にたとえて「XC90は革のビジネスシューズ、XC60はスウェードのシューズ、XC40は上質なスニーカー」と言っていたが、まさにその表現がピッタリだと思う。

スタイリッシュなエクステリアデザイン、キュートなボディカラー、こだわりと透明感に満ちたインテリアのディテール、そして上級モデルと遜色ない先進安全装備に至るまで、すべてにトキメキが感じられる今、もっともホットなSUV、かつ旬な1台であると思う。

新型「ポロ」を運転したとき、身体との一体感を強く感じた。最近は腰高のSUVばかり運転していたからかもしれない。背の高さがフツーのコンパクトカーは運転すればするほどしっくりきたのであった。

そんな新型ポロも、コンパクトカーとはいえ安全性や居住性を高めるべく、全長と全高はひとまわり大きくなり、3ナンバーサイズになってしまった(これまでは5ナンバー)。しかし、先代と比べて低くなった全高のせいか、運転してもサイズアップはほとんど感じない。

むしろ、全高が低くなったためアイポイントも低くなったのか、あるいはシートのサポート感が増したせいなのか、クルマが自分の手足となって動くような感覚は増した。「質実剛健」さもこれまでと変わらず、選んで間違いないクルマであると思った。

新型Gクラスは“39年ぶりのフルモデルチェンジ”が話題になったが、蓋を開けてみたらややトーンダウンして「大幅改良」だった。しかし、今までSUVをラインナップしなかったメーカーからも続々と新型SUVが登場している昨今、脈々とブランドを守りつつ、進化し続ける新型「Gクラス」はすごいとしか言いようがない。

見た目はキープコンセプトながら、快適装備や先進安全装備を最新仕様にアップデートするのは難しいはずであるが、それを見事実現したのが新型Gクラスの特筆すべき点だ。しかも、先代モデルに比べ公道での乗り心地や操縦性は格段によくなっている。ただし、武骨さも健在。洗練されたとはいえ、“本格クロカン”であるのは変わりないのだ。

そう考えると、滑らかさや快適になるだけがクルマの進化ではないと思った。電動化が進めば新型Gクラスのような乗り味は貴重になるのでは? と、未来のクルマのあり方についても考えさせられた1台だった。

今年、久しぶりに現行モデルのニッサン「フェアレディZ」に乗った。しかし現行モデルといっても、登場は2008年とすでに10 年前だ。「新型登場の話題を耳にしないなぁ」と、思いウェブで検索したら、これまでもマイナーチェンジであるものの新型(2019年モデル)が久しぶりに登場していた。

近ごろは、SUVブームやミニバン全盛で、スポーツカーの需要がそう見込めないため、あまり話題にもならない存在となってしまったのは確か。私もおそらく5~6年ぶりぐらいに運転したと思う。これがなかなかよかった。

エクステリアもインテリアも、思いのほか旧さを感じない。街であまり見かけないからだろうか。むしろインテリアなどは、新鮮に見える。スポーツタイプのシートは、クオリティもホールド性も高く、しっかり包まれながら運転するのは心地よい。オートマチックでも軽快にシフトがおこなえる設定で、ダイレクト感も気持ちよかった。

登場から10年と聞くと、メーカーから“放置”されているクルマのように思うかもしれないが、フェアレディZは決してそんなことはなく、きちんと熟成を重ねていた。当面、現役であってほしいと思う1台であった。

【著者プロフィール】
吉田由美(よしだゆみ):短大時代からモデルを始め、国産メーカーのセーフティドライビング・スクールのインストラクター経て「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の視点で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオなど広く活動中。

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