燃費対策のためなんとか先代モデル同等に抑えている
安全装備の充実、衝突安全の関係などでどんどん車両重量は増えている。自動車雑誌などでは、あたかも重量増が当たり前のように表現されていることが多い。はたして、それは事実なのだろうか。
究極ダイエットの激レア車! 走り命で思いっきり軽量化した強烈な国産スポーツモデル3選
たとえば、いま日本でもっとも売れているクルマ「トヨタ・ヤリス」を、そのルーツといえるヴィッツと比べてみよう。
現行ヤリスの車両重量は、ガソリン車が940~1020kg、ハイブリッドは1060~1090kgとなっている。一方で、先代ヴィッツ(130系)の車両重量はガソリン車で970~1010kg、ハイブリッドは1100~1110kgだ。エンジンが全車3気筒になったこともあり、ヤリスは確実に軽量化に成功していることがわかる。
とはいえ、これはヤリスだけの特別なケースで他車はモデルチェンジごとに重くなっているはずだと思うだろう。なかでも「軽自動車は名前に反して重くなっている」というクルマ好きの批判は出てくるところだ。そこで、車両重量がパフォーマンスに影響を与えるアルトワークスのFFグレードで比べてみよう。
1987年 初代 610kg 1988年 2代目 610kg 1990年 3代目 630kg 1994年 4代目 650kg 1998年 5代目 670kg 2021年 現行型 670kg
いかがだろうか、意外に重量が増えていない。
初代と2代目は550cc規格、3代目と4代目は旧660cc規格で、現在の規格になったアルトワークスは5代目からと考えると、衝突安全基準やボディサイズの違いを考えると重くなったとはいえない。
しかも、15年ぶりに復活した現行型はカタログスペックでは同じ重さになっている。SRSエアバッグやABSなど標準装備アイテムが増えているにも関わらず重量が増えていないということは、実質的にはボディやパワートレインは軽量化しているという意味だ。
むしろ、いまよりペナペナのボディだった550cc時代と比べて60kgしか重くなっていないというのは安全性能の向上を考えると驚異的といえるだろう。
たしかにアーキテクチャやプラットフォームと呼ばれる基本設計はそのままに、各種エアバッグなどの安全装備を載せていっただけの時代は、その分だけ重くなったこともある。しかし、ここで見てきたように同じようなボディサイズであれば、素材や設計といった技術の進歩は全体としては軽量化に寄与し、実質的には重くなっていない。
最新のクルマは装備が増えたことで重くなっているというのは、じつは思い込みといえるのだ。
ミニバンやSUVなど車重のあるクルマが増えているのも事実
もちろん、同じ車名なのに車格が異なったり、コンセプトが変わったりしたことで重くなったクルマというのも存在する。
たとえばホンダのスポーツフラッグシップであるNSXで言えば、初代はオールアルミボディで自然吸気V6エンジンだったこともあって、車両重量は1400kg前後。3.2リッターエンジンのNSX-Rに至っては1320kgと、いまのCセグメントばりの軽量モデルだった。
しかし現行NSXは、3.5リッターV6ツインターボに3モーターハイブリッドを組み合わせるというハイブリッドスポーツカーになったことで、その重量は1800kgとかなり重くなっている。しかし、これはまったくコンセプトが異なったためであり、同じようなパワートレイン構成で作ったら500kg近く重くなったという話ではない。
単純に比べられないが、ハイブリッドシステムを降ろした市販レースマシンである「NSX GT3」の重量は1240kgとなっている。カーボンカウルなので量産を考えると非現実的な部分もあるが、GT3マシンの数値を参考に安全装備や快適装備を足したと考えれば、初代NSXのようなコンセプトで自然吸気エンジン搭載車を作れば初代よりも軽くなる可能性は高いと容易に想像できる。
たしかに、スライドドアのミニバンやタイヤの大きなSUVなど車重のあるクルマが増えているのは事実で、ファミリーユースで使われているクルマの平均重量を比較すれば重くなっているといえるかもしれいない。
だが、同じようなカテゴリーのクルマで比較するとじつは重くなっていない。よく考えればわかるだろうが、これだけ燃費性能への要求が高まっている時代に、安易に車重を上げるなんてことはメーカーには許されないのだ。
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みんなのコメント
車重を抑えるメーカーの努力をなにも書いてない。
色つけしたボディの写真を貼ってるだけで記事では何も触れてない。
こんな記事で金もらえるなんて羨ましい。
60キロしか重くなっていない!
…重くなってるやん
先代型が1300キロ台で現行型が1800キロ
めっちゃ重くなってるやん!
なんなの?この記事w