現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【いまなら3桁万円!】マセラティは「ボーラ」派?「メラク」派? リアスタイルのカッコよさで70年代キッズのハートを掴んだ「メラク」とは【スーパーカー列伝18】

ここから本文です

【いまなら3桁万円!】マセラティは「ボーラ」派?「メラク」派? リアスタイルのカッコよさで70年代キッズのハートを掴んだ「メラク」とは【スーパーカー列伝18】

掲載 12
【いまなら3桁万円!】マセラティは「ボーラ」派?「メラク」派? リアスタイルのカッコよさで70年代キッズのハートを掴んだ「メラク」とは【スーパーカー列伝18】

ボーラのV8をV6に載せ替えた廉価版、では終わらない魅力がメラクにはあった

1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を振り返るとともに、今もし買うならいくらなのか? 最近のオークション相場をチェック。今回は当時マセラティ・ファンの子どもたちの間で「ボーラ」と人気を二分した「メラク」が主人公です。

北関東で発見した納屋物件! 正真正銘AMGがチューニングした「ギャランAMG」路上復活作戦スタート【ギャランAMG長期レポ】

そこはかとなくフランスの香りが漂う独特の成り立ち

イタリアン老舗ブランドのひとつであるマセラティは、V8ミッドシップモデルの「ボーラ」を擁してスーパーカーの世界に参入してきた。1971年に発表されたボーラには弟分の「メラク」(1972年デビュー)が存在しており、この2台がほぼ同じボディを採用していたことにより、スーパーカーブーム全盛時に多感な時期を過ごしたマセラティ・ファンの子どもたちはボーラ派とメラク派に二分された。ちなみに1971年生まれの筆者はメラク派であった。

ボーラとメラクの関係性は、イタリア語を語源とするカフェラテ(caffè latte)とフランス語を語源とするカフェオレ(café au lait)の関係性に似ていた。どういうことかというと、ボーラに搭載されていたV型8気筒エンジンはマセラティ伝統のパワーユニットだったが、メラクはフランス車であるシトロエン「SM」用にマセラティが開発したV型6気筒エンジンを積んでいたからだ。一見するとほぼ同じだが、成り立ちが異なるので、じっくり味わってみると両者は違ったわけである。

メラクはボーラよりも下のマーケットに投入するために用意された廉価モデル。スーパーカーブーム全盛時にランボルギーニ「カウンタック」やフェラーリ「BB」のライバルとして扱われたボーラをベースとして、当時の親会社であったシトロエンのパーツを使うことで安価での販売を可能としていた。逆輸入(?)したV型6気筒エンジンのみならず、油圧式のブレーキシステムなどもシトロエンから導入されたものだ。

パワーアップしたメラクSSの登場も胸熱ポイントだった

筆者はメラク派だったが、正直に告白すると、上記のような誕生の経緯やスペック、そして、シートが2+2になっているといったようなことはまったく気にしていなかった。ただ単にメラクのエンジンフードの左右にある、ファストバックをイメージさせる梁のような構造がカッコよかったので、ボーラよりもメラクのほうが好きだったのだ。

参考までに記しておくと、このファストバックのようなスタイルを実現した梁は、外観上のアクセントになっただけではなく、エンジンルームの排熱効果のアップ、後方視界の改善などにもつながったので、一部のマセラティ・マニアの間では現在も評価が高い。

個性的なノッチバックスタイルだけがメラク派となった少年たちを熱くさせていたわけではなく、1975年にV型6気筒エンジンの最高出力が通常版の190psから220psにパワーアップされたメラクSSが追加設定されたことも胸熱ポイントとなった。いまも昔も車名の最後に「SS」とかが付くと速く感じるもので、ボーラはボーラのまま1978年に引退したが、メラクはメラクSSに進化したこともあって、「なんか勇ましいねぇ~」といった印象になったのだ。

筆者が子どもの頃に読んだポケット百科に「メラクSSは、エンジンの排気量が3Lながらスーパーカーとして抜群の操縦性を誇っている。やはり、レースキャリアが長いマセラティは伝統を感じさせる名門というわけだ」と記されていたこともあり、メラク派の少年たちはその活字を見て「SS」のスゴさを痛感した。

いまメラクを狙うなら維持の心配が少ない後期型がオススメ

メラクは1983年まで造られたが、総生産台数が1830台だったといわれており、530台前後がラインオフした兄貴分のボーラより商業的にも成功したのであった。

販売面でボーラを凌駕したメラクはいまでも人気モデルとなっており、2020年6月にドイツでRMサザビーズが開催した「THE PETITJEAN COLLECTION」オークションでは1978年式メラクSSが3万3000ユーロ(当時レートで邦貨換算約400万円)で落札された。オリジナルエンジンを搭載しているが、アメリカ仕様とのことなので、リーズナブルと思えるこの価格での落札となったのだろう。

1975年にシトロエンSMが生産終了となったことでメラク・シリーズはシトロエンとの部品共用をやめ、一般的なサーボを持つブレーキとなっている。この1978年モデルのメラクSSは油圧式のブレーキシステムなどに悩まされることがなく維持しやすいのであった。買った人のセンスのよさに拍手を送りたいと思う。

■「スーパーカー列伝」連載記事一覧はこちら

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

RWD「最初で最後」の600馬力超え アウディR8 V10 GTへ試乗 ストレスフリーこそ最大の偉業
RWD「最初で最後」の600馬力超え アウディR8 V10 GTへ試乗 ストレスフリーこそ最大の偉業
AUTOCAR JAPAN
軽とは思えない広々開放空間を実現したホンダ「N-VAN」発見! 女子旅に至れり尽くせりの仕様をぜんぶお見せします!
軽とは思えない広々開放空間を実現したホンダ「N-VAN」発見! 女子旅に至れり尽くせりの仕様をぜんぶお見せします!
Auto Messe Web
ポイントリーダーのハジャルが快走。宮田莉朋はチームメイトを上回る/FIA F2第10戦フリー走行
ポイントリーダーのハジャルが快走。宮田莉朋はチームメイトを上回る/FIA F2第10戦フリー走行
AUTOSPORT web
S耐デビューのスバル『ハイパフォ・エックス』は市販に近い状態からスタート。その目標は
S耐デビューのスバル『ハイパフォ・エックス』は市販に近い状態からスタート。その目標は
AUTOSPORT web
新代表ビノットはサインツをアウディF1に誘い込むことができるか。フェラーリ時代の関係は良好
新代表ビノットはサインツをアウディF1に誘い込むことができるか。フェラーリ時代の関係は良好
AUTOSPORT web
ステランティス、上半期利益が半減 モデルチェンジが販売台数に打撃「是正措置を実行中」
ステランティス、上半期利益が半減 モデルチェンジが販売台数に打撃「是正措置を実行中」
AUTOCAR JAPAN
ノリス、”ナンバー1ドライバー”待遇をマクラーレンに求めず「まだ先は長いし、何かを変える必要はない」
ノリス、”ナンバー1ドライバー”待遇をマクラーレンに求めず「まだ先は長いし、何かを変える必要はない」
motorsport.com 日本版
超長 い「ダブル連結トラック」ついに首都高・阪高も“解禁” 走れる路線拡充 許可制度も簡略化へ
超長 い「ダブル連結トラック」ついに首都高・阪高も“解禁” 走れる路線拡充 許可制度も簡略化へ
乗りものニュース
新型「小さな“高級SUV”」公開! 全長4.1m級ボディ&めちゃオシャレな「トリコロール」仕様! 「赤白青」な「C3エアクロスSUV」登場!
新型「小さな“高級SUV”」公開! 全長4.1m級ボディ&めちゃオシャレな「トリコロール」仕様! 「赤白青」な「C3エアクロスSUV」登場!
くるまのニュース
FIA F2スパ戦のスプリントレースは、豪雨により開催延期……待てども雨脚弱まらず
FIA F2スパ戦のスプリントレースは、豪雨により開催延期……待てども雨脚弱まらず
motorsport.com 日本版
ポルシェ911にF1エンジン 600馬力超のレストモッド「TAGターボ」はなぜ生まれたのか
ポルシェ911にF1エンジン 600馬力超のレストモッド「TAGターボ」はなぜ生まれたのか
AUTOCAR JAPAN
新車で100年前のクルマを買える! ベントレー「スピードシックス」の開発テストが終了…12台限定の3億円のクルマとは
新車で100年前のクルマを買える! ベントレー「スピードシックス」の開発テストが終了…12台限定の3億円のクルマとは
Auto Messe Web
ACO、2028年WECの水素カー参戦はスパ、ル・マンの2戦のみを予定。富士が加わる可能性も
ACO、2028年WECの水素カー参戦はスパ、ル・マンの2戦のみを予定。富士が加わる可能性も
AUTOSPORT web
2024年秋に迫力の“ステルスカラー”が新登場! マット塗装のボディ色をまとったトヨタ「クラウン・スポーツ」の特別仕様車を初公開
2024年秋に迫力の“ステルスカラー”が新登場! マット塗装のボディ色をまとったトヨタ「クラウン・スポーツ」の特別仕様車を初公開
VAGUE
メルセデスF1、新投入フロアの使用続行を断念。ベルギーGP初日は謎の苦戦……旧仕様で挑むことに
メルセデスF1、新投入フロアの使用続行を断念。ベルギーGP初日は謎の苦戦……旧仕様で挑むことに
motorsport.com 日本版
ザイドルとホフマンの解雇に見える、アウディの厳格な組織運営。F1での将来を見据え内紛は許されず
ザイドルとホフマンの解雇に見える、アウディの厳格な組織運営。F1での将来を見据え内紛は許されず
AUTOSPORT web
水素燃料電池搭載『パイオニア25』が初の公開テスト実施「ハンドリングも非常に良好」/エクストリームH
水素燃料電池搭載『パイオニア25』が初の公開テスト実施「ハンドリングも非常に良好」/エクストリームH
AUTOSPORT web
危険すぎる「ショートカット右折」に対向車は大迷惑! 交差点での“正しい運転方法”とは?
危険すぎる「ショートカット右折」に対向車は大迷惑! 交差点での“正しい運転方法”とは?
くるまのニュース

みんなのコメント

12件
  • BB派、カウンタック派はあったけど、ボーラ派、メラク派というのは無かったよ
  • マゼラーティやマセラッティの方が、北部では歓迎される
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

282.5341.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.056.0万円

中古車を検索
ボーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

282.5341.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

20.056.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村