2023年6月10日~11日(現地時間)、WEC(世界耐久選手権)第4戦ル・マン24時間レース決勝が行われ、スポーツカーレースに復帰したばかりの51号車フェラーリ499P(グイディ/カラド/ジョビナッッツィ)が見事に優勝を飾った。6連覇がかかっていたトヨタGR010は、深夜に7号車を失った後、孤軍奮闘の8号車が最後までフェラーリと僅差での首位争いを展開したものの、惜しくも及ばず2位でフィニッシュ・・・「ル・マンの女神」はやっぱり、極上のドラマを用意していた。
トヨタ8号車とフェラーリ51号車の一騎討ち
最高峰にあたるハイパーカークラスに、トヨタ、フェラーリ、ポルシェ、プジョー、キャデラックといった強豪ブランドが参戦した伝統のル・マン24時間レース100周年大会。32万5千人もの大観衆とドラマティックな展開が大好きな「ル・マンの女神」が見守る中、最後の最後までドラマティックなバトルが繰り広げられることになった。
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6月10日(土)午後4時にスタートが切られたレースは、コースの一部が雨で濡れているという難しい状況の中、ハイパーカー勢が激しい接近戦を展開。その後、2度にわたって豪雨に見舞われ、コンディションも順位もめまぐるしく変わったが、レース開始後の8時間も、2台のトヨタは上位争いを繰り広げていた。
しかし、日付が変わった直後、2位で首位を追っていたトヨタ7号車がテルトル・ルージュで後方から激しく追突されてストップ。時速80km制限のスローゾーンへと向かう直前、前方の車両の減速にあわせて小林可夢偉が速度を落としたところに追突される不運でリタイアとなってしまう。
一方でレース前半上位を争っていたプジョー94号車とフェラーリ50号車が脱落、ポルシェも優勝争いから後退すると、その後、レースはトヨタの8号車とフェラーリの51号車の一騎討ちとなっていった。
夜が明ける頃には首位に立っていたトヨタ8号車だったが、その後、フロントスプリッターにダメージを負うとともにリアタイヤのパンクに見舞われ、修復のためにピットに入り2位へと後退。
それでも大きく差をつけられることなくコースに復帰したトヨタ8号車は、数時間にわたってフェラーリ51号車と僅差で首位争いを続け、20時間を過ぎた時点でも、2台の差はわずか3秒という僅差だった。
B.ハートレーの大健闘に応えて平川も猛烈プッシュ!だが・・・
残り2時間、トヨタ8号車は4スティント連続走行という健闘を見せたハートレーから、平川亮にスイッチ。
この時点で2位につけるトヨタ8号車とトップとの差は16秒。この差を詰めるべく全力でアタックに入った平川だったが、アルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。コース脇のバリアにヒットし、車両の前後にダメージを負ったトヨタ8号車は緊急ピットインを強いられることになった。
それでも2位の座を守ったままコースへと復帰することに成功したトヨタ8号車だったが、これでフェラーリ51号車との差は広がってしまった。平川はコース復帰後、着実に順位を守ってチェッカーを受け、ポイントを獲得することに優先度を切り替えて2位でチェッカーを受けた。フェラーリ51号車との一騎討ちで最後までプレッシャーをかけ続けたが、最後は届かなかった。
レース後、トヨタ8号車のブレンドン・ハートレーは「全てを出し切ったので、何も残っていないかのようです。我々はフェラーリとの一騎打ちで最後まで彼らにプレッシャーをかけ続けました。最後は、流れが少し我々の方に向いたと思われた時間もありました。亮は最も大変な状況でのドライブでした。彼は首位フェラーリとのギャップを詰めるために最大限に攻めろと言われてコースへ向かい、リスク覚悟でアタックしたので、責められることはありません。今となっては、あそこまで追い詰めたが届かなかった、という気持ちです。フェラーリには最大の祝福を贈ります。彼らは速かったですし、ミスをすることもなく、良いレースを戦ったと思います」とコメントしている。
目標のル・マン6連覇は叶わなかったが、シーズンはまだ残り3戦、チャンピオンを賭けての戦いは続く。次戦はわずか4週間後の7月9日、フェラーリの地元イタリアでモンツァ6時間が行われる。
2023年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間決勝
1位 51 フェラーリ499P(グイディ/カラド/ジョビナッツィ) 148周
2位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮) +81.793s
3位 2 キャデラックVシリーズ(バンバー/リン/ウエストブルック)+1周
4位 3 キャデラックVシリーズ(ブルデー/サンデ/ディクソン)+2周
5位 50 フェラーリ499P(フォコ/モリーナ/ニールセン) +5周
リタイア 7 トヨタGR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/ロペス)
2023年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ) 107
2位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(フェラーリ)82
3位 バンバー/リン/ウエストブルック(キャデラック)70
4位 フォコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ) 67
5位 コンウェイ/小林可夢偉/ロペス(トヨタ)66
2023年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第4戦終了時)
1位 トヨタ 126
2位 フェラーリ 108
3位 キャデラック 70
4位 ポルシェ 54
5位 プジョー 35
[ アルバム : WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
今更グズグズ文句言っても残った8号車もスピンして優勝逃したワケだしいい加減現実受け入れろw