売れ筋「NX」から感じる新しい思想
text:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
初代は2014年の登場以来のグローバル累計で約100万台を販売。
扱いやすいサイズのクロスオーバーSUVとして日本国内でも売れ筋モデルとなっている。
そんなレクサス「NX」の次期モデルのスタイルと概要が先日公開され、この秋にも日本で正式発表されると予想されている。
初のフルモデルチェンジで2代目となるNXは、レクサス自身も重要なポジションと考えているようだ。
なぜなら、「レクサスとしてもはじめて」とか「レクサスの新しい流れ」という部分が少なくないからだ。
そこで今回は、NXに感じる新しいメカニズムや新しい考え方とその背景を探ってみよう。
全面刷新も見た目はキープコンセプト
次期NXだが、スタイルを見て「新型だ」と明確に言い当てられる人は少ないのではないだろうか。
完全なるキープコンセプトで、デザインテイストにおける大きな変化は少ないからだ。
もちろん全面刷新されているし、細かい部分のブラッシュアップも多いのだが、筆者自身もパッと写真を見せられて「従来モデルか、それとも新型か?」と問われれば瞬時に言い当てられる自信はない。
新型の車体サイズは全長4660mm×全幅1865mmで、従来モデルに比べるとそれぞれ20mm拡大されている。
なお、プラットフォームは刷新されており、TNGA(トヨタ・ミュー・グローバル・アーキテクチャー)の思想に基づいた「GA-K」と呼ばれるタイプを活用する。
これはトヨタ「カムリ」やレクサス「ES」に使われているタイプであり、NXと同じくSUVのトヨタ「RAV4」や「ハリアー」でも活用されている。
つまり、次期NXはRAV4やハリアーと血縁関係の濃いモデルなのだ(実は従来モデルのNXも先代ハリアーや日本へ導入されなかった海外向けの先代RAV4と基本メカニズムが共通だった)。
LSやSクラスよりも巨大なセンターディスプレイ
キープコンセプトのエクステリアに比べると、インテリアはかなり新しい。
特筆すべきは、インパネの造形だ。
LSなどここ何台かのレクサスの新型車のインパネは、水平基調として左右方向の開放感を重視したレイアウトとしていた。
しかし次期NXはメーターの脇に置いたセンターディスプレイを、写真で見てもわかるほどにドライバー側へ傾けた、ドライバーオリエンテッドなコックピットとしている。
これはレクサスにとって新しい流れであり、次期NXの次にデビューするモデル以降がどうなるのかも含めて非常に興味深い。
センターディスプレイの位置はこれまで登場したレクサスの歴代モデルの中でもっともドライバーやステアリングに近いことにも注目したい。
理由はレクサスの新型車としてはじめてタッチパネル操作を前提としたインターフェイスになっているからだ。
それもあり、長きにわたりレクサスの定番となっていた、センターコンソールのインフォテインメント用コントローラーは次期NXでは廃止されている。
そしてセンターディスプレイディスプレイは見るからに大きく、なんと14インチ。
もはやアイ・パッドを超えてしまった。
LSに採用される12.3インチと比べてもかなり大きなものでレクサス最大サイズなのはいうまでもないが、メルセデス・ベンツ「Sクラス」の12.8インチよりも大きく、これ以上の大きさとなるとメジャーなクルマではテスラ「モデルS」などしか思いつかない。
排気量拡大 新開発パワートレイン採用
パワートレインにも注目すべきポイントが多い。
驚いたのは、ガソリンターボエンジンだ。従来のNXにもガソリンターボが用意されているのでそのキャリーオーバーと思いきや、なんと排気量が違う。
従来は2.0Lだったが、新型は2.4Lなのだ。レクサスにそんなエンジンがあっただろうか……と見まわしたら、トヨタ含めても現行ラインナップには存在しない。
なんと、新開発ユニットなのだという。型式は「T24A-FTS」で、T型を名乗るユニットは初お目見え。つまり完全なる新設計である。
今後、次期RXなど各車に横展開されていくことは間違いないだろうし、排気量がアップされたことから考えるとより大型車への採用、もしくはV6エンジンからの転換なども視野に入っているのかもしれない。
日本向け仕様における最高出力の数字は明らかになっていないが、北米仕様は279psと明かされている。
もう1つ、パワートレインとして注目はプラグインハイブリッド車(PHEV)の設定がアナウンスされていることだ。
レクサスは、日本では「ランクル200」のレクサス版である「LX」を除くモデルにハイブリッドを設定し、しかも販売比率でもハイブリッドが大多数となっている。
そんなレクサスだが、驚くことにこれまでプラグインハイブリッドの設定はなかった。
NXのPHEVはレクサス初のプラグインハイブリッドとなるのだ。
暴力的な加速を実現? PHEVにも注目
そんなプラグインハイブリッドのシステムは「A25A-FXSエンジン+THSIIプラグイン+リアモーター」。
つまり2.5Lの4気筒エンジンを組み合わせたハイブリッドシステムとなる。バッテリーはリチウムイオンで、総電力量は18.1kWhと公表された。
このスペックから、レクサス初となるプラグインハイブリッドシステムに関してピンとくる人もいるかもしれない。
そう、トヨタ「RAV4 PHV」と同じメカニズムなのだ。
クルマ好きにとって注目すべき同車の特徴は、プラグインハイブリッドを単なる「モーター走行のためのエコ装置」だけと考えず、「大容量バッテリーを生かしたパワーアップ装置」と捉えていること。
そこがトヨタにおけるプラグインハイブリッドのパイオニアでありエコを極める「プリウスPHV」との大きな違いだ。
だからRAV4 PHVでは、モーターもフロントが通常のハイブリッドの120psに対して182psとひとまわり力強い(リアモーターは共通で54ps)。
そしてエンジン+モーターの総合性能となるシステム最高出力は、ハイブリッドの4WDモデルが222psなのに対して、306psと約1.4倍にもなっているのだから頼もしい。
参考までにRAV4 PHVの0-100km/h加速は6.0秒で、これはトヨタブランドのクルマとしては「スープラの次に速い」という実力。
同様にレクサス初のプラグインハイブリッドモデルとなる「NX PHEV」も「暴力的な加速を楽しめるエコカー」となることは間違いないだろう。
決して退屈なクルマになんてなるはずがない。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
アメリカを中心とするグローバル市場ではRXサイズが望まれるが、日本では普段使いから家族旅行まで、このサイズが最適。