クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車DS7 クロスバック Eテンスを紹介していこう。今月も順調に2000km以上の走行距離を重ねた。満充電までの充電回数は5回。その効果もあってか平均燃費は先月の12.1km/Lよりも1.7km/L良くなって13.8km/Lを記録した。(Motor Magazine 2021年10月号より)
数々のギミックが搭載されるDS7
DS7クロスバック Eテンス4×4には、とても興味深いギミックが用意されている。それは、今回のメイン写真として掲載したヘッドライト部分だ。まるで宝石のような美しさを誇示するかのように、始動時に動くのである。動画でお見せできないのがとても残念だが、それは、まるで意思を持っているかのような動きなのだ。残念ながら、運転席で始動スイッチを押すドライバーは、その動きを見ることができない。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
しかし、ドライバーにも恩恵が与えられている。それは8インチタッチスクリーン上部中央に配置されたB.R.M社製のアナログ時計の仕掛けだ。これがスタートスイッチを押すことで回転して現れるのである。
DSラウンジと呼ばれる贅沢な室内空間
さてそんなDS7クロスバックEテンス 4×4は、インテリアにも注目したい。使われるオフホワイトのレザーには高級感があり、シートやインパネ、ドアトリムなどにひし形モチーフのダイヤモンドステッチがあしらわれ、センターコンソールはクル・ド・パリ文様で統一されている。ちなみにこのクル・ド・パリ文様とは、本来は機械式時計の文字盤の反射防止と装飾のためにパリの石畳を意匠化したものである。そんな室内は、DSラウンジと呼ばれ、パリの雰囲気が演出される、とても居心地のいい贅沢な空間である。
PHEVのDS7には、ひとつ気をつけたいポイントがある。それはガソリンタンクが燃費向上のため純エンジン車の62Lから43Lに減らされていることだ。19Lも違うと燃費13km/Lで計算しても、航続距離が240km以上違うことになる。長距離移動時には、給油回数が増えるので、早めの給油をお勧めする。
それでもEテンス、つまりPHEVであることのメリットはそれを上まわっている。搭載される容量13.2kWhリチウムイオンバッテリーは、リアシート下に収納されるためラゲッジスペースや居住空間が犠牲にされていない。
そしてなにより、発進時のひと転がりからスゥーっとエンジン音も振動もなく実にスムーズに動き出す独特の感覚が大好きだ。このモーター特有の走行フィールがDS7のプレミアム性を大いに引き上げてくれているのである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)
■第3回/2021年7月21日~8月20日(3カ月目)のデータ
・オドメーター:1万0734km
・走行距離:2137km
・給油量:155.0L
・実燃費:13.8km/L
DS7クロスバック Eテンス 主要諸元
●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+前後モーター
●総排気量:1598cc
●最高出力:147kW(200ps)/6000rpm
●最大トルク:300Nm/3000rpm
●モーター最高出力:前81kW(110ps)/後83kW(112ps)
●モーター最大トルク:前320Nm/後166Nm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・43L
●WLTCモード燃費:14.0km/L
●タイヤサイズ:235/45R20
●車両価格(税込):732万円
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