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【日本版グッドウッド】サイドウェイトロフィー、袖ヶ浦で開催 現地レポート

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【日本版グッドウッド】サイドウェイトロフィー、袖ヶ浦で開催 現地レポート

日本のグッドウッド? その意味とは

text&photo:Takuo Yoshida(吉田拓生)

【画像】サイドウェイトロフィーのもよう【現地からレポート】 全79枚

editor:Taro Ueno(上野太朗)

日本でもいくつかの主催団体がクラシックカーレースを開催している。

1998年に初めて開催された「グッドウッド・リバイバル・ミーティング」は、それまでのクラシックカーレースのスタイルに風穴を開けることになった。

また、この記事のメインとなる「サイドウェイトロフィー」は、クラシックカーレースの中で最も個性的と言えるものかもしれない。

クラシックカーが新車として生産されていた当時の意匠を、ドライバーやパドックにいる人の服装、そしてサーキットに飾る看板等の雰囲気にもこだわる。

クラシックカーレースのこういった風潮は、イギリスのグッドウッドに端を発したもの。

レースなのでレギュレーションは存在するが、しかし意匠の統一を訴える人はあまりいなかった。

レースカーの現役時代に合わない色やステッカーで装飾し、タイヤは年々高性能化していくセミレーシングタイヤを履かせることが常識だったのだ。

サイドウェイトロフィーの起源は2004年。実際にグッドウッドを訪ね、リバイバルミーティングを目の当たりにした有志によってスタートを切っている。

「サイドウェイ」の意味は「横滑り」

オリジナルの雰囲気を重視した車両の参加だけを認め、ラップタイムに拘らないレース作りを目指すサイドウェイトロフィー。

SIDEWAYとはイギリス人が好む必然的なドリフト=横滑りを意味している。

バイアス構造のクラシック・レーシング・タイヤであるダンロップCR65に代表されるタイヤを使用することで、車両は比較的容易にサイドウェイし、ドライバーだけでなく見る者の心も熱くする。

現代のハイグリップタイヤより車両にストレスが掛からない点もメリットといえるだろう。

サイドウェイトロフィーは袖ケ浦フォレストレースウェイ(FRW)をホームサーキットとしており、春と秋の年2回開催。

ちなみに「ザ・フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー」と名称を変えてから、来年で10周年を迎える。

昨年は新型コロナウイルスの影響によって春のレースが中止となってしまったが、今年の春は感染防止の為の対策を施したうえで、5月30日に開催された。

グッドウッド・リバイバルがそうであるように、サイドウェイトロフィーの中にはモーターサイクルのレースも含まれている。

クラス分けの詳細については、次項で詳しく見ていこう。

日本で唯一? 2/3/4輪が出走する

ヴィンテージTT(ツーリスト・トロフィー)、サラブレッド・グランプリ、ゴールデンエラ・トロフィー、プロダクションTT、そして走行会のカフェレーサーズ・トリビュートランがそれである。

クラシック2輪の世界はもともと4輪よりも服装や時代考証にこだわりが強く、今回も袖ケ浦FRWのシンプルなピットエリアを1960年代の空気感にしていた。

興味深いのは、サイドウェイトロフィーでは「参加車両がそれなりに集まれば」という条件付きだが、サイドカーのレースであるフレディーディクソントロフィーが用意されている点だろう。

今回のイベントでは9台のエントリーを集めたこのクラスには、本格的なものから自作のマシンが参加。

ライダーと体重移動によってコーナリングスピードに加担するパッセンジャーが協力して走る姿が注目を集めた。

一方4輪は走行会のRACメモリアルと、スポーツカーによるレースであるエバーグリーンカップ、サルーンカーを対象にしたティントップカップ、そして40分の耐久レースであるセブリング40mというおなじみのカテゴリー分けがされていた。

ゆったりと、でもヘルメットをかぶったら

はじめてサイドウェイトロフィーを訪ねた人は、その独特の空気感に驚かされるに違いない。

そして現代的な服装をしてきたことにちょっとした後悔の念を覚える。

メカニックは白いオーバーオール(ツナギ)を着て、ドライバーはレーシングスーツの上にツイードのジャケットを着てキメている。

女性は華やかでちょっと懐かしい衣装に身を包み、イベントに花を添えている。そこにはレースという言葉から想像されるような緊張感はあまり感じられないのである。

だがエンジンに火が入り、ドライバーがヘルメットのバイザーを下ろせば、そこからはモーターレーシングのはじまりだ。

フリー走行や予選はリラックスした肩慣らしだが、決勝となればドライバーも観客も熱くなる。

特に2ドライバーで競われるセブリング40mは、ピットイン時に主催者が定めたハンディキャップを消化するため、全ての車両に勝つチャンスがある人気のレースだ。

今回はレース終盤まで1位を独走していた佐藤/後藤組のアルファ・ロメオ・ジュリアを、安藤/大喜多組のジャガーEタイプが猛追する展開が注目を集めた。

だが最後はジャガーがスピンをして万事休す。ベテランの佐藤/後藤組がトップでチェッカーを受け、ホームストレート上でおこなわれる暫定表彰でシャンパンのコルクを高らかに飛ばしたのだった。

次回のサイドウェイトロフィーは11月28日に開催が予定されている。

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