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【試乗】飛び道具なしでも勝負できる! 新型ステップワゴンは「ユーザーフレンドリー」の極み

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【試乗】飛び道具なしでも勝負できる! 新型ステップワゴンは「ユーザーフレンドリー」の極み

 この記事をまとめると

■話題の新型ステップワゴンの詳細をリポート

ステップワゴン vs ノアヴォクの買いはドッチ? ミニバンマイスターが荷室も装備もシートも実測して比較した!

■「エアー」「スパーダ」のほかに「プレミアムライン」も設定された

■福祉車両もラインアップされており、どんなユーザーでも使えるミニバンとなっている

 ついに話題の新型ステップワゴンを走らせる機会が訪れた

 ホンダを代表するファミリーカーであるステップワゴンがフルモデルチェンジし、2020年5月27日に発売されます。先代からデザインがガラッと変わったことで、SNSなどでも注目を集めているステップワゴン。その発売に先駆けて、実際にステップワゴンに試乗してきました!

 1996年に発売された初代のステップワゴンは、四角い箱型のデザインも特徴的でしたが、当時のミニバンが商用車ベースでFRが多かったなか、FFとしたことで室内空間を広く取り、優れたパッケージのモデルとしても人気を博しました。

 そして、6代目となる新型のステップワゴンは、先代までのデザインをガラリと変えて、初代のように四角いモチーフを押し出した個性的なデザインになっています。私の友人で家庭を持つ人たちのなかには、「ミニバンはカッコ悪いからイヤ。デザインを妥協したくない」と、ファミリーユースでもSUVを選ぶ人も増えているのですが、「この新型ステップワゴンなら欲しい!」という声も聞こえるようになりました。

 これまでは、標準モデルよりも上級モデルの「ステップワゴン スパーダ」が圧倒的に人気でしたが、今回から標準モデルには「ステップワゴン エアー」という名前が付けられ、それぞれの個性が明確化されています。さらに、スパーダよりもさらに上質な空間を求める人のために、最上級グレードの「ステップワゴン プレミアムライン」も追加されました。

 私がパッと見て「いいな」と感じたのはエアー。余計な装飾がないので、新型のステップワゴンのシンプルさが際立っていますし、インテリアはファブリックを基調としていて、柔らかくて爽やかな雰囲気の空間になっているのが好印象でした。

 スパーダとスパーダ プレミアムラインは、ブラックを基調とした室内になっていて、エアーよりも高級で上質な空間が広がっています。これまでのスパーダは、ギラギラした感じがあって、個人的には苦手な部分もあったのですが、新型のスパーダは、元のシンプルなデザインを活かしつつ、適度に加飾されています。さらにプレミアムラインは、シートが合皮とスウェード調の素材が組み合わされていてより上質な雰囲気になっていました。

 個人的には、エアーのデザインが1番好みですが、シートヒーターや2列目シートのオットマン、本革巻きのステアリングなどがスパーダ以上にしか装備されないということもあって、欲しい装備によってどのグレードを選ぶかまた悩みそう……。

「もうちょっとオプションで選べる選択肢があればよかったのに!」と思う点もありますが、こんな風にエアーとスパーダの個性が装備でもしっかりわかれているので、購入を検討している方はしっかりと装備表もチェックしてみてくださいね。

 さらに、シートアレンジも多彩で、なによりその操作感が軽くて簡単なところが◎。7人乗りのモデルでは、前後スライドだけでなく、2列目のキャプテンシートを左右にスライドさせてくっつけることもできたり、ユーザーの用途によっていかようにでも使えそう。

 助手席側の2列目にチャイルドシートを載せて、めいっぱい前にスライドさせると、運転席からすぐ子どもの様子を見られるので、子育て中の家族でも安心して使えそうです。

 また、3列目は先代モデル同様にワンタッチで折りたたむことができます。シートは床下に収納され、フロアが完全にフラットになるので使い勝手も抜群です。

 ひとつ残念だったのは、先代に採用されていた「わくわくゲート」がなくなったこと。わくわくゲートとは、リヤゲートが縦だけではなく横にも開く仕組みです。ここから出入りもできるので、子どもたちが嬉々として使っていたのが印象的でした。

 開発の方になぜなくなったのかを聞いてみると、わくわくゲートがあるとどうしても重量がかさむので、開閉するのが大変だったことと、横に開く仕組みにすると、その隙間から少なからず外の音が入ってしまっていたのが大きい要因だとか。

 新型のステップワゴンは、誰でも快適に過ごせる空間づくりをコンセプトにしているので、3列目の静粛性などを考えると仕方ないのかもしれませんね……。

 乗って走って実感! 新型ステップワゴンは”超”乗りやすい

 今回は新型ステップワゴンで短いテストコースを走ることもできました。

 まず、運転席に座って驚いたのがものすごく視界がいいこと! ただ単にデザインが四角いだけではなく、室内から見ても直線的なラインでまとめられているので、よりすっきりとした視界になっています。ダッシュボードにも余計なものを置かないことで、フロントウインドウへの写り込みがほとんどありません。また、ボンネットの先端もしっかり見えるので、車幅の感覚が掴みやすいところも運転のしやすさにつながっていると思いました。

 さらに、2列目、3列目へと後ろへ行くにつれて座面が上がり、ヘッドレストやシート形状を工夫することで、後席でもきちんと景色を見られるようになっています。また、室内のデザインをなるべく水平なラインにすることで、後席でも酔いにくくなる効果があるとのことでした。

 意外だったのは、サイドウインドウは先代よりも少し狭くなっていること。先代は、サイドウインドウが大きすぎて外の景色の動きが速く感じるため、無意識に「怖い」と感じる人もいたのだとか。新型では、景色がしっかり見られる広さを確保しながら、より心地よく乗っていられるようになっています。

 そして、走り出してみると「これがこのクラスのミニバン!?」と思うほどの静粛性の高さにびっくり。今回試乗したのは、ホンダ最新のハイブリッド「e:HEV」を搭載したモデル。このハイブリッドの2リッター4気筒のエンジンは、クランクシャフトの剛性を上げることで、エンジンの振動を少なくし、より静かになっているそうです。

 また、e:HEVには、エンジンは掛からずモーターだけで走るEVモード、エンジンで発電しつつモーターでパワフルに走るハイブリッドモード、高速走行している時などにエンジンだけで走るエンジンモードがありますが、エンジンがいつかかったかわからないくらい違和感なく走ることができました。

 先代のステップワゴンも他メーカーのミニバンと比べて運転しやすいモデルでしたが、新型ではそれがさらに洗練された様子。今回試乗したのは限られたコース内だったので、乗り心地やパワーの過多などの詳細は確認できませんでしたが、難しいことは考えずに、誰でも自然に運転できるモデルだと感じました。とくにコーナリングでは、切ったとおりにクルマがピタリとついてくる感覚があります。ミニバンは、走行性能が後まわしにされがちなイメージがありますが、ステップワゴンはその走行性能も丁寧に作り込まれていると感じました。

 運転はもちろんのこと、実際に乗ってみて「いいな」と思ったのは、3列目シートです。3列目といえば、緊急用として考えられているものも多く、積極的に座りたくない場所だと思っていたのですが、座ってみると思ったよりクッション性があることに気づきました。先代と比べると、座面の厚さが約2cm厚くなっていたり、背もたれの高さが4.5cm高くなっていたりと、3列目シートでもしっかり座れるようになっています。

 また、車内の静粛性が高くなっていることもあって、3列目からでも運転席や助手席の人と普通に会話することができました。

 これまでは、3列目シートに座っていると、前席の人にわざわざ振り返ってもらわないと声が聞き取りづらい、なんてことも。新型ステップワゴンでは、全員が前を向いたまま自然に会話できたので、これなら誰かに運転を任せっぱなしで、後席だけで盛り上がったり、逆に後席の人が会話に参加できなかったりと、寂しい思いをすることはなくなりそうですね。

 ステップワゴン”らしさ”を追求した福祉車両もラインアップ

 今回は、福祉車両の展示もあったのですが、一見すると普通のステップワゴンとまったく変わらないことに驚きました。

 開発者いわく「福祉車両でもステップワゴンらしいデザインを楽しんでもらえるように、外から見ても通常のステップワゴンと変わらないようにデザインしました」とのこと。

 車いす仕様車のリヤゲートを開けてみると、折り畳まれたスロープが入っていて、ロックを解除すると、女性でも片手で簡単にスロープを引き出すことができます。また、車内にはウインチがついていて、車椅子にフックをかけるだけで、車椅子に座ったまま車内へと引き上げてもらうことができました。とにかく操作が楽ちんで、介助するのが女性ひとりでも簡単にできてしまいます。

 また、「サイドリフトアップシート」が付いているモデルは、2列目シートが外まで迫り出してくるので、シートに腰掛けるだけで乗り降りができます。実際に体験させてもらいましたが、本当に自分は椅子に座るだけ。あとはスライドドアの隙間をうまくすり抜けるように椅子が自動で回転して、すっぽりと2列目シートの位置に収まりました。これなら足が悪くて、クルマに乗り込む時の段差が辛かった方も安心してクルマに乗ることができますね。

 今回、新型ステップワゴンに触れてみて、デザインがガラッと変わっただけではなく、中身もステップワゴンに乗るすべての人が快適に過ごせるように作り込まれていると感じました。

 ミニバンは、運転が楽しみにくかったり、後席の人が酔いやすかったり、騒音によって会話がしづらかったり、デザインも妥協しなければいけない……などなど、たくさん人を乗せられて楽な分、何かを我慢しなければいけないところもあったと思います。新型ステップワゴンは、それをひとつひとつ丁寧に仕上げて、誰もが心地よく過ごせる新しいミニバンの形を生み出している素敵なモデルだなと感じました。

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みんなのコメント

6件
  • ゴテゴテした加飾は、素のデザインの悪さを目立ちにくくさせる効果がある。
    そうやって逃げることをせず、シンプルに車をデザインするのは、デザイナーの力量が試される。

    現行フィットは素のデザインが決して褒められたものじゃないから、グリルを付けろと言われてしまう。
    このステップワゴンはよくできてるから、シンプルな「エアー」はいいし、「スパーダ」もそれほど派手じゃなくていいと思う。
  • 流石にホンダと言った感じかな
    トヨタと違う所はエンジン技術で差を付けて来た事だ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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