2021年のMotoGP最終戦バレンシアGP予選では、現役最後のグランプリとなっているバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)と、彼の弟子であるフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が共にアタックに向かうシーンが見られた。
1回目のアタックに向かった際、バニャイヤは後方にロッシを引き連れて走行。師匠を引っ張るような形でアタックに向かっていた。
■ロッシ、現役最後の予選で10番手確保「僕にとっても、チームにとっても最高の土曜日」
この際、ロッシはバニャイヤの後方でスリップストリームに入っていたが、ブレーキング時に彼と接触しそうになってしまい、ラインを外してアタックを中断するシーンもあった。ただそれでもロッシは予選10番手の確保に成功している。
「バレとは何か約束をしていたわけではない。でも僕の目の前でコースに向かっていく彼に僕ができるのは引っ張ることくらいだった。彼は僕らにたくさんのモノを与えてきてくれた」
バニャイヤはそう語る。
「(接触しそうになった)バレの状況には覚えがある。僕もカタールで同じようなことがあったからね。多分スリップストリームに入って、僕のブレーキ時にもマシンが引っ張られていたんだろう」
「あとで彼には話を聞いてみるよ。ともかく、これくらいしか、僕がバレのためにできることはなかった。彼の助けになれるのなら、そうしたかったんだ」
ロッシは「ペッコは予選で僕を助けてくれた。凄く嬉しいよ」とコメントし、手助けに感謝したいと語っている。
「なにか明確なプランを用意していたわけじゃない。僕は単に彼の後ろで予選を始めて、彼は僕を確認してからもプッシュし続けたんだ。だから、ペッコにはラップタイム改善の手伝いをしてもらったから、感謝しなくちゃね」
バニャイヤ本人は、予選で2番グリッドを確保。プラマックのホルヘ・マルティンにわずかに上回られ、6戦連続のポールポジションとはならなかった。
「ホルヘはポールポジションに値するよ。セクター4での走りは完璧だった」と、バニャイヤはPPを獲得したライバルを称賛。ただ決勝ではいいレースができるだろうとも語った。
「今日は上手くいったと思う。ユーズドタイヤでも快適に走れていたし、普段は苦手とされているこのサーキットでのレースも、良いレースにできるチャンスがあると思う」
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