現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 軽自動車ライバル比較! バカ売れホンダN-BOXに新型スズキ・スペ—シアは勝てるのか?

ここから本文です

軽自動車ライバル比較! バカ売れホンダN-BOXに新型スズキ・スペ—シアは勝てるのか?

掲載 更新
軽自動車ライバル比較! バカ売れホンダN-BOXに新型スズキ・スペ—シアは勝てるのか?

 燃費はスペーシアだが運転支援装備はN-BOXが有利

 軽自動車界ではスペース系、ハイト系が圧倒的に売れ筋だ。2017年の販売台数では1位N-BOX、2位ムーヴ、3位タント、4位デイズ(三菱ekワゴンの兄弟車)、5位ワゴンR、6位スペーシア(旧型)となっていて、N-BOX(N-BOX+、N-BOXスラッシュ含まず)は20万7999台と、2位ムーブの14万1373台、ライバル車のタント14万1312台、スペーシア(旧型)10万4763台を圧倒。それどころじゃなく、全国の新車販売台数でも堂々1位。2位プリウスの16万912台を大きくしのぐ快挙をなし遂げているのだ!

上級セダンより広い! 室内快適の広々軽自動車ランキングトップ5

 そんな軽自動車界の怪物とも言えるN-BOXに真っ向から勝負を挑むのが、ワゴンRと並び、今ではスズキのドル箱車種となったスペース系の新型スペーシア。

 スズキ最新となるワゴンR譲りのプラットフォームを基本に、スーツケースをモチーフにしたデザインを内外装に採用。全車マイルドハイブリッドとなり、車重はクラス最軽量の850kg~を実現(N-BOXは890kg~)。結果、30.0km/L(N-BOXは27.0km/L~)ものクラス最良のモード燃費(いずれもHV G 2WD。カスタムは28.2km/L~)を達成している。

 少なくとも軽量化、モード燃費ではより新しいスペーシアがリードしていることになる。しかも、両車ともに今や軽自動車にも積極的に採用されている、先進安全運転支援機能の充実ぶりからも目が離せない。新型スペーシアの“スズキセーフティサポート”は歩行者対応の衝突軽減ブレーキ、サイドエアバッグを標準装備するとともに、誤発進抑制機能/車線逸脱警報機能/オートハイビーム/先行車発進お知らせ機能/軽自動車初の後退時衝突軽減ブレーキを新採用。

 標識認識機能の追加や前後の左右確認サポート機能、多彩な表示機能を持つヘッドアップディスプレイなどの装備も注目点。セーフティ.サポートカーSワイドに該当している。ただし、新型N-BOXに採用されているACC(先行車追従型クルーズコントロール/30~110km/h対応)は未採用。ちょっと残念な部分ではある。

 N-BOX全車に採用されているホンダセンシングは、歩行者対応の自動ブレーキ/誤発進抑制機能/後方誤発進抑制機能/歩行者事故軽減ステアリング/路外逸脱抑制機能/車線維持支援システム/オートハイビーム/先行車発進お知らせ機能/標識認識機能/すでに触れたACCなど、かなりの充実ぶり。サイド&カーテンエアバッグも上級グレード、カスタムに標準だ。加えて予防安全性能アセスメント評価で最高ランクの「ASV++」を獲得し、セーフティ・サポートカーSワイドに該当する。

 先進安全運転支援機能比較では、スペーシアとN-BOXのサイド&カーテンエアバッグ装着グレード比較なら、ACCが備わるN-BOXがややリードしていると言っていい。

 自然吸気エンジンモデルで大きな差が付く

 次に快適機能装備比較。スペーシアは運転中、視線移動なしに多彩な情報が得られるヘッドアップディスプレイを採用。車内の温度差を解消し後席への空調性能を高めるスリムサーキュレーター(HV Xのみ)や、女性にうれしいエアコンの風が直接顔に当たらないよう配慮されたエアコンルーバーなどがポイント。

 N-BOXは助手席の母親が後席の子どものケアや、車内の移動がしやすくなる57cmものスライド量を持つ助手席スーパースライドシートがウリ。さらに、世界初のアレルゲン不活性化&抗ウイルス加工を施したシート地、ホンダならではのセンタータンクレイアウトが実現する、後席フロアに背の高い荷物が置ける後席ダイブダウン機能などだ。

 パッケージング、室内&ラゲッジ空間では両車の室内幅、室内高はほぼ同等。スライドドアの開口部寸法、後席シートサイズ&乗降容易性にかかわる、座面のフロアからの高さもまた同等だ。N-BOXが優位に立つ部分は、まず前席でシートクッション長に余裕があり(+20mm)。スライドドア部分のステップ高もより低い(ー15mm)。後席頭上空間に関しては両社ともにもはや数値でうんぬんするレベルではないほどのスペースが確保されているが(身長172cmのテスターで25cm以上!)、後席膝まわり空間になるとN-BOXがリード。身長172cmのボクのドラポジ基準でN-BOXは24~45cm。スペーシアは12~34cmとなる(後席スライド位置による)。

 ラゲッジの使い勝手はどうだろう。開口部地上高がより低いのはN-BOXの48cm。スペーシアは自転車用のタイヤガイドの切れ込みがあるものの、54cmとなる(それでもステーションワゴンの平均値約62cmより低い)。ラゲッジの奥行きはN-BOXが33~54cm、スペーシアが31~53cmと大きく変わらない。だが、幅方向はN-BOXが90cm、スペーシアが85.5cm。天井高は両車約120cmと同等だ。

 ラゲッジでけっこう差がつくのが後席を格納したときの使い勝手。N-BOXはラゲッジフロアの低さが災い(!?)して段差があり、傾斜も強い。スペーシアの後席格納時のフロアもやや斜めってはいるものの、N-BOXよりはフラット度は上である。

 そんな新型スペーシアとN-BOXを走らせてみると、じつはけっこうな差があることが判明。N-BOXは「これが軽自動車!?」と驚かされるほどの上質な動的質感の持ち主で、乗り心地/操縦安定性/静粛性ともに軽自動車ベストと言える実力だ。とくにスペーシアとの比較で差がつくのが自然吸気(NA)モデルの動力性能と操縦安定性。N-BOXはNAでも高速走行、登坂路さえしっかりこなす性能の持ち主だ。

 山道をハイペースで走るようなシーンでも安心感に満ちたステアリングフィール、安定感が極めて高い姿勢変化最小限のフットワークを披露する。ターボなら一家に一台のファーストカー、ダウンサイザーの受け皿になりうる上級感、上質かつゆとりの性能を発揮してくれるほど。

 一方、新型スペーシアのNAモデルの動力性能は“街乗りベスト”なごく穏やかなもの。高速走行、長距離ドライブでは加速力にも足りない場面が多々あるはずで、しかも交差点やカーブなどでステアリングを切ったときの前輪のインフォメーション不足とロールの大きさがネック。走行性能としては“ご近所仕様”の域を出ない。

 14インチのエコタイヤを履く乗り心地にしても転倒防止のためか硬めで、路面によってはN-BOXにないゴツゴツした振動を伝えてきがち。ユーザー層にふさわしい、もう少しマイルドでしなやかな乗り味であってほしいと思える。スペーシアの場合、動力性能、乗り心地面で満足できるのはターボモデルのほうで、NAモデルの走行性能はあまりにもフツーな軽自動車レベルなのである。

 そんなわけで、総合商品力は販売台数でも圧倒するN-BOXが一歩リード。とくにNAモデルの走りの質感、ゆとりではN-BOXが大きなアドバンテージを見せ、新型スペーシアを寄せつけない。とはいえターボ車同士なら悩ましい選択になりうる好比較になるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
「柏の杜オークション」会場で「パラモトライダー体験走行会」開催! 参加者だけでなくボランティア活動にも興味を持ってもらえた1日でした
Auto Messe Web
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
motorsport.com 日本版
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
motorsport.com 日本版
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
AUTOCAR JAPAN
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0288.4万円

中古車を検索
N-BOXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0288.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村