最低地上高と迫力を両立するために複数出しが採用されている
パリ協定などで決まった厳しい環境性能を実現するために、純粋に内燃機関(エンジン)だけのクルマはなくなってしまうとも言われているが、スポーツカーといえばやはり刺激的なエキゾーストノートは欠かせない。もっとも、そのあたりも規制が厳しく、量産メーカーのスポーツカーでは音作りも制限されてきている。
ライバル不在が原因? 国産スポーツカーがイマイチ盛り上がらない理由
それでも太いマフラーエンドから発せられる野太いサウンドはハイパワースポーツカーのアイコン的な要素といえる。そうしたスポーツカーの後ろ姿を思い出すと4本出しのテールパイプになっているクルマが多いことに気付かされる。
SUBARU WRX STI、ジャガーFタイプ、アバルト124スパイダー、アルファロメオ・ジュリア、そして日産GT-Rも4本出しテールを持つ。はたして、4本出しマフラーはデザイン要素で決まっているのだろうか。それとも技術的に意味はあるのだろうか。
本質的な話をすれば、マフラーのテールエンドを太くするというのは排気効率を良くするための手法といえる。1本出しであってもφ50よりφ75のほうが排気は出やすいし、φ110ともなればなおさらだ。市販車では触媒やサイレンサーといった部分も影響するため出口径を大きくするだけで排気効率が上がるわけではないが、大きな出口径はハイパワーを感じさせる要素だ。
思い返すと、大径テールエンドの前にデュアルテールのブームがあった。これはパイプの生産性や加工性などから太いテールエンドを量産するのが難しかった時代に、なんとかテールエンドの出口断面積を確保しようとして導かれたアイディアであり、アプローチだ。
とはいえ、ほぼストレート構造だった時代はともかく、令和の時代においてはテールエンドの太さが排気効率へ寄与する要素は小さく、こと市街地走行においては不要な太さともいえる。それでも断面積の大きなテールエンドが示すハイパフォーマンス性は、スポーツカーのアイデンティティともいえる。
まとめれば、スポーツカーの太いテールエンドは、そもそもは機能的な必然であったが、いまの交通事情やニーズを考えると、スタイリングを引き締めるための要素という意味合いもある。では、どんどんテールエンドを太くすればスポーツ表現になるのかといえば、そうは問屋が卸さない。
イマドキの空力処理を考えると複数テールが理に適っている
太いテールエンドを実現するには、オーバーハングに位置するサイレンサーも巨大化してしまう。そうなるとサイレンサー部分の地上高が低くなってしまい路面と干渉しやすくなる。また、いまどきのスポーツカーでは床面の空力特性も重要で、マフラーサイレンサーも空力を意識した形状になっていることは珍しくない。
さらにディフューザーとの組み合わせも考慮しなければいけない。そうなるとサイレンサーも薄めの形状になる。そこから生えるテールエンドパイプの径もサイレンサーのサイズに影響を受ける。つまり大径テールエンドにするにも限界がある。
こうしてレイアウト的にパイプ径が限られた中で、出口面積を広く(≒スポーティの表現)しようとすると、テールエンドの数を増やすというソリューションが選択されることになるのだろう。というわけで、メーカーを問わず4本出しのテールエンドを持つマフラーが増えてきているように感じるのかもしれない。
ただし、最近ではバンパーにマフラーガーニッシュをつける(アルピーヌA110やホンダNSXなど)ことで実際よりもテールエンドを大きく見せるといった演出も生まれている。
いずれにしても、マフラーとしての機能性だけでなく、スタイリングや空力性能とのマッチングによってテールエンドの形状や意匠は選ばれる面がある。その中で、4本出しという手法が、オーソドックスでわかりやすいのは事実だろう。
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