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世界最大手の電動モビリティシェアリング「Lime」が日本上陸! LUUPよりも乗り心地がいい? 最新車両を近藤スパ太郎がプチ試乗しました!

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世界最大手の電動モビリティシェアリング「Lime」が日本上陸! LUUPよりも乗り心地がいい? 最新車両を近藤スパ太郎がプチ試乗しました!

世界280都市以上で展開されている「Lime」

 こんにちは! 電動モビリティに興味津々の近藤スパ太郎です。今、最新技術や最新機能を投入した個性豊かな車両が次から次へと登場する電動モビリティが面白い。正しく電動モビリティの過渡期なんです。

【画像】日本でのサービスを開始したLimeのキックボードとシートボードを画像で見る(19枚)

 そしてついに先月、電動モビリティシェアリングサービス世界最大手のLime(ライム)が国内でのサービスを開始し、今月9月6日には代官山T-SITEで日本展開の記者発表を行いました。

 Limeは電動キックボードなどを使ったシェアリングサービスを世界280都市以上で展開し、日本は32か国目です。渋谷、新宿、目黒、世田谷、豊島、中野と都内6つのエリアに40以上のポートと200台を投入。専用アプリから予約して乗車し、目的地の近くにあるポートに返却することができるサービスを8月19日にスタートしました。利用料金は30分490円など5パターンから選択できます。

 車両は海外で実績がある、立って乗る「電動キックボード」と、座って乗る「電動シートボード」の2機種。どちらもLime のGen4.1シリーズで、最高速度20km/hなど日本の特定原付規格に改良され、国交省の「性能等確認制度」の認証を受けた適合車両です。

 走行可の表示がある歩道を走行できる「6km/hモード」への切り替えボタンも付いていますが、Lime独自のルールで「歩道走行は禁止」です。これはまだ特定原付の交通ルールが周知徹底されていないため利用者の違反を避けるためだそう。そして利用開始時にヘルメットを被った自撮り写真を送信すると利用料が10%割引きになる、業界初の「ヘルメットセルフィ」を導入して、ヘルメットの着用促進を強化しています。

操作はとてもシンプルで、ハンドル右側のレバー式のスロットルの押し加減でスピードをコントロール。このレバーがLimeのロゴになっていて可愛いいアクセントに。ブレーキは右レバーがフロント、左がリヤと自転車のブレーキ操作と同じです。

「空気タイヤ」で乗り心地を向上

 リヤタイヤにインホイールモーターを搭載した後輪駆動式ですが、車両の特徴は「タイヤが大きく空気タイヤを使用して乗り心地が良い」を売りにしていること。

 ボクもLUUPに時々乗りますが、タイヤの外径直径が250mm(スパ太郎実測値)で、固いゴムの塊でできたメンテナンス不要のノーパンクタイヤを履いるため、路面の凸凹や小石などを踏んだ衝撃がダイレクトに来て、時々「おっと!」となることがあります。

対してLimeは、フロントタイヤの外径直径を300mmと大きくして(リヤは250mm)、前後に空気タイヤを採用してキックボードの弱点でもある、路面からの突き上げや走行安定性を改善したそうです。

とは言っても、バイクは乗って体感してみないことにはなんとも…。実際はどうなの?とちょっとワクワクしながら、まずは「電動キックボード」を試乗しました。

 車両が動き出さないとスロットルが作動しないため、先ずは片足で路面を蹴って助走を付けてスタートします。これは他の電動キックボードも同じですが、LimeはLUUPの車両よりも速度が出ないとスロットル操作が出来ない印象でした。ボクは直ぐにコツを掴めたのですが、他メディアの記者さんはキックが足りずハンドルもフラフラしてしまい、なかなかスロットル操作の速度域にならず、苦労している方も複数いました。

 走り出すとT-SITEの駐車場に作られた即席の試乗コースでも、「なるほど、確かに走行感は良いですね!」と、大きな空気タイヤの恩恵を直ぐに感じる事が出来ました。重量物である約8kgのバッテリー搭載も低重心化が図られています。

 スロットルもスピードの繊細な調整が可能で、低速でタイトなターンをしても安心感があって楽しい走りです!

「シート付き」の乗り心地は?

 続いて「電動シートボード」の試乗。この車両は先程のキックボードにシートレールを溶接付けしてシートを設置。リヤタイヤの上に小さな収納BOXも有ります。

 シートの高さは調整が出来ず、跨ると足つき性は良いものの、身長172cmのボクの場合ハンドルが少し高く腕も伸びぎみ。これは欧米人仕様のままなのでしょうね。

 スタートは座ったまま路面を蹴ってスロットル操作可能な速度までスピードを乗せるのですが、着座のため低速でも安定感はとても良いです。

 走り出した後も、やはり立ち乗りのタイプよりも走行安定性が高く操作性も良い。タイトコーナーも立ち乗りのタイプよりもバランスが取りやすいですが、小柄な方はハンドルを切った外側の腕が伸び切ってしまって操作に影響が出る方もいるかも? と感じました。因みにボクは手も足も短い体型です……。はい。

 とは言え、2機種ともボク的には好印象。短いストロークながらもフロントサスペンションと大きめの空気タイヤの恩恵は大きく、グッ!と強く掛けてもロックせず、制動性の良いブレーキ性能。航続距離も満充電で30km~40kmは走るそうで、Lime4世代となるGen4.1は良く作られていると感じました。

後発のLimeは日本で勝てるのか?

 電動キックボードは危険運転など利用者のマナー問題も指摘されていますが、Limeでは警察と連携して悪質な違反者のアカウント停止などの対策を進めていくほか、協業パートナーである大手損害保険会社の三井住友海上と協力して安全運転講習会の開催も行うそうです。

 さらに三井住友海上のネットワークも活用してポート数を増やし、2024年末までに2000台、2026年3月末までに20,000台、2030年までに全国展開を目指しています。

 ですが、国内ではLUUPなど他にも複数のシェアリングサービスが有り、業者間でポートの獲得合戦が激化しています。特に全国に7,700カ所以上(2024年3月時)のシェアサイクルプラットフォームを持つHELLO CYCLINGは、既存のポートを活用して座って乗れる特定原付「電動サイクル」導入の実証実験が、さいたま市、千葉市、大阪堺市で始まっています。果たして後発のLimeは日本でもシェアNo1の地位を得る事ができるのか?

 我々利用者にとっては、サービス利用の選択肢が増える事は良いことです。電動モビリティは過渡期ですが、シェアリングサービスはまだまだ黎明期。今後の各社のサービスの行方にも興味津々のボクです。

特定原付ってどんな乗り物? どんなルール?

 2023年7月の道路交通法改正で新設された特定小型原付(特定原付)。16歳以上であれば免許不要で運転できる最高速度が20km/h以下、定格出力が0.6kW以下の一人乗り小型電動モビリティです。

 ナンバー登録と自賠責保険の加入が必要でシェアリングサービスの場合は事業者が加入済み。走れる場所は「車道の左側」か「自転車道」が基本。交差点は2段階右折、進入禁止の道路でも「自転車を除く」の表示があれば通行可能など、独自の交通ルールがあります。

 最高速度を6km/hに切り替えて緑の最高速度表示灯を点滅させた時のみ、自転車走行が可能な歩道の走行が可能です。ヘルメットは自転車と同様の罰則がない努力義務。

<Lime 利用料金>LimePass・30分パス(30分/1日):490円・60分パス(60分/3日):890円・160分パス(160分/7日):1,980円・300分パス(300分/30日):3,480円通常料金・基本料金100円+30円/分

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