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ホンダ系カスタマイズ&チューニングブランド モデューロと無限の中古車で狙う!

掲載 更新 6
ホンダ系カスタマイズ&チューニングブランド モデューロと無限の中古車で狙う!

 ホンダのワークス系チューニングブランドといえば、モデューロXとM-TEC(無限)がある。いずれもこれまで本格的なコンプリートカーを数多くリリースしてきた。

 最近ではS660のモデューロXが即完売、そしてフィットのe:HEVモデューロXを6月4日に発売するなど、存在感が増している。

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 そこで、今回は過去にリリースされたモデューロXと無限のコンプリートカーは今中古車市場でどうなっているのか、モータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。

文/萩原文博
写真/ホンダ ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】中古で狙いたい! モデューロや無限が手掛けたコンプリートカーを見る

ホンダの本格派コンプリートカーが存在感が増している

2021年3月12日に発表されたS660最後の特別仕様車「モデューロX バージョンZ」。わずか3週間弱で1年分の受注枠がすべて埋まり、完売した

 2021年3月12日に、2022年3月をもって生産終了を宣言したホンダS660。そのファイナルモデルとして設定されたのが、コンプリートモデルのモデューロX バージョンZだ。しかしながらこのモデルは販売開始と同時に完売となってしまった。

 さらに4月の社長就任会見で、「2040年にグローバルでEV、FCVの販売割合で100%を目指す」という言葉をきっかけに、S660をはじめ、ホンダのスポーツモデルの中古車は軒並み値上がり傾向に転じ、S660は直近1カ月で中古車の平均価格が約40万円アップという暴騰状態となっている。

 モデューロXに限らず、国産自動車メーカーのワークス系ブランドが手がけて、限定発売するコンプリートカーは人気が高い。

 なぜ、それほどまで人気になるのかというと、やはり、サーキットで培ったテクノロジーがフィードバックされていることが挙げられる。

 空力性能を向上するエアロパーツをはじめ、ボディ補強やサスペンションなどのシャシー性能の向上やエンジンの出力向上、そして専用設計されたタイヤなどアフターパーツメーカーではなかなかマネのできないメニューが並ぶからだ。そのうえ、大量生産ができないため限定販売となり、人気が過熱してしまうのである。

ホンダアクセスが開発するモデューロ

2021年6月4日に発売されたフィットe:HEVモデューロX。価格は286万6600円

 そこで、今回はS660の値上がりで存在感を見せたホンダのワークス系ブランド、モデューロと無限にフォーカスを当てて、これまで手がけてきた中古車の現状を紹介していきたい。

 まずはモデューロとは、ボルトガル語でスタイルを意味する言葉で、ホンダの純正アクセサリーメーカーであるホンダアクセスが開発したパーツのブランド名だ。

 ホンダアクセスは本田技研工場株式会社の100%出資子会社で、エアロパーツやサスペンションなどの機能性パーツをはじめ、「ギャザス」というブランド名で販売しているナビゲーションやオーディオ、フロアマットやHonda Dogシリーズというネーミングでペット用品そして、カーケアグッズなどカーライフを豊かにするための様々なパーツを販売している。

 そのなかで、コンプリートカーのモデューロXの外観パーツは走行テストや風洞テストを繰り返し、高速道路での走行安定性向上を目指し開発。そしてスポーティな操作性としなやかな乗り心地の両立を実現したサスペンション。

 そして、上質なインテリア空間を演出するパーツなどを装着したコンプリートモデルでストリートユースをメインとしている。しかも、これらのパーツは標準モデルと同じ生産ラインで装着できることが特徴となっている。

M-TECが手掛けるブランドの無限

無限のアクセサリーパーツを装着した新型ヴェゼル

 一方の無限は、正式な会社名はM-TECと言い無限はブランド名となっている。かつてホンダがF1から撤退した後に、無限がエンジンを開発していた関係性から資本関係があるように思われる。しかし全く資本関係はなく、M-TECは独立した会社でホンダのカスタマイズブランドなのだ。

 さらに、M-TECはモータースポーツ用のエンジンの開発や販売、ホンダ車のスポーツ走行用エンジン、シャシー並びに各種部品の開発、販売。加えて、ホンダのクルマとオートバイを中心としたチューニングーアーツ、アクセサリーの開発、販売とよりレースに特化したパーツ開発をしているのだ。

 この会社のキャラクターの違いはこれまで販売したコンプリートカーにも如実に表れている。ホンダアクセスがコンプリートカー、モデューロXを設定したのは、初代N-BOXを皮切りに、初代N-ONE、現行型ステップワゴン、現行型フリード、現行型S660となっており、ミニバンや軽スーパーハイトワゴンといった売れ筋のクルマが目立つ。

 一方の無限が手がけたコンプリートカーはシビックタイプR、CR-ZそしてS660とスポーツモデルが中心だ。ベース車のキャラクターが異なるように各ブランドの味付けもかなり異なっている。それでは、ホンダアクセス、M-TECが手がけたコンプリートカーを中古車相場も含めて紹介する。

ホンダシビックMUGEN RR 2007年6月/限定300台

2007年6月に限定300台が販売されたシビックMUGEN RR。ベース車はFD2型シビックタイプR

シビックMUGEN RRの中古車情報はこちら!

 まずは、M-TECが手がけたコンプリートカーから。同社初のコンプリートカーとして、2007年6月に300台限定で販売したのが、ホンダシビックMUGEN RRだ。

 3代目シビックタイプRをベースとしたMUGEN RRは1台1台手作業で架装され、究極のFFスポーツパフォーマンス、すなわちエンジン性能、空力性能、そして運動性能の向上が目標のモデル。その卓越した性能によって、サーキット走行はもとより公道でのドライビングプレジャーを提供する。

 搭載するエンジンは、専用のカムプロフィールを採用し、ラム圧をかせぐダクトレイアウトと大容量エアボックスを備えたインテークシステム、レイアウト最適化を狙ったエキゾーストマニホールドと低排圧を達成するデュアルエキゾーストシステムを採用することで最高出力15ps向上。

 サスペンションには、コーナリング性能を高める減衰力5段調整式ダンパーを採用、パフォーマンス追求のみならず、乗り心地などの快適性を両立した。

 ブレーキは、ブレンボキャリパーの性能をさらに引き出す逆ベンチ構造のブレーキローター(フロント)やスリット構造(フロント/リア)ローター、スポーツブレーキパッドを採用。またダイレクトフィールな低膨張率のブレーキホースをも装着することで、高まったエンジンパワーに対応するとともにコントローラブルな性能を追求している。

 そして、外観はカーボンコンポジットやアルミニウムを積極投入し空力性能と軽量化を高次元で追求し、ベース車に比べて15kgの軽量化と前後マイナスリフトバランスを実現。

 インテリアは、レカロと共同開発した専用セミバケットシートをフロントシートに採用している。ボディカラーは専用色のミラノレッドのみで、新車時価格は477万7500円だった。

 現在、無限RRの中古車は約3台流通していて、約999万~約1249万円で、最も高額なシビックタイプRとなっている。

CR-Z MUGEN RZ 2012年9月:限定300台

2012年9月、300台限定で販売されたCR-Z MUGEN RZ。スーパーGTで培ったノウハウを存分に注入した1台。新車価格は462万2400円

CR-Z MUGEN RZの中古車情報はこちら!

 続いて、無限のコンプリートカーとして登場したのが、2012年9月に300台限定で、販売されたCR-Z MUGEN RZだ。

 当時、CR-ZをベースとしたMUGEN CR-Z GTでスーパーGTへ参戦していたM-TECはサーキットで培ったノウハウを活かし「CR-Zをベースに誰もが熱い走りを楽しめるクルマをつくりたい」と思いに駆られ、実現させるために生まれ、無限のレーススピリッツを込めた渾身の一台となっている。

 外観デザインは、空力性能を求めながらもデザインの細部までこだわり、機能美と走りへの高揚感を高めるデザインを追求。空力パーツを追加したフロントバンパーやサイドスポイラー、そしてカーボンコンポジット制の中空構造のリアウイングなどにより、前後マイナスリフトを獲得。

 その結果、サーキットの高速コーナーでの高い安定感と定速コーナーの軽快なハンドリングを実現している。

 インテリアはボディカラーと同じ深いブルーのラックススェードを貼り込んだ専用アイテム。このシート表皮は上質な肌触りで滑るにくいためコーナリング時に高いホールド性を発揮。

 さらにシフトノブにはブルーのラインに彩られたカーボン製。さらにブルーのイルミネーションを採用したブースト計を装着することで、レーシーな雰囲気が漂っている。

 搭載されているパワートレインは、高回転型1.5L直4VTECエンジンとモーターの出力を1.5倍にするリチウムイオンバッテリーを採用したIMAハイブリッドユニットに遠心式スーパーチャージャーを装着。

 レース用に開発されたコアを採用した高効率インタークーラーを採用により、エンジンの最高出力は156ps、最大トルク185Nmまでパワーアップ。

 加えて、加えて、足回りも5段階調整式のサスペンション、鍛造アルミホイール、大径ブレーキなどで性能アップされたCR-Z MUGEN RZは車両本体価格462万2400円で発売された。

 現在、CR-Z MUGEN RZの中古車は約2台流通していて、価格帯は約249万~約259万円とCR-Zの中古車のなかでは最高値となっている。

S660 MUGEN RA 2016年5月/限定660台

2016年5月、限定660台で販売されたS660 MUGEN RA。専用カーボングリルやビルシュタイン製車高調、BBS製ブラックホイールを装備

 そして2016年5月に660台限定で販売されたのが、無限のコンプリートカー第3弾のS660 MUGEN RAだ。RAはレーシングの表現するRとアルファベットの最初の文字であるAを車名に使用し、S660のカスタマイズを楽しむためのファーストステップを提案するモデルとなっている。

 これまで販売された2台と比べると、チューニングメニューは少なめで、外観はドライカーボン製のフロントグリルを装着。

 サスペンションは純正から+10~−25mmの幅で車高を調整できる単筒倒立式のビルシュタイン製車高調製式サスペンションを採用。

 ホイールは1本当たり約5.8kg軽量化を実現したブラック塗装のBBS製アルミホイールを装着している。

 さらにマフラーはオリジナルデザインのフィニッシャーを採用したオールステンレス製を採用する。インテリアでは、ロゴをステッチした赤い本革製専用シートを採用するなどレーシーな雰囲気が漂っている。

 S660 MUGEN RAの新車時価格はMT/CVTともに289万円だったが、現在中古車は1台も流通していない。

 ちなみに、オークションでは128万円で出品されたS660 MUGEN RAが308万円で落札されている。市場に出回ったとしても、新車時価格を大幅に上回るプレミアム価格となるのは確実だ。

N-BOXモデューロX 2012年12月

モデューロX第一弾として先代N-BOXに追加されたN-BOXモデューロX。専用フロントバンパーは迫力もさることながら空力性能にも貢献している

N-BOXモデューロXの中古車情報はこちら!

 一方のホンダアクセスが手がけるモデューロXは車種が違ってもチューニングメニューは同じ。装着するエアロパーツは、4つのタイヤすべてのグリップ力を最大化する空力性能を実現。

 サスペンションのこだわりは旋回姿勢。曲がっている方向から、ほんのわずか鼻先が切れ込んでいく。そんな「クルマが導いてくれるフィーリング」をどんな人でも体感できるように仕立てている。

 そして、ホイールは、タイヤのグリップ力を最大限に引き出すようにディスク面とリム面の剛性バランスにこだわっている。こうした様々なこだわりを追求したパーツが各モデルに採用されているのである。

 モデューロXの第1弾として2012年12月に登場したのが、N BOX モデューロX。自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が用意されていた。

 現在、中古車は約39台流通していて、価格帯は約50万~約160万円となっている。

N-ONEモデューロX 2015年7月

N-ONEモデューロXはターボ車のみラインナップ。CVTのSレンジにはモデューロ専用チューンが施される

N-ONEモデューロXの中古車情報はこちら!

 続いて2015年7月にN-ONEモデューロXを発売。エアロやサスペンションに加えて、EPSやCVTのSレンジを専用セッティングとしている。

 現在、中古車は約14台流通していて、約96万~約175万円となっている。

ステップワゴンモデューロX 2016年10月

ステップワゴンモデューロXは背が高いミニバンながら優れた直進安定性を発揮する。パワートレインは1.5Lターボと2Lハイブリッド

ステップワゴンモデューロXの中古車情報はこちら!

 そして、モデューロXの存在を一気にメジャーにしたのが、2016年10月に登場したステップワゴンモデューロXだろう。

 ファミリーカーのミニバンをチューニングし、ミニバンとは思えないスポーティでしなやかな乗り味は一気にモデューロXのブランドを押し上げた。

 現在、ステップワゴンモデューロXの中古車は約31台流通していて、価格帯は約198万~約385万円で、1.5Lターボ車が中心だが、ハイブリッド車もわずかに流通している。

フリードモデューロX 2017年12月

写真はフリードモデューロXのマイナーチェンジ前モデル。大幅なフェイスリフトが実施された後期型にも注目だ

フリードモデューロXの中古車情報はこちら!

 そして、2017年12月に第4弾のフリードモデューロXを発売。フリードモデューロXの中古車は約31台流通していて、価格帯は約189万~約315万円となっている。

 そして軽オープンカー、S660にもモデューロXは設定されているが、残念ながら、中古車は流通していない。

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みんなのコメント

6件
  • 無限RRは本格的なコンプリートカーって言えると思うけど他はエアロとサス変えてるだけだよね。
    ZのバージョンニスモとかGR系見たいにブレーキとかボディー補強がされてるならまだしもエアロだけなら素の同じ値段で状態の良い方を買う方がましな気がする。
  • 「エンジンのホンダ」なのに最近はどれもエアロとかカッコだけでエンジンはノーマルのまま。初期の「タイプR」なんて熟練職人が手作業でポート研磨とかしてたもんだけどね。嘆かわしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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