60年近い歴史の中で最大の変化
フォード・マスタングは第7世代に突入ようとしており、開発中のプロトタイプがテスト走行を行っている。次期モデルの発売は来年の見込みだ。
【画像】S650世代のフォード・マスタング【プロトタイプを現行モデルと写真で比較】 全81枚
マスタングは、現在販売されているものの中で最も長い歴史を持つ(そして歴史的に最も売れた)クルマの1つであり、次のモデルチェンジでは58年の歴史の中で最も大きな改革が行われる予定だ。
今回目撃されたプロトタイプはカモフラージュされているが、マスタングの特徴的なシルエットと筋肉質なデザインを継承・進化させようとしているのは明らかである。
フロントとリアのライトやシャープなフロントグリルなどが確認できるが、次期マスタングを現行モデルと最も明確に差別化するのは、ボンネット下の変化だろう。
フォードはトレードマークのV8ガソリンエンジンを中心としたハイブリッド・パワートレインによって、マスタングを電動化時代へと導くと予想されている。
5.0L V8エンジンにツインモーター?
電動SUVのマスタング・マッハEと併売されるであろう次期マスタングは、現行の5.0L自然吸気V8エンジン「コヨーテ」を継承しつつ、排出ガス低減と出力向上、ゼロ・エミッション走行能力を目的に2基の電気モーターを搭載すると考えられる。
この新しいパワートレインの存在は、2017年に特許出願の際に示唆されていた。
次期マスタングは4輪駆動となり、後輪はV8で、前輪は2基の電気モーターで駆動する。EVモードではモーターだけで走行し、ダイナミックな走行状況ではガソリンエンジンと並行して駆動するように設定されている。
特許申請書によると、各モーターはそれぞれの減速ギアを介して車輪を駆動し、「加速を高め、タイヤスリップを減らすために、トラクションを増加させる」4輪駆動システムの一部を形成することになるという。
モーターの動力は、V8のクランクシャフトで稼働するスターター・ジェネレーターから得ており、重量とスペースを消費するトラクションバッテリーが不要になるとのこと。
特許申請書によると、モーターをエンジンのオイルパンの反対側に直接取り付けることでスペースを節約し、それぞれが独立して動作することで、フロントアクスルにトルクベクタリングを導入することが可能になるようだ。
エコブーストエンジンは廃止の可能性
フォードの広報担当者は、現段階では次期マスタングの詳細について言及することを避けたが、このモデルは今後も同社の製品計画の一部を構成していくと述べた。
フォードは昨年、フォーカスSTとターボチャージャー付き2.3L 4気筒エンジンを共有するマスタング・エコブーストの欧州販売を、不振のため終了している。
このパワーユニットがハイブリッドシステムと組み合わせて復活するかどうかはまだ不明だが、フォードの特許はV型エンジンに適用される。
今回のプロトタイプに施されたカモフラージュの程度を考えると、公開は明らかに先の話だが、2022年は現行マスタングの販売7年目に当たるので、2023年に発売される可能性は高い。
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初代マスタングはクラシックカーとして残り続ける