ブランド初の100%電気自動車として2020年に欧州で販売が始まったMINIクーパーSE。 2021年2月にマイナーチェンジを実施した、注目の1台をドイツからレポートする。(Motor Magazine2021年8月号より)
32.6kWhリチウムイオンバッテリー搭載で航続距離は234km
2021年3月にMINIシリーズは4年振りのフェイスリフトを受け2021年モデルへと移行したが、2019年に登場したBEVバージョンのクーパーSE(クーパーSの電気自動車版=Eの意)も2年も待たずに同様のリフレッシュを受けることになった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
フランクフルト郊外にあるクラシックカーセンターに用意されたクーパーSEは今回のフェイスリフトのセールスポイントのひとつである新色「グレーメタリック」のボディカラーと前縁がダークブルーで、中央がスカイブルーそして後端がブラックのグラデーションカラーを持つルーフ(オプション)、さらにMINIのロゴ、グリル、ヘッドライトリング、ドアミラーハウジング、ドアノブなどが光沢のピアノブラック仕様となっていて、プレミアムな雰囲気を放っていた。
ボディまわりのデザインにも手が加わって、グリル横一杯に広がったバンパープレート、フロントスポイラー両脇に設けられたエアカーテン用スリット、そして非対称デザインの専用ホイールなどが新しい。ちなみにクーパー SEは3ドアのみの設定となっている。
インテリアは標準でデジタル仕様が用意され、ドライバー正面に8.8インチ、ダッシュボードの円形スクリーンには8.8インチのタッチパネルがはめ込まれている。またオプションのヘッドアップディスプレイは、小型のコンバイナータイプである。
ダッシュボードセンターに並ぶ機械式タンブラースイッチの中央にある黄色いスタートノブを押し上げると、まるでUFOが飛び立つような電子音が響いてスタンバイ。まるでスマホのようなセレクトレバーをDレンジへセットしてスタートする。
クーパー SEのフロントに搭載されているパワートレーンはBMW i3と変わらない184ps(135kW)と270Nmを発生する電気モーターで0→100km/hを7.3秒、最高速度は150km/hでリミッター制御される。またフロア下にT字型に配置される32.6kWhの容量を持ったリチウムイオンバッテリーによって、234km(WLTPモード)の航続距離を約束する。
ゴーカートフィールはBEVになっても健在だ
MINIと言えはスポーティなゴーカートフィーリングで知られているが、このクーパー SEでは床下に搭載されたバッテリーの効果で重心が低くなり、ハンドリングはいっそう敏捷になった。
シャープなハンドリングと、EV独特のアクセルペダルを踏み込んだ瞬間に発生する鋭い瞬発力で、街中ではスイスイとメダカのように交通の流れをリードする。とくに高効率の回生ブレーキを利用したワンペダルドライブでは、こういったシーンでは大きな利点となる。
サスペンションはやや硬めのセッティングだが、郊外路での80~130km/h巡行では快適だ。またラゲッジルームは211~731Lの容量を持つので、2人分なら1週間程度の食料品買い出しや、短期の旅行にも十分対応する。
最後になったが、オプションではあるがADASやコネクティビティはBMW車に匹敵する装備が用意されている。
MINI クーパー SEのライバルとしてはホンダeが挙げられるが、メイドインジャパン4ドアのライバルはドイツでは3万2994ユーロ(約440万円)、しかも航続距離は220kmと短い。一方、クーパーSEはベースモデルのエッセンシャルが3万2500ユーロ(約430万円)で航続距離は前述のように234kmとわずかだがほぼ価格差に反比例する利点がある。
日本の土俵で対決評価ができたら面白そうだが、残念ながらMINI クーパーSEはホモロゲーションの問題があって、現状ではすぐには日本導入は難しそうであるが、期待して待ちたい。(文:A.オーステルン/写真:キムラ・オフィス)
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