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ポルシェ初のEV「タイカン」日本発表 日本価格は未発表 航続距離/サイズ/内装 詳細解説

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ポルシェ初のEV「タイカン」日本発表 日本価格は未発表 航続距離/サイズ/内装 詳細解説

はじめに ポルシェ・タイカンとは?

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】ポルシェ・タイカン・シリーズ 全136枚

photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

ポルシェ

11月20日、ポルシェ ジャパンは初の電気自動車(BEV=バッテリーEV)「タイカン」の日本導入を発表した。タイカン(Taycan)という車名は、ポルシェのエンブレムの中心にいる馬の名前で、「生気あふれる若馬」という意味に由来するという。

じつは、ポルシェの創業者であるフェルディナント・ポルシェが最初に手がけた自動車は、1900年にオーストリアのローナーで製作した電気自動車「ローナー・ポルシェ」だった。

それから120年近い時を経て、ついにポルシェは自社ブランドとしては初の電気自動車を生産するようになったわけだ。

ポルシェのスポーツカーらしいEV、タイカンとはどんなクルマなのか。そのアウトラインを紹介していこう。

ポルシェ・タイカンの外観

タイカンの外寸は、全長4965×全幅1965×全高1380mm、ホイールベースは2900mmと、スポーツカーとしてはかなり大柄。

フラッグシップ・サルーンのパナメーラと全長はほぼ同じだが幅はわずかに広く、車高は40mmほど低いといったサイズ感だ。Cd値は0.22という、現在のポルシェ・ラインナップでは最高の数値を誇る。

いわゆる4ドア・クーペ的なスタイリングで、サイドビューは911の4ドア版といった雰囲気だ。ポルシェのデザイナーが「フライライン」と呼ぶ、リアに向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインによるシルエットは、ポルシェデザインのDNAを保持している。

彫りの深いサイドセクション、流線形のグリーンハウス(キャビン)、上に行くほど細くなるテーパーの付いたCピラー、そしてフェンダーの際立つショルダーなど、ディテールも特徴的だ。

細長いリアコンビネーションランプに組み込まれたガラスルックの「PORSCHE」ロゴもユニークである。

ポルシェ・タイカンの内装

インテリアでは、ポルシェ伝統のクラシックなデザインを再解釈し、デジタル時代の要素を取り入れている。

ダッシュボードの上部と下部セクションは、鳥の翼のような形状で車室の幅いっぱいに伸びている。

ドライバーの前には湾曲したメーターパネルがダッシュボードの頂点にあり、ドライバーオリエンテッドなコクピットであることを明確に示している。

センターダッシュには10.9インチのインフォテインメント・ディスプレイとパッセンジャーディスプレイが、ブラックのパネルルックで一体化されたガラス画面を形成している。

シート形状はポルシェ伝統のヘッドレスト一体型で、オプションでなめし工程にオリーブの葉を使用したクラブレザーのOLEAや、完全にレザーフリーのインテリアも提供される。フロアカバーには、漁網をリサイクルした再生繊維のEconyを使用している。

ラゲッジスペースは、フロントに81L、リアに366Lと前後に備わっているところがEVらしい。

ポルシェ・タイカンのシャシー

シャシーには、統合されたポルシェ4Dシャシーコントロールを採用している。すべてのシャシーシステムをリアルタイムで分析および同期させる。

この革新的なシステムには、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブ・エアサス、ポルシェ・トルクベクトリング(PTV)プラスを含むポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロールシステム(PDCC)スポーツを含む、電気機械式ロール制御システムが含まれる。

2基の電気モーターによる4輪駆動制御は、タイカンの最大265kWの高い回生出力によって、日常の使用時におけるブレーキ操作の約90%は、いわゆるブレーキを作動させることなく電気モーターのみによって可能であるという。

サスペンションのアーム類にはアルミニウムを用いて、フロントはダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクを採用している。後輪操舵の4WSも設定されている。

ポルシェ・タイカンのパワートレイン

タイカンは、前後に2基の電気モーターを搭載し、それぞれが前輪と後輪を駆動する4WDを採用している。バッテリーはリチウムイオンで総容量は最大93kWh。

最高出力/最大トルクは、タイカン4Sが530ps、タイカン・ターボが680ps/86.7kg-m、タイカン・ターボSが761ps/107.1kg-mとなっている。グレード名にターボと付いていてもエンジン車のようにターボチャージャーを装着しているわけではなく、それくらいの加速力を示すということだろう。

トップグレードであるタイカン ターボSは、オーバーブースト出力使用時には0-100km/h加速が2.8秒! タイカン・ターボは3.2秒、タイカン4Sでも4.0秒という超瞬足ぶりだ。

最高速は、4Sが250km/h、ターボとターボSは260km/h。いずれも加速と最高速度に対する高い要求を満たすため、リアアクスルには2速ミッションが備わり、発進時には1速、高速走行時などに2速を使用する。

一充電あたりの航続可能距離は、4Sが407~463km、ターボが381~450km、ターボSが388~412km(いずれもWLTPモード)とされている。

ポルシェ・タイカンの装備

通常のEVは400Vのシステム電圧を採用しているが、タイカンは800Vを採用した。

これにより安定した高性能が保証され、充電時間が大幅に短縮されるとともに、高電圧ケーブルの重量と必要となるスペースが削減される。

自宅では最大11kWの交流電源(AC)で充電ができ、路上では、わずか5分で最高100km(WLTP準拠)走行可能なエネルギーを直流(DC)で充電できる。

基本的な安全&快適装備はほとんど標準装備されている。付け加えるなら、その他の安全装備では、フォースリミッター付きシートベルトやサイドインパクトプロテクションシステムといったパッシブセーフティシステムを標準装備。

アクティブセーフティでは、後方から衝突のおそれがある場合に後方のクルマにアクティブに警告するRECAS(リアエンド・コリジョン・アラートシステム)を装備する。

また電動制御されるルーバーのないエアベントが、エアコンシステムの完全自動制御に統合された。オプションのヒートポンプはパワートレインからの廃熱を利用して車内を効率的に暖め、結果として航続距離の増大につなげている。

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