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ポルシェ濃度高し! 「マカン」の売れ線モデル「GTS」に試乗してみた

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ポルシェ濃度高し! 「マカン」の売れ線モデル「GTS」に試乗してみた

■スポーティさが際立つマカンGTS

 ポルシェのミドルサイズSUVである「マカン」に、20120年1月にGTSが新たに追加設定された。ポルトガル・リスボンで開催された国際試乗会で「718ケイマン/スパイダーのGTS 4.0」と同時に、このマカンGTSにも試乗する事ができたので、その模様をお伝えしよう。

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 カイエンに続くポルシェのSUV第2弾として2013年にデビューしたマカンは、2018年秋にフェイスリフト。日本市場では翌2019年夏にデリバリー開始となった。

 今回試乗した新型マカンGTSは、これまでに導入されているマカン(標準モデル)とマカンS、マカン・ターボに続く4番目のバリエーションで、Sとターボの中間に位置づけられるモデルとなる。

 GTSは、Sよりも引き上げられたパフォーマンスと専用のスポーティな仕立てが魅力の、従来モデルでも人気を博した「最も売れ線」のモデルといってよいだろう。2019年には前年比16%増の9万9944台が世界で販売され、いまやポルシェの最量販モデルとなっているマカンのラインナップでも、特に重要なモデルといえる。

 911からパナメーラ、カイエンに至るまで、各モデルに共通するGTSのセオリーに沿って仕立てられたエクステリアは、なかなか精悍な印象となる仕上がりだ。専用チューニングのPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)によって15mmローダウンしたボディには、フロントグリルやヘッドライト、テールライトストリップ、サイドブレード、リアスポイラー、左右各2本出しのスポーツエグゾーストシステム、リアディフューザー、そして20インチのRSスパイダーデザインのアルミホイールなど、ディテールがブラック基調に統一され、スポーティネスが際立っている。レッドに塗装されたブレーキキャリパーがアクセントになっている点もGTSの特徴だ。

 インテリアもグレードアップされた。GTS専用のレザーとアルカンターラのインテリアパッケージに加え、センターにレッドの文字盤を持つレブカウンターを備えたメーターパネルや、ブラッシュドアルミニウムのインテリアパッケージ、マルチファンクション・スポーツ・ステアリングが奢られている。

 さらに、シートはヘッドレストに「GTS」のロゴをあしらった8ウェイのスポーツシートが標準となっている。室内もやはりブラック基調に統一され、スポーティな印象が強調されている。

 新しいGTSで最も注目すべき点はエンジンである。2.9リッターの排気量を持つV6直噴ツインターボは、最高出力380ps/5200-6700rpm、最大トルク520Nm/1750-5000rpmと、従来モデルから20psと20Nmのパワーアップを果たしている。

 従来のEA837系からEA839系に進化したこのエンジンは、Sの3.0リッターV6直噴ターボよりショートストローク化され、90度バンクの間に2基のターボチャージャーが配置されている点が特徴で、Sに対して出力で26ps、トルクは40Nmも上回っているのだ。

 このエンジンに組み合わされるトランスミッションは従来モデルと同様の7段PDKで、4WDシステムは「ハルデックス5」と呼ばれるオンデマンド式の4WDとなっている。この4WDシステムは、理論上は走行状況やドライブモードに応じて、前後アクスルに駆動力を100:0~0:100で配分可能だが、実際には通常でもフロントにおよそ20%の駆動力を配分し、リア寄りの駆動力配分で走行するようチューニングされている。

■ポルシェ濃度の高まったマカンGTSの走りとは?

 今回はエストリルサーキットを起点に、周辺の一般道を1時間ほど試乗したのだが、一般道でもSUVのルックスからは想像もできない、キレ味抜群の走りを楽しむことが出来た。エンジンは基本的には高回転型で、回転が上がるほどにパワーが弾ける感覚が強く、1750rpmで最大トルクを発生させるだけあり、低回転域でもとても粘り強く、低速域でもとても扱い易くなっている。

 それでいてアクセルペダルを深く踏み込めば、スポーツカー顔負けの強烈な加速を披露。コーナーでは、ポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)が、後輪左右の駆動トルクを最適に制御し、俊敏なコーナリングと優れたスタビリティを実現している。

 ドライビングフィールも非常にダイレクト感が高く、ポルシェらしい感覚を味わうことができる。特にステアリングフィールは、フロントタイヤが路面を捉える感覚が手の平に直接伝わってくるようで、一般的なSUVとはまったくの別モノ。Sと比較してもワンランク上のポルシェ濃度だ。

 乗り心地は、基本的には硬質な印象なのだが、デイリーユースにも問題なく使える高い快適性を実現している。今回の試乗車は、標準のポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)にオプションのポルシェセラミックコンボジットブレーキ(PCCB)を組み合わせた仕様だった。

 おそらくより快適であろうと思われる、車高調整機能も備えたオプションのエアサスを特に欲しいと思わないほどフラットで上質な印象を受けた。

 スタイリッシュで実用的なSUVでありながら、ポルシェの名に相応しい卓越したパフォーマンスを従来以上に高いレベルで楽しめる新しいマカンGTSは、今後も世界でマカン人気を牽引する事になりそうだ。

●Porsche Macan GTS
ポルシェ・マカンGTS
・車両価格(消費税込):1038万8889円
・全長:4686mm
・全幅:2098mm
・全高:1609mm
・ホイールベース:2807mm
・車両重量:1985kg
・エンジン形式:V型6気筒ツインターボ
・排気量:2894cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:7速PDK
・最高出力:380ps/5200-6700rpm
・最大トルク:520Nm/1750-5000rpm
・0-100km/h:4.9秒
・最高速度:261km/h
・公称燃費(WLTC):12.8km/L
・ラゲッジ容量:488~1503リッター
・燃料タンク容量:65リッター
・サスペンション:(前)独立ダブルウィッシュボーン式、(後)独立アクスルキャリア付台形リンクアクスル式
・ブレーキ:(前)対向6ピストン、Φ360mmベンチレーテッド・ディスク、(後)シングルピストン、Φ330mmベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)265/45R20、(後)295/40R20
・ホイール:(前)9.0Jx20、(後)10.0Jx20

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みんなのコメント

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  • この車はマツダアテンザとゼロ4の勝負出来ますか?。速いですか?。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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