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【黒木美珠のクルマTALK】憧れのイタリアンGT「マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ」に乗りました!

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【黒木美珠のクルマTALK】憧れのイタリアンGT「マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ」に乗りました!

風を感じる最上4シーターオープンの魅惑世界

 小学生の頃、普段とは違うエンジン音、響き渡るマフラー音に誘われて、私は思わず家の外へ駆け出しました。そこにあったのは、祖母のS2000。まさに納車されたばかりで、特別な時間がそこから始まったのです。
 祖母との一番の思い出は、芦ノ湖スカイラインでのドライブ。風を感じながら、山道を駆け抜ける時間は宝物でした。

マセラティの新世代4シーターオープンカー「グランカブリオ トロフェオ」の日本における受注がスタート

 そして今回、その芦ノ湖スカイラインで再びオープンカーに乗る機会が訪れました。あの頃とは違う形で、この道を走ることができ感慨深かったです。

 今回試乗したのは、新型マセラティ グランカブリオです。このブランドには長い間「遠い存在」というイメージを抱いていましたが、実際に触れることで、その特別さの正体が少しずつ見えてきました。

 グランカブリオのデザインは、タイムレスな美しさそのものです。古き良き時代のマセラティへの敬意が随所に感じられ、単なるレトロ調にとどまらず、現代的なテクノロジーとの融合によって新しい価値観を見事に表現しています。このクルマをひと目見たとき、そこに宿るのは歴史と革新が織り成す洗練された空気感でした。

 実際に走らせてみると、その快適性に驚かされます。オープンカーでありながら、ラグジュアリーなラウンジに身を委ねているかのような感覚なのです。長距離ドライブでも疲労を感じさせない設計が細部にまで行き渡っています。

 インテリアには最新のデジタル技術が惜しみなく投入されている一方で、アナログの温もりが絶妙に調和しており、たとえばダッシュボードにはクラシカルなアナログ時計が控えめに輝いています。これが、マセラティならではの芸術性なのだと感じました。

 さらに、オープンカーとしての特性も見逃せません。時速50km/h以下であれば走行中にルーフを開閉できるというギミックは、スマートフォンをスワイプするような感覚で操作可能です。

 屋根を開けると、インテリアがエクステリアの一部のように感じられ、クルマそのものが一つの完成されたアートピースであることに気づかされます。それでいて、開放感を享受しながらも高い静粛性を保っている点も印象的です。4人乗りという実用性を備えつつ、これほど優雅な体験を提供する車は稀有な存在と言えるでしょう。

 心臓部には、3.0LガソリンV6ツインターボエンジンが搭載されています。最高出力542馬力を誇るこのエンジンは、マセラティのパフォーマンスの象徴とも言えるもので、一度アクセルを踏み込むだけで、胸の奥まで響く圧倒的な加速力を体感できます。
 それでいて視界は広く、車両の見切りも良好で、運転のしやすさも兼ね備えています。この両立こそが、マセラティの真骨頂なのでしょう。

 今回の試乗を通じて、かつて祖母のS2000で感じた「走る歓び」と、同じ場所で自分の運転でマセラティ グランカブリオを乗り、もたらしてくれた新しい感動が私の中で繋がり、特別な一歩を踏み出した気がしました。

 初めて出会うクルマでありながら、どこか懐かしさを覚え、心が温かくなる。グランカブリオは、そんな不思議な体験をもたらしてくれる一台でした。

【プロフィール】
くろき みじゅ/1996年生まれのクルマ系 YouTuber、自動車ライター、自動車インフ ルエンサー。幼少期からクルマに親しみ、 Super GT観戦や祖母のホンダS2000で のドライブを楽しむ。洗車YouTubeチャン ネルを立ち上げ、車中泊95日連泊の日本 一周旅やメーカー試乗会での新車紹介動 画を制作。クルマの能力だけでなく、作り 手の想いも伝えるジャーナリストを目指す。

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