現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 世界ラリークロス:2017、18年の2連覇王者ヨハン・クリストファーソンがシリーズ復帰へ

ここから本文です

世界ラリークロス:2017、18年の2連覇王者ヨハン・クリストファーソンがシリーズ復帰へ

掲載 更新
世界ラリークロス:2017、18年の2連覇王者ヨハン・クリストファーソンがシリーズ復帰へ

 3月11日にWorldRX世界ラリークロス選手権の2020年エントリーリストが発表され、シーズン全10戦にエントリーする13名のドライバーが確定。2019年王者ティミー・ハンセン擁するチーム・ハンセン兄弟や、アンドレアス・バッケルド、リアム・ドーランの“モンスターエナジーRXカルテル”に加え、2017年、2018年にシリーズ連覇を達成したヨハン・クリストファーソンの復帰が決定した。

 WRC世界ラリー選手権元王者のペター・ソルベルグ率いるPSRXフォルクスワーゲン・チーム・スウェーデンに所属し、2017、18年と2年連続でWorldRXタイトルを獲得したクリストファーソンは、2017年に7勝、2018年は12戦中11勝と圧倒的な強さでシリーズを席巻した。

世界ラリークロス:初開催予定だったロシア戦がキャンセルに。2020年は全10戦で開催へ

 そのキャリアと並行して地元スウェーデンではTCR規定に移行したSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権にもエントリーし、2018年には2度目のシリーズチャンピオンを獲得すると、2019年はPSRXチームのWorldRX撤退を受け主戦場をツーリングカーの舞台に移し、TCR規定最高峰のWTCR世界ツーリングカー・カップで戦ってきた。

 しかし、WTCRではこの2019年オフシーズンに「内燃機関を使用する全モータースポーツカテゴリーでのファクトリー支援を終了」としたVWグループの方針を受け、所属チームのSLR(セバスチャン・ローブ・レーシング)がシリーズでの活動終了を発表。

 ラリークロス時代から一貫してフォルクスワーゲンとの強いパイプを持ち、ゴルフやポロなどをドライブしてきたクリストファーソンとしても、2020年シーズンに向け新たな道を模索するか、慣れ親しんだラリークロス界へのカムバックを果たすか、その去就が注目されていた。

「ここ数カ月は本当に目まぐるしい期間になったし、このラリークロス復帰も一番簡単な決断ではなかった。僕には多くの選択肢があったけれど、でも今は本当に満足しているんだ」と、WorldRXカムバックを決めたクリストファーソン。

「たしかに、ラリークロスが僕の心の中心に位置しているのは間違いない。今は自分自身の全精力を、このWorldRXに集中したいと思っている」

■元2連覇王者はファミリーチームから参戦

 2020年WorldRXシーズンに向け、クリストファーソンはSTCCやスウェーデンの国内ラリー選手権でも活動母体としたファミリーチーム、KMS(クリストファーソン・モータースポーツ)からエントリー。『フォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウス(BAUHAUS)』として、父トミー・クリストファーソン代表のもとでカスタマー仕様のポロGTI RXスーパーカーをドライブする。

「現在のライバルたちに追いつくには数戦が必要だろう。僕の見立てでは、彼らは(自身が不在だった)この2019年の間にも大きく進歩を遂げたように見えるからね」と続けたクリストファーソン。

「でも、僕もラリーやツーリングカー・レースから多くを学んできた。それらのミックスこそ、このラリークロスという競技だからね。スパやアブダビのような新規トラックでの挑戦も楽しみにしている」

 ヨハンの父であり、チーム代表を務めるトミー・クリストファーソンは、このKMSはプライベーターであり、2020年に直面するであろう課題を「充分認識している」と、シーズンへの決意を語った。

「世界選手権のレベルで家族チームを運営するのは、想像を絶することだ。そのシートにはダブル世界チャンピオンが座るというんだから、プレッシャーはなおさらだよ。だからこそ早い段階で良い結果を得て、シーズン後半の追加サポートの機会を得たいと考えている」と、全10戦へのエントリーを予定するトミー代表。

「このマシンの開発拠点は(ドイツの)ハノーヴァーではなく(地元スウェーデンの)アルビカで、VWモータースポーツのサービスを受けようとすれば有償になる。しかしVWとの仕事は常に特権的なもので、開発部門とともに仕事をし、将来的にその一翼を担えれば良いね」

「それにラリークロスは“電動化”方針に最適なフォーマットであり、モータースポーツを通じた開発ほど実効性のある方法は他にないだろう。我々が現在も恩恵を受けている自動車という製品は、これまでもそうして研究開発が進められてきたんだからね」

■2020年シーズンは6メーカーがエントリー

 この他、FIAがリリースした2020年公式エントリーリストでは正規エントリーが5チーム、インディビデュアル登録3チームの全8チーム13名が記載され、プジョー、ルノー、セアト、ヒュンダイ、アウディ、そしてフォルクスワーゲンの6メーカーが名を連ねた。

 王者ティミー・ハンセンとケビンのハンセン兄弟は、引き続きチーム・ハンセンとしてプジョー208WRXスーパーカーで参戦し、タイトル争いを展開したバッケルドは僚友ドーランとともにモンスターエナジー“GCK”RXカルテルとして、EKS製のアウディS1からルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーへとスイッチ。

 そのGCK創設者であるゲラン・シシェリは、リトアニア出身のロカス・バチスカと組みGCKアンコラプテッド(UNKORRUPTED)としてルノー・クリオR.S.RXスーパーカーを投入。さらにインディビデュアル枠としてGCK BILSTEINチームを登録し、3台目のメガーヌでスウェーデン人のアントン・マルクランドを走らせる。

 同じくパーマネント・インディビデュアル枠最後のチームもスウェーデンに拠点を置くチームJCレーステクニークで、2019年EuroRX王者のロビン・ラーソンがアウディS1でエントリーを果たす。

 その他、ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツは、代表のレネ・ミュニッヒと元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のティモ・シャイダーがセアト・イビーザRXスーパーカーで。ヒュンダイi20 WRXスーパーカーのGRXタネコは、引き続きニクラス・グロンホルムとティマー・ティマジャノフがステアリングを握る。

 このパーマネントドライバー以外にも、今後ラウンド・バイ・ラウンドの参戦ドライバー発表が予定されている。

こんな記事も読まれています

軽トラ荷台が「広々リビング」に!? めちゃくつろげる「スーパーキャリイ」実車公開! 斬新すぎる“アウトドア仕様”とは?
軽トラ荷台が「広々リビング」に!? めちゃくつろげる「スーパーキャリイ」実車公開! 斬新すぎる“アウトドア仕様”とは?
くるまのニュース
使っても安全? 安くて気になる社外パーツのメリット・デメリット
使っても安全? 安くて気になる社外パーツのメリット・デメリット
バイクのニュース
さらば「スイスポ」 英スズキ、エンジン車縮小へ 早ければ年内にも販売終了か
さらば「スイスポ」 英スズキ、エンジン車縮小へ 早ければ年内にも販売終了か
AUTOCAR JAPAN
ボロボロの「S800」をホンダ学園の学生たちがレストア!「全日本ラリー三河湾」にも校長先生と一緒に出走しました
ボロボロの「S800」をホンダ学園の学生たちがレストア!「全日本ラリー三河湾」にも校長先生と一緒に出走しました
Auto Messe Web
スズキが新型SUVのフロンクスを今秋に日本で発売すると予告
スズキが新型SUVのフロンクスを今秋に日本で発売すると予告
カー・アンド・ドライバー
ボッタス「進むべき方向は定まっている」周冠宇「弱点は分かっている」:キック・ザウバー F1第11戦決勝
ボッタス「進むべき方向は定まっている」周冠宇「弱点は分かっている」:キック・ザウバー F1第11戦決勝
AUTOSPORT web
アルボン「これほどのパフォーマンス不足は予想外だった」:ウイリアムズ F1第11戦決勝
アルボン「これほどのパフォーマンス不足は予想外だった」:ウイリアムズ F1第11戦決勝
AUTOSPORT web
なぜ希望ナンバー「358」は1位に? 定番「1・2525」よりも人気の理由は? 日本唯一の「抽選エリア」とは
なぜ希望ナンバー「358」は1位に? 定番「1・2525」よりも人気の理由は? 日本唯一の「抽選エリア」とは
くるまのニュース
知ってた? スポーツタイプのバイクの特徴
知ってた? スポーツタイプのバイクの特徴
バイクのニュース
ヒョンデ、新型Aセグ電動SUV『インスター』発表…航続はセグメント最高の355km
ヒョンデ、新型Aセグ電動SUV『インスター』発表…航続はセグメント最高の355km
レスポンス
2024年上期の新車販売、リーマン危機後を下回る212万台に 認証不正影響で[新聞ウォッチ]
2024年上期の新車販売、リーマン危機後を下回る212万台に 認証不正影響で[新聞ウォッチ]
レスポンス
VWグループの「CARIAD」、Dockerと提携でソフトウェア開発を加速
VWグループの「CARIAD」、Dockerと提携でソフトウェア開発を加速
レスポンス
ホンダ新型「“スゴイ”軽バン」実車“初公開”! どこでも「仕事場」!? “真っ平ら”内装&テーブル+イス完備の「N-VAN e:」アウトドアショーに登場
ホンダ新型「“スゴイ”軽バン」実車“初公開”! どこでも「仕事場」!? “真っ平ら”内装&テーブル+イス完備の「N-VAN e:」アウトドアショーに登場
くるまのニュース
サインツJr.の”進路選び”はもう待ったなし? ウイリアムズ、他ドライバーとの交渉を再開か
サインツJr.の”進路選び”はもう待ったなし? ウイリアムズ、他ドライバーとの交渉を再開か
motorsport.com 日本版
【MotoGP第8戦オランダGP】中上貴晶選手、好きなアッセンでのレースも「初日から改善が見られない」と、厳しい週末に
【MotoGP第8戦オランダGP】中上貴晶選手、好きなアッセンでのレースも「初日から改善が見られない」と、厳しい週末に
バイクのニュース
クルマのオートマの「P」と「N」! どちらも停車中に入れるレンジだけどなぜ2種類必要?
クルマのオートマの「P」と「N」! どちらも停車中に入れるレンジだけどなぜ2種類必要?
WEB CARTOP
スズキ、バイオガス精製へインドで試験用プラントを稼働
スズキ、バイオガス精製へインドで試験用プラントを稼働
日刊自動車新聞
【このシューマッハの550なんぼ?】日本にあったシューマッハの私有車「フェラーリ 550 マラネロ」がオークションに出品された その落札想定価格は?
【このシューマッハの550なんぼ?】日本にあったシューマッハの私有車「フェラーリ 550 マラネロ」がオークションに出品された その落札想定価格は?
AutoBild Japan

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村