■「過酷地対応」の新ハイブリッドシステムとは
レクサスは2024年10月10日、「LX」を一部改良するとともに、新モデル「LX700h」を世界初公開しました。
新型LX700hは、レクサス車初採用となる「過酷地対応」の新ハイブリッドシステムを搭載しています。
【画像】めちゃカッコいい! レクサス新型「LX700h」を画像で見る(30枚以上)
LXは「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトに掲げるレクサスのフラッグシップSUV。現行モデルは、2022年1月に誕生した4代目「LX600」です。
新開発されたボディオンフレーム構造の「GA-Fプラットフォーム」をレクサス車で初採用し、約200kgの大幅な軽量化や舗装路での操縦性を向上させる一方で、高い悪路走破性も確保するなどすべてを一新しています。
またパワートレインも、従来のV型8気筒 大排気量・自然吸気エンジンから、3.5リッター V型6気筒 ツインターボエンジンにダウンサイジング化し、高効率と高出力を実現させました。
LX600のボディサイズは、全長5100mm×全幅1990mm×全高1885mm。圧倒的な存在感を目指し、フラッグシップモデルにふさわしいデザインが与えられています。
本格オフローダーとしての機能性を重視するいっぽう、フレームのないシームレスな構成のスピンドルグリルなど細部までこだわった新世代レクサスのデザイン表現を採用することで、上質で洗練されたプロポーションを形成しました。
これまで世界約50か国以上で販売されているLXですが、レクサスラインナップ上で唯一、電動モデルの設定がありませんでした。
そんななかで今回新設定された新型LX700hは、歴代LXが培ってきた「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を電動化においても守り抜くことを第一にし、他のレクサス車が採用する「シリーズパラレルハイブリッドシステム」とは異なる、新たな「パラレルハイブリッドシステム」を開発しました。
具体的には、これまでのフルタイム4WDやトランスファー to Loレンジ、トルクコンバーター付オートマチックトランスミッション(AT)といった駆動系を維持し、3.5リッター V6ツインターボエンジンと10速ATの間に、クラッチを有する「モータージェネレータ(MG)」を配置した、パラレルハイブリッドシステムを採用しています。
システムは、エンジン+モーター、エンジンのみ、モーターのみといった走行モードの切り替えを最適に制御します。
また、シリーズパラレルハイブリッドシステムには装備されないオルタネータとスタータを標準装備することで、万が一ハイブリッドシステムが停止した場合でも、スタータでのエンジン始動を可能とするほか、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーに供給することで、エンジンのみでの退避走行を可能とします。
退避走行時も、トランスファー Loレンジ使用やアクティブハイトコントロール(AHC)による車高調整、アクティブトラクションコントロール(A-TRAC)の作動が可能で、悪路走破に寄与します。
さらにリアの床下に搭載するハイブリッドメインバッテリーの本体を、上下に分割した防水トレイでパッキングした防水構造とすることで、エンジン車同等の渡河性能700mmを確保しました。
また防水構造付きACインバータにより、1500Wもしくは2400W(地域によって異なる)の給電を可能とします。
このほか、重量増やパワートレインの変更、バッテリーの搭載などにともないGA-Fプラットフォームも改良を施し、エンジン車同等の最低地上高を確保するほか、耐久性を高めました。
※ ※ ※
新型「LX700h」の開発を担当したレクサスインターナショナルの横尾 貴己 チーフエンジニアは、次のように話します。
「2021年にフルモデルチェンジしたLXは、世界中のお客様から供給が追い付かないほどのご好評をいただいており、改めて感謝申し上げます。
一方でカーボンニュートラル社会の実現を目指すレクサスのラインナップ中、唯一電動車の設定がないというジレンマを抱えていたのも事実です。
レクサスにとって、そして長らくLXに携わってきた私にとって、全世界の過酷な環境下で使用されるLXの電動化は、不可能と思えるほどの高いハードルであり、かつ悲願でもありました。
開発にあたり、最初に固めたのは『電動車であっても、歴代LXが守り抜いてきた信頼性・耐久性・悪路走破性は絶対に犠牲にしない』という強い意志と決意。
どうしたらLXとして安心にお使いいただけるか、どうしたら生きて帰って来られるか、どうしたらレクサスらしい走りを実現できるか。
開発チーム一丸となり、たどり着いた答えが、新規パラレルハイブリッドシステムの開発とGA-Fプラットフォームの改良でした。
電動化という新たなステージに踏み出したHEV(ハイブリッド)モデルをはじめ、開発チームの思いとこだわりによって造り上げた新型LXの走りを、ぜひともご体感ください」
■一部改良で新グレード「OVERTRAIL(オーバートレイル)」を追加
新型LX700hの新設定にあわせ、LXの一部改良を実施されます。
レクサス独自の走りの味をさらに追求したほか、機能や装備の進化、安全性の向上を図るとともに、新グレード「OVERTRAIL(オーバートレイル)」を追加します。
走行面では、フロント部の剛性を高めることで操舵応答性やステアフィール、操舵安定性などを向上するほか、新構造のキャブマウントクッション採用で結合剛性を向上させ、フレーム車特有の低周波振動を低減させました。
また電子制御サスペンションAVSも改良し、乗り心地や悪路における安心感と上質さを高めています。
機能面では、12.3インチ大型フル液晶メーターやフロント席リフレッシュシートを新採用したほか、LX700hにはレクサスオフロード4WD車初のエレクトロシフトマチックを採用しました。
このほか「置くだけ充電」の機能向上を図っています。
先進運転支援機能「Lexus Safety System+」もアップデート。予測安全機能「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」を新搭載しました。
またドライバーモニターと、プリクラッシュセーフティなど各機能との連携による最適制御をおこない、ドライバー異常時対応システムなどさまざまなサポートを図ります。
加えて、高度運転支援技術「Lexus Teammate」の機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」や、駐車をサポートする「アドバンストパーク」(新型LX700hのみ)を採用します。
そして今回の一部改良にあわせ、専用装備と内外装色を施しアウトドアテイストを強めた新グレード“OVERTRAIL”を追加設定しました。
外観は、過酷な環境にも絶える「プロフェッショナルツール」を表現し、専用の黒光輝塗装スピンドルグリルと、マットグレー塗装アルミホイールをはじめ、フォグランプやルーフレール、ウインドウモール、ドアハンドルなど各部を黒・ダーク系色でコーディネートしました。
ボディカラーは全6色で、OVERTRAIL専用色として「ムーンデザート」を設定します。
インテリアカラーは、低彩度のモノリスとアッシュパール墨ブラックのオーナメント加飾をコーディネートした「“OVERTRAIL”モノリス」を設定します。
専用装備としては、フロント・リアのディファレンシャルロックを搭載するほか、LX初採用となるレクサスフレーム車専用開発のオールテレーンタイヤ(265/70R18サイズ)、もしくは専用M+Sタイヤ(265/65R18サイズ)を地域に応じて採用します。
※ ※ ※
レクサスによると、新型LXは2024年末以降、順次各地域で発売予定としています。価格などの詳細な情報については今後明らかにされる模様です。
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みんなのコメント
むしろ、トヨタのTHSハイブリッドとは全く違う一般的なハイブリッド構造なので、燃費の優位性がほとんどないシステム。
トヨタで言う「デュアルブースト」です。
このハイブリッドタイプは欧州他社などでも広く使われているものに酷似しているのですが、単純なのが特徴。
パワーと滑らかさに優位点がありますが、燃費はほとんど変わりません。
ちょっとだけ良くなる程度。
それで1800万円からになりますので、どうなんでしょうね。
まぁ、こればっかり売れるんだろうな。
700hと言うネーミングの破壊力はすごいですからね。