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トヨタvs日産、BYDvsメルセデス・ベンツ! モビショーで火花を散らすフラッグシップ対決【ジャパンモビリティショー2025】

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トヨタvs日産、BYDvsメルセデス・ベンツ! モビショーで火花を散らすフラッグシップ対決【ジャパンモビリティショー2025】

センチュリー クーペ vs 日産 パトロール【フラグシップ対決!】

東京ビッグサイトで開催中のジャパンモビリティショー2025(JMS2025)。プレスデーの初日と2日目で多くのブースを回ってみた印象は、まさに見どころたっぷり。各社とも魅力的なコンセプトカーや市販予定のモデルを数多く展示していて、クルマ好きにしっかりアピールできる内容になっている。
日本車メーカーでは、トヨタ(T)と日産(N)の対決が興味を引く。TN対決といえば、1960年代後半の日本GPを思い起こす方がいらっしゃるかもしれないが、今回はJMS2025の話。

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まずはフラッグシップレベル。トヨタは「センチュリー」が同社の最高峰ブランドになると発表し、それを具現化したモデルとしてJMS2025に登場させたのは鮮やかな「緋色」をまとったセンチュリークーペ。
前後両開きのスライドドアを採用したユニークかつ豪華な3座のショーファークーペスタイルを新たに提案していて、間近で見てみると完成度が非常に高い。自らプレゼンに立った豊田章男会長の感極まった表情が印象的だった。


一方の日産は、輸出専用モデルだった大型SUVの新型「パトロール」の日本導入を決め、ブースの目立つ場所に展示していた。中東の王族たちに愛され続けてきた高級車で、最新モデルの性能はランクルを凌ぐとも言われている。彼の地ではショーファー的な使われ方もされているようで、日本版ではGT-Rなきあとの日産フラッグシップになるはずだ。


レクサス LSコンセプト vs 日産 エルグランド【ミニバン対決!】

お次はミニバン対決。トヨタのレクサスブランドは、トップモデルの「LS」をラグジュアリースペースであると再解釈し、リアの広大なスペースに2、3列目シートをレイアウトした6ホイールミニバンを出してきた。まさかの6輪! JAXAと共同開発中の月面探査車の地球走行版ともいえ、ブランドコンセプトの「DISCOVER」を地で行くぶっ飛びぶりがすごい。


一方、日産の新型「エルグランド」は、JMS2023に登場したコンセプトミニバン「ハイパーツアラー」のデザインを受け継いだ「リミットレス グランドツアラー」を標榜。
各部にあしらった格子状の柄やフレア状に広がるバンパー、逆スラントのリアなど威風堂々たるスタイルとともに、技術の日産らしく第3世代e-POWERやe-4ORCE、インテリジェントダイナミックサスペンションなど最新技術がてんこ盛り。巷に溢れるアルファードとは違うミニバンに乗りたい、というユーザーのハートをガッチリと掴める仕上がりだ。元祖プレミアムワゴン復権なるか。


トヨタ カローラ コンセプト vs 日産 リーフ 【セダン対決!】

最後は両社の基幹となるセダン系のカローラ対サニー。といっても日産にサニーはなし。
カローラはこれまでの保守的イメージを180度覆すべく、コンセプトモデルとしてとにかく「かっこいい」スタイルで登場。低いボンネットに続く傾斜したフロントガラス、大径ホイールなど、若いドライバーにアピールする要素を盛り込んだ。パワートレインはBEV、PHEV、ICEに対応できるとしたのは、マルチパスウェイのトヨタらしいところだ。


日産でこれに対抗できるのは、先ごろ登場した新型EV「リーフ」となるのだろう。スペックなど詳細はすでに発表されている通り。これが日産の屋台骨となるのであれば、「リーフ」の名をいったん捨てて、「サニー」で良かったのでは、と先ごろ行われた同車の試乗会でスタッフにぶつけてみたのだが、反応はイマイチだった。
JMS2025でのTN対決は、トヨタが過去の遺産(や名前)をきちんと引き継ぎながら、次世代をしっかり見据えたコンセプトモデルを数多く登場させて“モーターショー”らしさを見せたのに対し、日産は現状の台所事情もあって、最新の市販(予定)モデルを多数展示しているのが印象に残った。


BYD vs メルセデス・ベンツ 【EV対決!】

BYDブースのプレゼンテーションでは、BYDジャパンの劉学亮社長がEVスーパースポーツカーの「ヤンワンU9」に乗り込んで登場。チューニングモデルの「U9 Xtreme」(約3000PS!を発生)がEVの世界最高速度496.22km/hを出すとともに、ニュルブルクリンク北コースで7分を切る6分59秒157を記録したことで、EVの「WORLD’S DOUBLE CHAMPION(世界2冠)」になったことをアピールした。
社長のプレゼン中にも関わらず大きな声で喋り続けていた中国の報道陣から、この時「いいぞーっ」(と思われる)という歓声と拍手が巻き起こったのには、思わず「やれやれ」と感じたが……。


メルセデス・ベンツブースには、AMGの次世代EVコンセプトモデルとなるスーパーカー「AMG GT XX」を展示。登壇したメルセデスAMG・CEO兼メルセデス・ベンツ トップエンドモデル部門責任者のミヒャエル・シーベ氏によると、「このクルマはみなさんが期待するAMGらしいパフォーマンスを発揮するとともに、マラソンランナーの持久力も備えています」と、BYDヤンワンとは異なる分野での世界最高性能をアピール。
「イタリア・ナルドにある高速サーキットでの24時間走行では、今年中国のメーカーが3961kmまで伸ばしていましたが、我々のGT XXは5479kmに到達しました」と24時間走行でのEV世界最長距離をアピール。さらに「ジュール・ヴェルヌの80日間世界一周にインスパイアされて、8日間で世界一周することを目指してGT XXは走り続け、7日半で地球の外周距離と同じ4万75kmを走破できました」とした。


市販に近いEVモデルとしては、BYDが日本の軽自動車規格となる「ラッコ」を、メルセデスが「CLA」や「GLC」を展示していたが、トップモデル同士となるとこうした世界最高の性能を持つことが必須条件。互いのプライドをかけて火花を散らす対決は、やっぱり夢があるのだ。ぜひJMS2025で実車をご覧あれ。

文:くるくら
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