2018年から翌2019年にまたがって開催されているWEC“スーパーシーズン”は8月17日、イギリス・シルバーストンで第3戦が開幕。走行初日に行われた2回のフリープラクティスはTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッドが両セッションで全体ベストタイムを記録している。
トヨタの歴史的勝利で幕を閉じた2018ル・マン24時間から2カ月、WECスーパーシーズンは長いサマーブレイクを経て、例年は開幕戦の舞台となっているシルバーストンで2018/19年シーズンのリスタートが切られた。
走行初日の17日は気温20度前後と8月にしては涼しい気候のなか、現地時間12時15分に1回目のフリープラクティスがスタート。途中2度の赤旗提示によるセッション中断があったものの、トヨタをはじめとするLMP1各車は今季初投入のハイダウンフォース仕様エアロをまとったマシンで周回を重ねていく。
そのなかでトップタイムを記録したのはコンウェイがドライブする7号車トヨタだった。タイムは1分38秒916で、総合2番手につけた僚友8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)を0.275秒上回っている。
総合3番手、プライベーター勢のトップは1分40秒943をマークしたレベリオン・レーシングの3号車レベリオンR13・ギブソンがつけ、これに1号車レベリオンR13・ギブソンが続いた。5番手以下はSMPレーシングの11号車、17号車BRエンジニアリングBR1・AER、ドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソン、セッション中にコース上にオイルを撒いてしまったバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ニスモというオーダーになっている。
なお、4番手につけた1号車R13はこのFP1走行中にブルーノ・セナが大クラッシュを喫したことでマシンに大きなダメージを受け、FP2の走行を断念することに。また、セナ自身も負傷し今戦のドライブを見送ることとなった。
■トヨタ、今季3度目のフロントロウ独占に向け好発進
大変革のWEC2019/20年暫定カレンダー発表。最終戦は2020年ル・マン24時間、日本戦は2019年10月
16時25分に開始となったFP2でもトヨタ優位な状況は変わらず。セッション開始早々にアタックを行ったロペスの駆る7号車トヨタが1分38秒536というタイムで全体トップに立つと、同じく2周目にタイムを刻んだ一貴の8号車トヨタが1分39秒893で総合2番手に続く。
その8号車トヨタと0.286秒差の総合3番手には元トヨタドライバーのステファン・サラザンを擁す17号車BR1・AERが入りこの後方に3号車R13と、WECでは初の母国レースを迎えるジェンソン・バトンも乗り込む11号車BR1・AERが1分41秒台のタイムで続いた。
LMP2クラスは、ロイック・デュバル駆るTDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソンが1分46秒122でFP1クラストップに。
FP2ではジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカとシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソン、TDSの28号車オレカがトップ3となり、ここまでが1分45秒台に入っている。
LM-GTEプロクラスは両セッションともにフォード・チップ・ガナッシ・チームUKのフォードGTがクラストップに。FP1は66号車、FP2では67号車がクラス唯一の1分56秒入りと、ライバルから一歩抜けた速さを見せている状況だ。
フォードに続いたのは地元イギリスメーカーのアストンマーチン。これをポルシェとフェラーリが追う格好で、BMWはやや苦戦を強いられている。
LM-GTEアマクラスでは、デンプシー-プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRが2回のセッションでともにトップとなった。しかし、同クラスのトップから9番手まではギャップが1.1秒と非常に僅差での争いとなっている。
2018/19年WEC第3戦シルバーストンは18日現地9時(日本時間17時)からFP3が行われた後、12時(日本時間20時)から公式予選が実施される予定だ。
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