<スマホで契約まで完了する「ホンダ ON」は本気モード>
いまやネットショッピングは生活にかかせないサービス。家電などはオンラインショップで買うのが当たり前という人が増え、スマホで食事のデリバリーサービスを頼むのも当たり前になりました。
クルマは買うより借りるが得? トヨタのサブスク「KINTO」の罠|木下隆之の初耳・地獄耳|
自動車業界では、テスラがほとんど実店舗を持たずに、基本オンライン販売としていることが知られていますし、ボルボカーズはEVへの移行にあわせてすべてオンライン販売にすると発表しています。
そうした流れの中、ホンダが国産メーカーでは初のオンライン販売をスタートしました。スマホでアクセスできるオンラインストア「ホンダ ON」を10月4日午前11時に開店したのです。
これまでも国産車のオンライン販売はありましたが、自動車メーカーが展開しているものの多くはオンラインでリーチしても、実際の商談などはディーラーでの対面で行われていました。一方、ホンダ ONは対面不要でスマホで契約まで完了するワンストップサービス。これは国内メーカーとしては初めての試みで、そのためにオンライン販売専門会社(ホンダセールスオペレーションジャパン)を4月に設立するほど力を入れています。
<コロナ禍でZ世代を中心にオンライン購入派が急増中>
ホンダが国産メーカーの先陣を切ってオンライン販売に踏み切ったのは、コロナ禍におけるユーザーマインドの変化が大きいといいます。コロナ以前は情報収集から契約まですべて店舗で行ないたいというユーザーが85%以上で、逆にすべてオンラインで済ませたいというユーザーは2.5%しかいなかったのが、コロナ禍で対面を嫌う人が増え、店舗での購入を求めるユーザーは79%に減り、一方でオンラインでのワンストップサービスを求める人は4.3%に急増したのだとか。とくにZ世代と呼ばれる20代のユーザーにその傾向が強いことから、将来的はオンライン販売が当たり前になっていくと予想されます。
オンラインですべて終われば、ディーラーを訪れる時間的な手間や様々な煩わしさから解放されます。また、車両の受け取りやメンテナンスは既存のディーラー網(ホンダカーズ)を利用できるため、安心感や利便性についてのネガがないという、ある意味で理想のモデルがホンダ ONといえます。
<ユーザーはオンラインならではの値引きが気になる>
ただし懸念がないわけではありません。
現時点では、販売車種は4モデル(N-BOX、フィット、フリード、ヴェゼル)に絞られ、オプションも厳選された=選択肢が絞られ、購入ではなくサブスクリプションサービス(オープンエンドリース)です。この状態であれば、リアル店舗での購入とは条件が異なるのでリアル店舗とオンラインの価格差(値引きなど)は生まれませんが、将来的には通常の買い切りスタイルによる購入も可能にする予定といいます。
そのときにワンプライスのオンライン販売と値引きの期待できるリアル店舗販売が比較され、その結果オンライン販売が割高だったとしたら、ユーザーにとっては魅力が感じられません。オンラインで購入する層はアンフェアであることを嫌うし、そもそも最安値で買いたいというマインドが強いでしょう。
逆にリアル店舗より値引きを大きく設定すると既存のディーラーの反発は必至なので、オンライン販売を安くするという戦略も難しいはず。その結果“メーカー直系のオンライン販売”という効率化が値引きなどのコストメリットに活かされないとしたら、誰がECサービスを利用するというのでしょうか。
<ディーラー側もオンライン販売のうま味を見いだせていない>
ディーラーのインセンティブについても課題はあります。現時点で発表されているビジネスモデルによると、ホンダカーズ各店はメンテナンスの面倒を見るだけの存在で、車両販売の利益はホンダセールスオペレーションジャパンに落ちるモデルです。それでいてユーザーの評価によって各ディーラーが競争を強いられる状況というのは疲弊を呼ぶだけにもみえます。
同社の関 勝之 代表取締役社長は「ホンダカーズのモチベーションが維持できるようなマージンはある」といいますが、具体来なインセンティブについては見えづらく、まして店舗並みのマージンが得られるというのは考えにくいでしょう。つまり、“販売はオンラインショップ主体になり、既存のディーラーはメンテナンスビジネスを軸にしていく”という未来を描くこともできません。
<ディーラーが遠い地方こそオンラインが活かせるはずだが…>
その意味では、完全にオンライン販売にシフトするというよりは、オンラインという選択肢を用意しただけという中途半端な印象もあります。当初は東京都内限定でのサービスインというのも、そうした印象を強くします。
オンライン販売に馴染むユーザー層は都市部に多いのかもしれませんが、本質的にはリアル店舗までの距離が遠いユーザーこそオンラインでの契約に利便性を感じるはずで、それは都内在住のユーザーではないでしょう。
また、オンライン販売のターゲットはZ世代といいながら、車両コンセプトとしてZ世代をメインターゲットとした新型「ホンダ シビック」がラインナップから外れているのもマーケティングのちぐはぐさを感じます。
もっともホンダ ONの裏の狙いが新規顧客の開拓だとすれば、オンライン販売によって単純にマーケットシェアは広がりますし、ディーラーは整備による売上が純増となります。そうなればホンダにとっては理想的といえるのでしょうが…。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
ホンダディーラーは困るだろうな。
1台でも店頭で売れる実績、重いぞ。
販売店ぶん投げでは利益が全然でないしクレームだけでノルマも今後どうカウントするかとか、考えるだけで恐ろしい
大体にしてそういう買い方で残価リースではなく買い切りをするような人間は修理や定期点検、車検などで納車しかしない店に入るとは思えない
ちょっと前にスバルではオンライン折衝をやってたが契約は店頭だった
顔つなぎと責任感とのバランスが店舗にメリットを与えない限り店側もおざなりにしそうだし
自分が売るにしても、買うにしても考えるだけで恐ろしい
メーカーが管理委託費払ってディーラーに頼まない限りメリットあるのはメーカーだけだよね