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価格の近いID.5と比較 フォルクスワーゲンID.4 GTX(6) 長期テスト 動力性能や安定性が◎

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価格の近いID.5と比較 フォルクスワーゲンID.4 GTX(6) 長期テスト 動力性能や安定性が◎

積算8527km 荷室が広く航続距離が長いID.5

長期テストのフォルクスワーゲンID.4 GTXは、ソフトウエア・アップデートのためにディーラーへ1度預けることになった。だが、少々不満のあるフォテインメント・システムの応答性や、音声制御や運転支援システムなどとは別の更新だという。

【画像】日本でも販売開始 VW ID.4 GTX ボディ違いのID.3とID.5 バズとゴルフ GTIも 全141枚

その間の代車としてやって来たのが、ID.4の兄弟モデルとなるID.5。基本的に駆動用モーターやバッテリーの選択肢は共通するが、ワゴンボディのID.4とは異なり、空力特性に優れたクーペ風のフォルムをまとっている。

リアガラスは大きく傾き、後端にはスポイラーも備わる。見た目とは裏腹に、荷室の容量はわずかに大きい。ID.4が543Lなのに対し、ID.5は549Lがうたわれている。

筆者に預けられたID.5は英国の中級グレード、テックで、上級のプロと同様に大きな77kWhの駆動用バッテリーを積んでいる。長期テストのID.4 GTXとも同じ容量だ。

しかし駆動用モーターはリア側の1基のみで、最高出力は173ps。航続距離は521kmが主張されている。長距離通勤をしている筆者だが、毎晩充電する必要はない能力を持つ。そして、装備内容はID.5の方が充実している。中級グレードでも。

フロント側はパワーシートだし、マッサージ機能も内蔵されている。ID.4と比べて、筆者に最適なドライビングポジションを探しにくようではあるが。1時間ほど運転したら、腰も少し痛くなってしまった。

胸のすく動力性能 ひたひたと走る安定性

それはさておき、ほかにもフロントガラスへ投影されるヘッドアップ・ディスプレイに、パノラミック・ガラスルーフも装備されている。インフォテインメント・システムは、ID.4 GTXのようにスマホのワイヤレス充電機能とアップルカープレイに対応する。

インフォテインメント用のタッチモニターは12.0インチで、ID.4やID.5では最大のものが実装される。表示は鮮明で見やすい。ソフトウエアの操作性や遅れ気味の反応は、長期テスト車と変わらないようではある。音声操作システムの理解度は高いと感じた。

発進させてみると、ID.4 GTXとの違いが大きくなる。ID.5 テックは四輪駆動ではなく、路面を確実に捉えるような印象が若干薄い。アルミホイールは19インチと、長期テスト車の20インチより1サイズ小さく、乗り心地は好印象だ。

サスペンションが標準なことも影響しているはず。ID.4 GTXには、スポーツサスが組まれている。快適性でいえば、ID.5 テックの方が有利といえるだろう。

しかし、ID.4 GTXの胸のすくような動力性能や、ひたひたと走る安定性は捨てがたい。筆者の場合、ヘッドアップ・ディスプレイに強く惹かれるわけでもない。シートの形状も、ID.4 GTXの方が自分の体型には合っている。

多くの人にとってID.4の方が賢明な選択肢

英国価格は、ID.5 テックで5万3165ポンド(約855万円)なり。最上級のID.5 GTXは、5万5570ポンド(約894万円)に設定されている。対して、ID.4 GTXは5万1580ポンド(約830万円)と、大きな開きがある。

多くの人にとって、賢明な選択肢といえるのはID.4の方だろう。ID.5に備わるリアスポイラーより、ID.4のリアワイパーの方が日常的には役にも立つ。より少ない金額で、優れた動力性能も得られる。

積算1万376km アンビエントライトのテーマカラー

フォルクスワーゲンは、ID.4に複数のテーマカラーを設けたアンビエントライトを実装している。特にブルー基調の光は、気持ちを落ち着かせてくれるので気に入っている。ちなみに、デザイアという名前がついている。

ユーフォリアという名前の、レッド基調のテーマも嫌いではない。だが、運転支援システムが衝突の危険性を感知した際、警告で光る色もレッド。ソワソワしてしまうので、結局避けてしまう。

積算1万1089km 高性能だともっと主張していい

シートやダッシュボード、ドアパネルに、レッドのステッチがID.4 GTXには施されている。だが、高性能であることの差別化として、もっと多くの違いを車内に与えても良かったと思う。

GTXのロゴが各所に配されるものの、インテリア全体から特別な印象は得にくい。パフォーマンス・モデルだと、もう少し強く主張してもいいだろう。

テストデータ

気に入っているトコロ

長い航続距離:ID.4 GTXより長いID.5の航続距離は有用。パワーは抑えられているが、遠くを目指せる。すべての人が、GTXを必要としているわけではない。

気に入らないトコロ

インフォテインメント・システム:ソフトウエアがバージョン3.0へアップデートされたものの、インフォテインメント・システムの反応が鈍いことは変わらず。音声操作システムは、少し理解度が良くなった。

価格

モデル名:フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)
新車価格:5万540ポンド(約808万円)
テスト車の価格:5万1225ポンド(約819万円)

テストの記録

電費:5.7km/kWh
航続距離:455km
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

4件
  • VWのBEVは性能を考えるとコストパフォーマンスが低いですが、VWファンであれば、許容できるでしょうか。
  • 日本のチャデモで最高パフォーマンスが得られる電池容量は50Kwhまで。それ以上どんなにデカい電池積んでいても1充電走行距離は変わらず。自宅充電で最初の1回だけ長く走れるのみ。残念。事情を理解しているメーカーは日本向けには50以上積めても積まない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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