現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スーパーカー少年が盛り上がっていた逸話は眉唾! ランボルギーニの都市伝説のウソホント

ここから本文です

スーパーカー少年が盛り上がっていた逸話は眉唾! ランボルギーニの都市伝説のウソホント

掲載 28
スーパーカー少年が盛り上がっていた逸話は眉唾! ランボルギーニの都市伝説のウソホント

 この記事をまとめると

■スーパーカーには数々の逸話や都市伝説がつきものだ

「フェラーリ」と「ランボルギーニ」はガチライバル? 2社の気になる販売台数を比べてみた

■スーパーカーブームの頃はメーカーが発表した公称値の最高速度を疑うものはいなかった

■フェラーリを超えるモデル製作のためにアウトモビリ・ランボルギーニは設立されたというのは脚色だ

 ランボルギーニはフェラーリに対抗して創業されたのではない

 スーパーカーメーカーが残した歴史にはさまざまな逸話がある。そのなかにはもちろん正確な史実に基づくものもあるのだが、長い歴史のなかで、そのストーリー性を高めるためか、実際の話からはかなり脚色されたものがあるのも事実だ。

 ほかのコラムでも触れた、フェラーリ365GT4BBとランボルギーニ・カウンタックLP400による熾烈な最高速戦争、302km/hと300km/hというわずか2km/hの差でのフェラーリの勝利はその象徴的な例で、それでも当時はその斬新で流麗なボディデザインと、高性能なV型12気筒というエンジンをミッドに搭載していたという事実だけで、この数字に疑いを持つ者はいなかったのだ。

 300km/h、それは夢の最高速だった。現在ではそれは、わずかなスーパーカー、いやハイパーカーがすでに壁を破った400km/h、あるいはいつかは超えられるのであろう500km/hの壁と同じくらいの意味を持つ。

 フェルッチオ・ランボルギーニが自身の所有するフェラーリのコンディションが思わしくなく、エンツォ・フェラーリに手紙を書くも、一向に返事が届かない。それに激高したフェルッチオが、自らフェラーリを超えるモデルを作るために、アウトモビリ・ランボルギーニ社を設立したのだという逸話も、現実には程遠いものだと、当時フェルッチオの周囲でビジネスに関わっていた人物に、実際にイタリアでインタビューして確信することができた。

 アウトモビリを設立する前のフェルッチオは、農業用トラクターの生産を行うランボルギーニ・トラットリーチを1949年に、さらに家庭用、および工業用ボイラーを生産するランボルギーニ・ブルチアトーリを1960年に設立、すでに巨額の富を得ていた。

 そしてさらにそのビジネスを拡大するために、すなわち実業家としての立場から、次なるターゲットに自動車、しかもそれまでフェルッチオが所有していたフェラーリやマセラティといったブランドを超える、高級で高性能、しかも美しく快適なGT(グラン・ツーリスモ)を生産するメーカーの設立を決断したのだ。

 スーパーカーのなかでもとくに逸話が多いランボルギーニ

 そして記念すべきファーストモデルとして、1963年のトリノショーで発表されたのが、350GTVだった。

 注目のV型12気筒エンジンは、かつてフェラーリで250GTOなどの開発にあたったジョット・ビッザリーニによるものだったが、カロッツェリア・サルジョットのフランコ・スカリオーネによるボディを組み合わせた、一見完成車とも見えた350GTV(このショーでランボルギーニは、もう一台ベアシャシーのみの350GTVを展示している)には、じつはV型12気筒エンジンは搭載されていなかった。エンジンルームにそれは収まらなかったため、ショーの期間途中でフェルッチオが出品を中止するまで、ボンネットは一度も開かれなかったという。

 さらにこのエンジンの、レーシングエンジンの如きピーキーな特性や、ボディデザインもフェルッチオの趣味に合わなかったのだろう。350GTVはそのまま発売されることなく、翌1964年に350GTとして再デビューを果たす。

 当時の直接のライバルはフェラーリの330GT、マセラティのミストラル、あるいはセブリングというところだったが、ランボルギーニの350GTはDOHCのV型12気筒エンジンを採用したり、あるいは後輪にも独立懸架サスペンションを与えたりと、その商品力は非常に高かった。

 ほかにもさまざまな逸話が残るランボルギーニの歴史。実際にフェルッチオは、1971年には株式の51%をスイス人投資家のジョルジュ・アンリ・ロゼッティに、また1974年には残りの49%もロゼッティの友人であるレイネ・レイマーに譲り、完全にアウトモビリ・ランボルギーニの経営から撤退してしまう。

 つまり、日本でスーパーカーブームが最高潮を迎えた頃、アウトモビリ・ランボルギーニはすでにフェルッチオのものではなくなっており、最終的に1978年に倒産。イタリア政府の管理下に置かれることとなっていたのだ。

 そこからの復活劇は、また機会があれば詳しく解説することにしよう。

こんな記事も読まれています

【検証】練馬区2歳女児死亡事故はなぜ起きた? ミニバンの窓スイッチ誤操作から子どもの命を守る、チャイルドシートの使用法
【検証】練馬区2歳女児死亡事故はなぜ起きた? ミニバンの窓スイッチ誤操作から子どもの命を守る、チャイルドシートの使用法
AUTOCAR JAPAN
スバル、“集大成”のBRZ CNF Conceptで富士24時間に参戦。各種最適化や新アイテム投入
スバル、“集大成”のBRZ CNF Conceptで富士24時間に参戦。各種最適化や新アイテム投入
AUTOSPORT web
新生『ディスカバリー』にも2025年モデル導入。装備見直しと350PSに向上のディーゼルMHEVへ統一
新生『ディスカバリー』にも2025年モデル導入。装備見直しと350PSに向上のディーゼルMHEVへ統一
AUTOSPORT web
ポルシェ911のレストアで“レストモッド” ブームを牽引する「シンガー」がコーンズと提携|Singer
ポルシェ911のレストアで“レストモッド” ブームを牽引する「シンガー」がコーンズと提携|Singer
OPENERS
新型「“R36”GT-R」まもなく登場か!?  4.1リッターV6搭載で1000馬力発揮!? 旧型デザイン採用の「和製スーパーカー」生産状況を公開
新型「“R36”GT-R」まもなく登場か!? 4.1リッターV6搭載で1000馬力発揮!? 旧型デザイン採用の「和製スーパーカー」生産状況を公開
くるまのニュース
TANABEのカスタムスプリング2製品にレクサス『IS500』用など3車種のラインナップが追加
TANABEのカスタムスプリング2製品にレクサス『IS500』用など3車種のラインナップが追加
レスポンス
新しいジープ アベンジャー4xeが出た!──GQ新着カー
新しいジープ アベンジャー4xeが出た!──GQ新着カー
GQ JAPAN
新型メルセデスAMGピュアスピードが鮮烈デビュー!──GQ新着カー
新型メルセデスAMGピュアスピードが鮮烈デビュー!──GQ新着カー
GQ JAPAN
JMIAが2025年を目指し『NEXT-FORMULA-PROJECT』をスタート。コンセプトカー開発に着手
JMIAが2025年を目指し『NEXT-FORMULA-PROJECT』をスタート。コンセプトカー開発に着手
AUTOSPORT web
宮田莉朋、イモラで試した新しいアプローチ。間一髪の接触回避で飛び出した自己考察/FIA F2第4戦レビュー
宮田莉朋、イモラで試した新しいアプローチ。間一髪の接触回避で飛び出した自己考察/FIA F2第4戦レビュー
AUTOSPORT web
純正を超える走りと快適性を追求! HKSの車高調「HIPERMAX S」に40系ヴェルファイア2WD専用が登場
純正を超える走りと快適性を追求! HKSの車高調「HIPERMAX S」に40系ヴェルファイア2WD専用が登場
くるまのニュース
【auto sport web/auto sport キャリア採用】一緒に仕事をしたい方、募集します
【auto sport web/auto sport キャリア採用】一緒に仕事をしたい方、募集します
AUTOSPORT web
マッスルカー『チャレンジャーSRTヘルキャット』、ドゥカティと加速競争…映像公開
マッスルカー『チャレンジャーSRTヘルキャット』、ドゥカティと加速競争…映像公開
レスポンス
好調の角田裕毅、モナコでの初ポイント獲得へ「まずは昨年と同じように予選Q3進出を目指す」
好調の角田裕毅、モナコでの初ポイント獲得へ「まずは昨年と同じように予選Q3進出を目指す」
motorsport.com 日本版
大人“6人”乗れるレクサス「高級ミニバン」初公開! 1500万円の豪華仕様、反響は?
大人“6人”乗れるレクサス「高級ミニバン」初公開! 1500万円の豪華仕様、反響は?
くるまのニュース
マクラーレン、アイルトン・セナを称える…800馬力スーパーカーをカスタム
マクラーレン、アイルトン・セナを称える…800馬力スーパーカーをカスタム
レスポンス
後席の広さで選ぶミッドサイズ以下の国内メーカーSUVランキングTOP10
後席の広さで選ぶミッドサイズ以下の国内メーカーSUVランキングTOP10
@DIME
RB、上位入賞妨げる“スタート問題”解消へ。原因はタイヤとクラッチ?「安定感のあるレッドブルとは同じエンジン」と角田裕毅
RB、上位入賞妨げる“スタート問題”解消へ。原因はタイヤとクラッチ?「安定感のあるレッドブルとは同じエンジン」と角田裕毅
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

28件
  • スーパーカー少年たちが『イオタ』として熱狂したルーフウィング付きの個体、
    あれが実は『ミウラ』を魔改造したレプリカで、本物はとうの昔に事故で焼失していた…

    ま、これを知った時は、かなりたまげましたよ!
  • 最初の写真いいなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

396.9492.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

80.0226.0万円

中古車を検索
GTVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

396.9492.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

80.0226.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村