レクサスは2021年10月7日、電動化に向かう次世代レクサスの第1弾モデルとなる新型「NX」を発表した。このニューモデルにはPHVモデルも新設定されており、発売は11月以降からで、納期は現時点で発注後6ヶ月程度を要すると想定している。
PHEVモデルのNX450h+“version L” モデル概要
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クロスオーバーSUVの初代NXは2014年に発売されており、7年振りのフルモデルチェンジを受けて2代目が登場したことになる。
新型NXの開発コンセプトは、生命的な躍動感(Vital)と先進技術(Tech)を融合したスポーツギア「Vital ×Tech Gear」だ。電動化ビジョン「Lexus Electrified(電動化)」に従い、レクサス初のPHEVをグローバルモデルであるNXに設定し、従来のハイブリッドと合わせて電動車の普及を加速させる役割を担っている。
NX350h“version L” そして電動化モデルでもレクサスらしいドライビングフィールを実現するために、駆動力コントロール、空力性能、軽量化などの基本性能を徹底的に磨き上げ、レクサスならではの走りの継承・深化を行なっている。
NX350h“version L” パワーユニットは2.5L自然吸気、2.4Lターボなど多様なパワートレーンをラインアップをしているのも特長だ。なお、実用化に向けて開発中の地図データをベースにした走行制御技術の導入に先立ち、ハイブリッド制御の賢い切り替えを行なう先読みエコドライブ(先読みEV/HVモード切りかえ制御)を日本市場に導入。駆動用電池の残量や、道路の属性・特性に応じてEV走行とHV走行を自動で切りかえ、高効率な走行を実現できるようになっている。
NX350h“F SPORT” NX350h“F SPORT”のコクピット またG-Link機能の拡充や新たなスマートフォンアプリ「My LEXUS」を提供するなどコネクテッド技術でも数多くの先進技術を採用している。
パワートレーン
レクサス初のPHEV、バッテリー容量を拡大したハイブリッドモデルをはじめ6種類をラインアップする。駆動システムはPHEVと2.4LターボモデルはAWDで、ハイブリッドと2.5L自然吸気エンジンはAWDまたはFFという設定だ。
PHEVシステム2.5L PHEV E-FourはA25A-FXS型エンジン(185ps/228Nm)+THSIIプラグイン+リヤモーターという組み合わせとなり、フロントモーターは182ps/270Nmを発生。リヤモーターは54ps/121Nmを発生する。
A25A-FXS型エンジンこのPHEVは、AWD(E-Four)の前後駆動力を100:0から20:80の間で自動コントロール。容量18.1kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に配置して低重心化も図っている。またこのバッテリーは液冷、昇温機能を備えていることも注目点だ。
なお18.1kWhというバッテリー容量を確保したことで、クラストップレベルのEV走行可能距離約90kmと十分なパワーを両立。走行モードはスイッチ操作で4つ(EVモード、AUTO EV/HVモード、HVモード、セルフチャージモード)から任意で選択が可能。
PHEV用のバッテリーとパワーコントロール・システム AUTO EV/HVモード選択時には、レクサス初採用の「先読みエコドライブ(先読みEV/HVモード切りかえ制御)」により、ナビで目的地を設定することで、駆動用電池の残量や、道路の属性・特性に応じて自動的にEV走行とHV走行を切り替えエネルギー効率の良い走りを実現している。
2.5L ハイブリッドE-Fourは、A25A-FXS型エンジン(190ps/243Nm)+THSII+リヤモーターの組み合わせ。2.5Lハイブリッド FFはA25A-FXS型エンジン+THSIIという組合わせとなっている。
ハイブリッド・システム 高効率なアトキンソン・サイクル運転の2.5L直4エンジンと高出力モーターを組み合わせつつ、E-Fourは前後駆動力配分を100:0から20:80で最適にコントロール。また、より軽量なFFも設定している。なおハイブリッドモデルもリチウムイオンバッテリーを搭載している。
2.4L-T AWDは2.4LのT24A-FTS型エンジン(279ps/430Nm)を搭載し、ダイレクトシフト8速AT+電子制御フルタイムAWDの組み合わせだ。新開発の2.4Lの直4ターボエンジンと新開発の高トルク対応型ダイレクトシフト8速AT、そして新開発の電子制御フルタイムAWDを組み合わせて採用している。
T24A-FTS型ターボエンジン エンジンはダイナミックフォースシリーズ共通の高速燃焼システムに加え、レクサス初のセンター直噴システム、ターボと触媒の近接配置などにより世界各地の排気・燃費規制への対応を図っている。
トランスミッションは、低回転から高トルクを発生できる過給エンジンの特長に合わせて最適化した、新開発のシフト制御技術と最適なシフトスケジュールによってドライバーの意図に忠実で気持ちの良い加減速を実現。また、電子制御フルタイムAWDは、前後駆動力配分を75:25から50:50の間でシーンに応じて最適にコントロールし、高い接地感とリニアなステアリングフィールを両立させている。
なお、A25A-FXS型、直噴ターボのT24A-FTS型エンジンはいずれもプレミアムガソリン仕様となっている。
エントリーグレードとなる内燃エンジンのみの2.5L AWDはA25A-FKS型エンジン(201ps/241Nm)+ダイレクトシフト8速AT+電子制御スタンバイAWDの組み合わせで、2.5LのFFはA25A-FKS型エンジン+ダイレクトシフト8速ATの組み合わせだ。
AWDは前後駆動力配分を100:0から50:50の間で最適にコントロールし、滑りやすい路面におけると走行安定性と、通常時は2輪駆動により低燃費を両立。
A25A-FKS型はT24A-FTS型エンジンと同様のポート噴射、直噴併用のD-4Sを採用しつつ、レギュラーガソリン仕様としている。
ボディとシャシー
新型NXはTNGA-Kプラットフォームを採用しながらより改良を加え、軽量で高剛性なボディと低重心化したパッケージにし、車両の基本性能を大幅に向上させている。
TNGA-Kを採用し大幅に改良 特に駆動力をしっかりと受け止めるために、サスペンションメンバーなどに補強ブレースや補強パネルを追加し、カウル形状を見直し、さらに一部は板厚を上げるなどにより剛性を高めている。
アッパーボディも構造から見直し、ボンネットにはレクサス初となるツインフードロック構造を採用。また、リヤのラゲージ開口部の変形を抑えるために環状構造に加え、高剛性発泡剤をCAE解析により最も効果的に配置。骨格の接合においては、レーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤に加え、レーザーピニング溶接技術を新開発し、適材適所に使用し、従来型に比べ約35%接着長を伸ばすことで接合強度を高めている。
またロッカーアウター・レインフォースには超高張力鋼板の差厚接合(Tailor Welded Blank)を採用し1.6kgの軽量化を達成。ルーフセンター・レインフォースには1470MPaの超高張力の冷間圧延鋼板を採用することで従来構造比約0.3kgの軽量化するなど重心高低減を図っている。
ボディは静粛性を大幅に高めるために車両各部の吸音材、遮音材の最適配置に加えて、ボディの気密性を飛躍的に向上させ、従来音圧レベル比約15%低減させている。また高速走行時の静粛性を高めるために専用のウエザーストリップやフロント・ドアガラスに高遮音タイプを採用し、ボンネットはツインロック構造とすることでバタつきを抑制している。
なお2.4Lターボモデルはアクティブ・ノイズジャンセリングとエンジンサウンドコントロールを装備している。
フロントのストラット式サスペンション サスペンションも新開発され、フロントはストラット式、リヤはトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンを採用。ダンパーは低摩擦化し、F SPORTには最新のAVSを標準装備している。
リヤは新開発のトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーン・サスペンション また、ホイールとハブとの締結構造は、ハブボルト式に変更。高剛性化とばね下の軽量化(ハブナット締結時比約0.7kg減)を図っている。
ステアリングは、ラックアシスト式EPSを採用。新開発のバリアブル・ラックギヤ(PHEV除く)は高速域の安定性を保ちつつ、コーナリングでのクイックなレスポンスを両立している。
装備
運転支援システムは最新のレクサス/セーフティシステム+を装備。レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、ドライバーモニタリング、高度駐車支援技術(アドバンストパーク)などをフル装備している。
インフォテイメント、コネクティッドサービスは全面的に刷新されている。大型化、高解像度化した9.8インチまたは14インチ・タッチワイドディスプレイを採用するとともに、直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアシステムを開発。また、G-Link機能を大幅に拡充することで日常使いに即したサービスを提供。また新たにOTA(無線通信)ソフトウェアアップデートを採用している。
リモートコントロール可能なアドバンストパーク G-Linkはクラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用。14インチ・ナビ仕様の場合は車載ナビとコネクティッドナビを組み合わせたハイブリッド型のナビゲーションを採用している。もちろんスマートフォン連携は、Apple CarPlay、Android Autoを設定。
14インチサイズのタッチワイドディスプレイ また最新の音声認識機能も採用し、トークスイッチ操作による起動に加え、ディスプレイのマイクアイコン操作や音声による起動を可能としている。あらかじめ設定された起動ワード(例 : Hey Lexus!など)を発話することで、スイッチ操作や再生中の音楽停止をすることなく音声認識機能の起動が可能で、クルマと会話するような自然な発話での操作にも対応するなど大幅な進化を遂げている。
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