現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ダサい「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの定番装備は過去の話だった

ここから本文です

ダサい「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの定番装備は過去の話だった

掲載 更新 15
ダサい「きのこミラー」なぜ減った? SUV・ミニバンの定番装備は過去の話だった

■減少傾向の「きのこミラー」は、技術の発達とともに衰退した?

 かつてSUVやミニバンなどのボディサイズが大きいクルマに採用されていた「サイドアンダーミラー」は、近年の新型モデルで姿を見かける機会が減少しましたが、なぜ見かけなくなったのでしょうか。

こうすれば車内はキンキンに冷える!?「炎天下+渋滞」で暑い車内を冷ます方法とは

 かつてボディサイズの大きな国産SUVやミニバンの定番装備となっていたサイドアンダーミラーは、フロントフェンダー部分からきのこのように生えていたことから、一部では「きのこミラー」と呼ばれていました。

 1970年代から1980年代にかけて、RV(現在のSUV)やバン、1BOX(現在のミニバン)などといった車種による左折巻き込み事故が多発したことにより、1990年代のはじめに登場した安全装備です。

 サイドアンダーミラーは、運転席から死角となる助手席側の空間をミラー越しに確認できる装備として、各自動車メーカーが相次いで採用しました。

 2003年に国土交通省は、クルマの視界を確保する間接視界基準の導入を決定。2005年1月1日以降の生産車からサイドアンダーミラーの取り付けが義務付けられています。

 2016年6月には、「間接視界基準に係る国際規則の採用」にともない、設置が義務付けられているサイドアンダーミラーと同等の視界が確保されるカメラモニタリングシステムで代用することが許可されました。

 これにより、最近では小型カメラを助手席側のドアミラー下部に取り付けて、その映像をディスプレイで確認できる機能を採用するクルマが増加しています。

 カメラとモニターによる確認は、これまでのサイドアンダーミラーよりも圧倒的に視野性が向上した結果、サイドアンダーミラーを付けたクルマを見かけなくなったのです。

 さまざまなサイズのSUVやミニバンをラインナップするトヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「SUVは、一般的なクルマに比べて車高が高く設定されており、助手席側が見えづらくなることから、小さなお子様を巻き込んでしまうといった事故が起こりかねません。

 こうした事故を防止するため、十分な視界を確保するためにサイドアンダーミラーが装備されていましたが、最近のクルマにはカメラ付いており、モニターで左側の視界を十分に確認できるため、サイドアンダーミラーが付いていないことが多くなりました。

 ただし、グレードやオプションによって搭載することが可能です。そのため、サイドアンダーミラーが装着されたままのモデルもあります」

※ ※ ※

 また、前述のようにサイドアンダーミラーは、その形状やデザイン性から「ダサい」という声もあります。そのようなデザイン面での影響について、国産メーカーのデザイン担当者は、次のように話します。

「最近のクルマは、出来る限り凹凸や余計な突起物を無くす方向性になっています。これは、どのメーカーにも同じことがいえ、その要因として第一に燃費性能の向上が挙げられます。

 空気抵抗が大きくなる突起物は、その分燃費に影響するため、可能な限り燃費性能を向上させる努力をデザインに反映させているからです。

 もうひとつは、そもそものデザイン性を考えた際に見た目的に不要な物を排除したいということがあり、かつては安全上や技術的に装備していたものでも代用出来る物が登場したのであれば、変更していきます。

 似たような物として、クルマのアンテナはかつては棒状で長いタイプが主流でしたが、徐々に小型化していき、最近ではシャークアンテナという空気抵抗も考慮したタイプに変わっています」

■サイドアンダーミラーを取り外すと車検に通らない?

 安全対策として取り付けられるサイドアンダーミラーですが、純正で装着されているものを取り外すことは問題ないのでしょうか。

 基本的に、サイドアンダーミラーは法律で設置が義務化されているため、取り外した場合には車検に通過することができないうえ、公道を走ることもできません。

 ただし、前述のカメラを使った装備や車検対応の代用品を装着することで、公道を走ることは可能です。

 カー用品店では、「サイドアンダーミラー取り外しキット」といった商品を展開していますが、市販されているなかには、一部車検に適合しない商品も存在します。

 付け替えるタイプの場合、道路運送車両法の保安基準が定める外装の技術基準で「外装は曲率半径2.5mm未満の突起を有してはならない」と決めらており、突起状態によっては車検に通らない可能性が高くなるのです。

 かつては定番装備だったサイドアンダーミラーですが、法改正や技術の進化によってその姿が減少しつつあります。

 最近では、レクサス「ES」やホンダ「ホンダe」などに、ドアミラーの代わりにカメラとモニターで代用するシステムも登場していることから、今後はドアミラー自体が珍しい存在になる日もくるかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
レスポンス
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
VAGUE
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
くるまのニュース
 専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
WEB CARTOP
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
モーサイ
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
motorsport.com 日本版
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
くるまのニュース
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
レスポンス
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
VAGUE
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ベストカーWeb
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
レスポンス
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
レスポンス
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
くるまのニュース
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
バイクのニュース
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
【10年ひと昔の新車】ボルボ V60 オーシャンレース エディションは、世界一周ヨットレースを記念したスペシャルバージョン
Webモーターマガジン
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
孤高のミニバンSUV、デリカD:5に「BLACK Edition」新登場、定番の「CHAMONIX」には新たに8シーターを設定
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

15件
  • これなー、自分は小さい頃これが四駆の象徴みたいで付いてるのがなんかいいって思ってたけど、一般的にはそうでもないことに気付いて逆に驚いた方だった。
    かっこいいとかというよりは普通の車には付いてないからなんかこれが四駆車!っていう認識だったというか。
    日本だけみたいだしやっぱり無いのが普通なんだろうけど。
    実用性は正直皆無だけど、なんとなく左前の感覚取るのにはよかったかも?

    と言いつつカメラで代用出来る現在、自分もキノコ生えないようにカメラオプションを付けてるけど...
    ただやっぱり自分はそんなに嫌いな装備ではないかな。
  • N-BOXの鏡使いまくりの無理くり感はたぶん何年後かに伝説になる。
    …結局アレ見ても全く鮮明に見えないから付いてる意味さえ疑う。法律的に付けてます感が満載。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村