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新型フェアレディZは歴代モデルのいいとこ取り? 希少なカタログで振り返る「Zの系譜」

掲載 更新 15
新型フェアレディZは歴代モデルのいいとこ取り? 希少なカタログで振り返る「Zの系譜」

カタログで振り返るフェアレディZのデザインの変遷

 モデルカー好き、かつ“Z(ズィー)カー”マニアの方なら、先頃あのタミヤから1/24スケールの240ZGが発売されたのはご存知だろう。何と窓枠やZGの特徴でもあるヘッドランプカバーのリムがメッキの別部品だったりするこだわりのキットだ。

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 ところでタミヤから240ZGが発売されるのは、これで2度目。1度目は今を遡ること48年、1/12のビッグスケールのキット(その時はサファリ仕様と240ZGの2台)として発売された。

 写真は当時の「タミヤカタログ・1973年版」の1ページで、私物のため、サファリ仕様には自分で色鉛筆を使いボディ色が塗ってあったり、見過ぎては外れた表紙をテープで止めてあったり(=余談だが黄ばみが年月を物語るテープは、当時出たばかりの3Mスコッチの無反射テープ。ちなみに隣のページにはタイレルフォードF-1も!)……と時の流れを実感するもの。

 当時の筆者は確か中3で、運転免許がとれたらZなど乗れたらいいなぁ……などと、そろそろ密かに、具体的な夢と作戦を描き始めた頃だったかもしれない。

新型モデルは8月に正式発表

 ところで実物(!?)のZは、昨年プロトタイプが公開された通算7世代目となる新型が、いよいよこの8月に正式発表の運びだ。そしてこの新型には、随所にZのヘリテージが息づいているところが注目される。ここではZのヘリテージが新型にどう受け継がれているのか、歴代モデルを振り返りながら見ていくことにしよう。

初代・S30型(1969年)

 フェアレディZ。今さら多くの説明は不要だと思うが、歴代モデルのなかで未だ僕らの心の中で大きく存在感を示すのは、やはり初代のS30型だ。

 それまでのSP/SR311系ダットサン・フェアレディ(ひいては同じオープンモデルだったダットサン・スポーツ)の後継モデルとして1969年に登場した初代は、当時の空気感でいえば、70年代に向け彗星のごとく登場した新時代のスポーツカーといったところ。

 GT-R由来の4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトの2L DOHC搭載の「432」や輸出仕様を国内でも展開した「240ZG」は、S30の高性能版として有名で、サファリラリーの総合優勝も果たした。 新型では正面視で長方形のグリル形状やヘッドランプまわりのデザイン、原点回帰の雰囲気を醸し出すフォルム全体に、このS30が宿っているように見える。

2代目・S130型(1978年)

 2代目は“Zカー”と呼ばれ人気を集めた北米市場を意識し、よりGTカー的なクルマに進化。スタイリングは初代のイメージを色濃く残すも、2by2は初代がほとんど差をつけないデザインだったのに対し、違いの大きなデザインに。Tバールーフ、ターボ(L20ET型)車の設定、60タイヤ標準装着者の設定などもトピック。

3代目・Z31型(1983年)

 平行上下式“パラレルライジングヘッドランプ”採用の3代目。カタログを見ると、3ウェイアジャスタブルショックアブソーバー、電子制御負圧式スピードコントロールといった新機能の投入が紹介されている。

 エンジンはこの世代からバンク角60度のV型に一新し、VG30ET型とVG20ET型の2機種でスタート。1986年になると“エアログラマラスフォルム”と呼ぶソリッド感が高いスタイルに一新。直6の2L(RB20DET型)も設定。

4代目・Z32型(1989年)

“スポーツカーに乗ろうと思う”がキャッチコピーだったZ32型は、同じ1989年登場のスカイラインGT-R、180SXなどとともに、今でも多くのファンを持つ世代だ。ちなみにこの世代のテールランプの意匠は新型に受け継がれているディテールのひとつ。

 グンとワイドになったボディサイズに、Zとしてはキャビンを前身させた(ノーズを短くした)斬新なプロポーションとスタイルが特徴で、Zでは初めて、ロールバー付きのコンバーチブルも用意された。約11年とライフは長かった。

5代目・Z33型(2002年)

 ついこの間のような気もするが、Z32型の生産終了からおよそ2年開けての登場はもう19年前のこと。V35型スカイラインとプラットフォームを共用しタイヤを4隅に配置。前後オーバーハングが短い“ニンブルフォルム(キビキビした形)”を採用した。

 当時の広報資料には、S30型とZ32型にZらしさのルーツを求めたと記されている。搭載エンジンは3.5LのV6、VQ35DE型で当初は280psだったが後期には313psのVQ35HR型に。バリエーションは2シーターのみとなり、オープンモデルは、ロードスターと呼ばれた。専用の足まわり、外観のVersion NISMOも設定。この世代からの縦型ドアハンドルは、形状を変えながら新型にも採用している。

6代目・Z34(2008年)

 この原稿執筆時点では現行モデルだが、Z34型はZ33型からホイールベースをさらに100mm短くし(2650→2550mm)、軽量化(エンジンフード、ドアパネル、バックドアはアルミ製)などを実施。6速MTには世界初のシンクロレブコントロールをつけた。 搭載エンジンは3.7LのV6、VQ37VHR型(336ps/37.2kg-m)を搭載してスタート。先代同様にロードスターの用意もあったが、こちらは2014年にカタログから落ちている。7代目の新型のリヤクォーターウインドウは、初代S30のイメージを再現したこのZ34型のそれをさらに発展させた風……に見える。

 ほかにもインテリアで見逃せないのが、初代S30型以来の歴代Z(Z32型を除く)が引き継いできたインパネ中央の“3連メーター”が、新型でも再現されているようだ、ということ。

 思えば初代から52年、国産車の中でも今や歴史の長いブランドでもあるフェアレディZ。果たしてその新型がどんなクルマに仕上がっているのか、やはり気がかりなところだ。

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みんなのコメント

15件
  • Zは大きく重くすると売れなくなる。
    小さく作って3Lくらいにして安く作れば売れるんじゃない?
    良ければ買うよ
  • やたらZの話題に偏らせて媚びようと企む
    日産のいやらしさにマジで引く。

    だから本当に売れなくてはいけない車種は、
    手を加えず放ったらかしでも別にへのカッパなんだよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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