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【クロカン列伝24 初代ビッグホーン編】ドイツのイルムシャー、イギリスのロータス、ビッグホーンを支えた名門

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【クロカン列伝24 初代ビッグホーン編】ドイツのイルムシャー、イギリスのロータス、ビッグホーンを支えた名門

1980~90年代にかけて「クロカンブーム」を支えた4WDが各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第24弾はいすゞ「初代ビッグホーン」だ。

デビュー時は「ロデオビッグホーン」というネーミングで登場した
1980年、タフな4WDの代表車ともいえるランドクルーザーが先だって乗用車フィールを取り入れた60系を発表し、話題を集めた。しかし、ランドクルーザー60は車体も大きく、価格も高額、誰もが簡単に手を出せる車両ではなかった。

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「もっと気軽に楽しめる4WD」のニーズが高まり、1982年にパジェロ、1984年にハイラックスサーフ、1986年にテラノがデビューするなど、各メーカーはRVブームに遅れまいと躍起になるが、この新ジャンルのフラッグシップモデルこそ、1981年にいすゞが投入した都会派4WD「ロデオ ビッグホーン」だった。

デザインはイタリア カロッツエリア界の巨匠ジウジアーロ氏が担当。ベース車両は、1972年からいすゞが販売していたピックアップトラック「ファスター ロデオ」を用いた。ちなみに「ロデオ」とはファスターの4WDグレードを示しいていた。

さて、初代ビッグホーンのボディタイプは、ショートバン、ロングバン、ショートソフトトップの3タイプ。1982年にはリアシートの居住性を大幅改良して、5ナンバーワゴンを投入した。1984年、「ロデオ ビッグホーン」の車名を「ロデオ」を外し「ビッグホーン」としてブランドを確立した。また、当初はショートボディ、ロングボディともに2ドアのみの設定だったが、1985年のマイナーチェンジでロングボディは5ドアに変更され、使い勝手が格段に向上した。同時にマニュアルトランスミッションを4速から5速へと進化させた。

クラス初の独立懸架式サスペンションを搭載
斬新さが際立っていたのは見た目だけではない。フロントサスペンションに独立式を採用したのもビッグホーンがクラス初だった。フロントは走行安定性を考慮したダブルウイッシュボーン+トーションバー、リアは悪路走行に強いリーフリジッドを取り入れた。このサスペンションレイアウトは現在のオフロード4WDにも使われている。

1987年にサスペンションに大幅な変更を施す。ドイツの「イルムシャー社」と共同でサスペンション開発を行い、フロントロアアームのスパン延長・前後のトレッド拡大・きめ細かいリセッティングなどを実施し、高速安定性と悪路走破性を大幅に改良した。

このサスペンションを採用したアクティブなモデルを「イルムシャー仕様」とし、後のビッグホーンの代名詞ともなる基礎を作り上げた。以降、イルムシャーシリーズの充実化を図っていった。また、1987年には最高級ワゴングレード「エクスポート仕様」も追加。スタイルでは、特徴的だった丸目2灯ヘッドライトを角目に変更している。

さらに1989年には上級グレードもイノベーションする。エクスポートに代わり、イギリスの「グループ・ロータス・パブリック社」がサスペンションを設定し、よりしなやかな乗り心地を実現した「スペシャルエディション byロータス」をロングボディに追加。この翌1990年にはディーゼルターボ車のロングワゴン車全車に4速ATを設定した。

10年という長い時を過ごした初期型は、絶えず改良を加え人気モデルへと成長した
なおデビュー当初のエンジンは、ファスターロデオから譲り受けた2238ccの直4ディーゼルC223型(最高出力73ps/最大トルク14.2kgm)を搭載した。ただし、こちらはスタイリッシュな見た目とは裏腹に非力さが目立ち、1984年にターボを備えたC223-T型(最高出力87ps/最大トルク18.7kgm)を追加。同時に、ガソリンエンジンG200型(最高出力105ps)をワゴン車に採用する。

1985年には1994cc 直4ガソリンエンジン(4ZC1型:最高出力105ps/最大トルク16.6kgm)へ、1988年には2559cc 直4ガソリンエンジン(4ZE1型:最高出力120ps/最大トルク20.0kgm)へと進化させ、後のロータスとなる3ナンバーモデルを強化する。

一方ディーゼルエンジンは1987年にエルフ搭載のターボ付き2771ccの4JB1-T型(最高出力115ps/最大トルク24.0kgm)に変更。1988年には、それにインタークーラーを備えることでクリーンな排出ガスとパワーアップを実現。パワーユニットも絶え間なく進化させ、さらに乗用車感覚に近い4WDに仕上げた。

まだ国内ではRVやSUVという言葉は浸透していない時代だっただけに、ビッグホーンの出発はトライアンドエラーも多かった。しかし、登場からフルモデルチェンジまでの10年間であらゆる面を見直していった結果、一度は下降気味になった販売台数を回復させることに成功。頭角を表した多目的4WDの先駆者ビッグホーンは、ライバルをリードする存在へと返り咲いたのだ。

[ アルバム : クロカン列伝24 初代ビッグホーン はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

2件
  • イルムシャーGを当時所有。
    トラックを思わせるステアリングポジション。
    なんかいい感じだった三角窓。
    ハンドル全開に切ってアクセル踏むとホイールスピン。
    ランクルやパジェロ、サファリから比べると二番煎じ感は否めませんでしたがいいクルマです!
  • 初代のビックホーンには、まだ三角窓が付いていた。かなり前の話になるがその時にこの車の新車を見て、まだ三角窓がついてる車が売っている、と驚いた記憶があります。初代はクロカン色が強く無骨な感がありとても欲しかった車でしたが、乗ることなく終わってしまいました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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