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「半導体不足の影響はほぼない」BYD Auto Japan代表に聞く日本市場における販売戦略

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「半導体不足の影響はほぼない」BYD Auto Japan代表に聞く日本市場における販売戦略

2022年12月5日、BYDは2023年1月31日から「ATTO 3(アット スリー)」の受注を開始することを発表しました。税込み440万円で販売されるBEVをどのように売り込んでいくのか、ライバル車も増えている日本の電気自動車市場で「BYD」というブランドをどのように広く知ってもらうのか、BYD Auto Japan 代表取締役社長 東福寺厚樹氏のインタビューも交えてお伝えします。

BYD「ATTO 3」の価格・発売時期・スペック

価格が高騰している「旧車」の燃費ってどれくらい?

日本市場におけるBYD初の乗用車「ATTO 3」は、2023年1月31日から受注を開始し、3月頃から納車を開始する予定となっています。

440万円(税込)という価格で、長距離運転や高速道路の運転をサポートするナビゲーションパイロット機能、死角での衝突リスクを低減するブラインドスポット検知機能、万一の衝突時の被害を回避または軽減する予測緊急ブレーキシステムなど、先進的な運転支援システムや予防安全機能などを標準装備していることが特徴です。

標準装備している機能やシステムが充実していながら440万円という価格設定について、BYD東福寺氏は「どうやったらお客様にお買い得だと感じてもらえるかということを考えた価格設定としました」と話しています。

また、12月5日の発表会で触れられることがなかった右ドアミラーに装備される「NFC」については、カードキーが対応するとのことです。NFCの対応についてBYD東福寺氏は、「中国本土ではスマートフォンがキーの代わりとして使われています。ゆくゆくは日本でもスマートフォンに対応していくと思います」と話します。

ATTO 3を皮切りに乗用車市場に参入するBYDは、販売を始めてからも絶えず機能をアップデートする予定があることがわかりました。

2023年はBYDがアツい!

2023年は、BYDが日本市場に広がる年といっても過言ではないかもしれません。

2023年1月には、全国に20店舗以上のディーラーがオープンし、ATTO 3の販売が始まります。また、2023年中頃にコンパクトカーの「DOLPHIN(ドルフィン)」、2023年下半期にハイエンドセダンの「SEAL(シール)」の発売を予定しています。このようなことからも、2023年はBYDが日本に広がる1年になるといえるでしょう。

気になるのは、ATTO 3の次に発売を予定しているコンパクトカー「ドルフィン」の価格です。ドルフィンの価格についてBYD東福寺氏は、「ATTO 3より高くなることはない」と話しています。また、ATTO 3と同じように「お買い得感」を感じられる価格設定を考えているとのことです。

日本市場における販売戦略

2022年12月15日、BYD Auto Japan代表取締役社長 東福寺厚樹 氏にインタビューする機会をいただき、日本市場での販売戦略や半導体不足の影響があるかなど聞きました。

キーポイントは「驚き」

日本における乗用車部門の販売戦略、つまりBYDをどのようにユーザーに知ってもらうのかを聞いてみると、

「広告でBYDと連呼しても効果は薄いと考えています。クルマの広告に目がいくのは、人がクルマに興味を示す瞬間、つまり買い換えるタイミングなどです。なので、クルマに興味を持った瞬間や買い換えを検討し始めたときに訪れることができる店舗を整えることが重要だと考えています。また、ディーラーに行ったときにクルマを見て・触れて・乗れる環境を整えることが必要だと思いますので、全国にディーラーをオープンさせます」とのこと。

また、BYDというブランドが知られるようになっても「中国製」という日本における中国製品のイメージが課題になるとも話します。

「中国製であるという壁を越えるためには、実際に使って、乗って、意外といいじゃん!という驚きが重要です。そのためにも、実際に試乗してもらうことがキーになると考えています」

半導体不足の影響はほぼない

近年では国産車をはじめ、さまざまな自動車メーカーが半導体不足の影響によって、新車の納期に時間がかかることが多いです。BYDでも他のメーカーと同じように納期が延びてしまうことはあるのでしょうか。

世界的な半導体不足の影響についてBYD東福寺氏は

「半導体不足の影響はほぼないと思います。1月から日本向けの量産が開始され、2月末~3月初めに日本に届き、3月中旬頃から納車を開始する予定です。以降、ディーラー網の展開スピードや受注台数に応じて、順次本国にオーダーをかけて生産してもらいます。」とのことです。

BYDは、2023年の販売開始から時間をかけて知名度や評判を上げながら販売台数を増やしていくという長期的な戦略で日本の自動車市場に浸透していこうとしているようです。

BYDが身近になる日はまもなく訪れる

2023年1月からディーラーの開業や乗用車の販売を開始する中国の自動車メーカーBYD。実際に見て・触れて・乗ってみなければわからないことが多い自動車だからこそ、ディーラー網を整え、試乗する機会を設け、認知度や評判を広げていきたいということがインタビューを通じてわかりました。BYDのことが少しでも気になっているのであれば、2023年1月からオープンするBYDディーラーへ足を運び、実際のクルマを見て・触れて・乗って、驚きがあるか確かめてみるとよいのではないでしょうか。

取材・文/齊藤優太

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みんなのコメント

36件
  • 半導体の影響は日本車はかなりある。やはり、中国の半導体企業や、中国国内にある半導体企業は、優先的に中国企業に半導体を供給するように、中国当局から圧力かけられてると思うよ。

  • 納車期限やアフターサービスがきちんとされているなら脅威になるかもしれないですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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