STIチューニング車「S206」のモデル
モータースポーツにおいて数々の世界的実績を残してきたスバル・インプレッサWRX、その中でもひときわ個性的だった「STI S206」がレジンモデルとなって登場している。フランスのミニカー製作で名高い“OttO mobile(オットーモビル)”が作り上げた1/18スケールレジンモデル。輸入代理店を務める模型メーカーの京商から発売が開始されているこのモデル、クルマ好きには忘れられない一台だろう。
「即完売」に「中古が新車価格を上まわる」など当たり前! 「STI」のコンプリートカーがファンを虜にするワケ
レジンモデルはパールホワイトで登場
数あるスバルのコンプリートカーの中でも、公道のセダン貴公子たる風格を持って2011年に登場したのがWRX S206である。それもそのはずS206にはいうまでもなく、世界選手権ラリーでの活躍で実証されてきたスバルインプレッサWRXの高性能が盛り込まれているが、さらにニュルブルクリンクという特異な公道サーキットで鍛錬し積み上げてきた開発テストによる熟成が、にじみ出ているというコンプリートカーなのだ。
ベースであるスバル・インプレッサWRXに、スバルテクニカインターナショナル(STI)がさらにチューニングの磨きをかけた「S206」、実車の出力は320馬力にも及んでいる。予定生産限定300台での受注を2011年の5月に開始していたが、そこへ6月のニュルブルクリンク24時間レースでのクラス優勝が重なったものだから、うち100台をカーボン製のリヤウイングやルーフを備える「NBR CHALLENGE PACKAGE」として追加したが、瞬く間に完売してしまったという逸話がある。 WRXに組み込まれ話題であったなんらレスポンスロスのないボールベアリングターボの効果はもとより、過酷なレースを克服してきたSTIの職人技で、さらに磨きをかけられたエンジンは、入念に選別されたラインオフパーツで組み上げられ、クランクシャフト類などの緻密なバランス採りもなされていたほどだ。エンジンがするすると吹け上がり、ボディ剛性も4WDへの動力トルク配分も申し分ないS206が走りゆく様は、すでに排気系が等長になりボクサーエンジンの荒武者サウンドが潜められていたこともあり、まさに馬上の貴公子を感じさせるほどの高貴なドライビングフィールだった、とも言われている。
仕立てあげられたレジンモデルには、理想のロードカー・セダンであった実車が思い起こされるフォルムが散見される。過酷さに耐えるべくエンジンを冷却させるためのダクトフィン類がフロントバンパー、フェンダー周りにあり、空力性能を追求するスポイラーはフロントに大型アンダーリップ、リアは密やかなトランクスポイラーだ。
6速マニュアルトランスミッションと分かるシフトレバー、本革のステアリング、RECARO製バケットタイプのシート、ビルシュタインダンパー、19インチ大径のBBS製鍛造アルミホイール、内に外に贅沢パーツは尽きない。その全体を白馬のようなサテンホワイトパールのボディカラーが覆い尽くしている。フェンダーのボリュームにはまさに名馬の筋力が感じられてしまう。
販売されるモデルの価格は15,000円(税抜き)。全国の模型店やインターネットで購入することが可能だというが、世界限定300個、日本での取り扱いは100個に満たないという。この数字、実車の驚くべき販売状況を彷彿とさせるが、まさにスバルのレジェンドマシン「S206」の世界的人気のほどがうかがえるとも言えるだろう。
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