現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型リーフ国内試乗 走りと経済性向上めざす日産 走行距離も考慮に検証

ここから本文です

新型リーフ国内試乗 走りと経済性向上めざす日産 走行距離も考慮に検証

掲載 更新
新型リーフ国内試乗 走りと経済性向上めざす日産 走行距離も考慮に検証

もくじ

どんなクルマ?
ー 新リーフ 航続距離と動力性能向上めざす

スバル初のバッテリーEV 2020年登場へ SGPで対応

どんな感じ?
ー 追い越し加速で進化を実感 気になる部分も
ー e-ペダル 曲率ゆるければサーキットでも「使える」
ー 気になる一充電走行距離 公表値の50%?

「買い」か?
ー 200kmを超えるような遠出をしないならば

スペック
ー 日産リーフGのスペック

どんなクルマ?

新リーフ 航続距離と動力性能向上めざす

日産リーフ、2010年に発売された初代は、日本における市販型EVの先駆けのひとつであると同時に、世界的に見ても量産型EVとしてはパイオニアといえるクルマだった。が、しかし、その販売台数は、日産の予測を下回ったといわれる。

おそらくその最大の要因は、一充電走行距離の短さにあったのだろうと想像できる。初代リーフ初期型、日本仕様のそれはJC08モードで200kmとされたが、実際に路上を交通の流れに乗って走ってみると、その半分の100km前後というのが実情だったといえる。

そこでその7年後に登場した新型は、バッテリー、電気モーター、それを制御するインバーターのすべてを大幅に強化、動力性能をアップすると同時に、走行距離も大幅に伸ばしてきた。

リチウムイオンバッテリーを先代の24/30kWhから40kWhに容量アップ、モーターを最高出力110kW、最大トルク32.6kg-mに強化した結果、JC08モードの一充電走行距離は400kmと、先代初期モデルのちょうど2倍に達する数字を公表しているのだ。

それだけでなく、当然ながら動力性能も向上、例えば0-100km/h加速は先代より15%ほど速くなって、8秒台をマークするという。特に数値の公表はなかったが、最高速も向上しているだろう。ちなみに車重は1490~1520kgの範囲にある。

ひと目見てわかるように、ボディスタイリングも一新されているが、キャビン部分の基本形状は変わっていないし、2700mmのホイールベースや1500mm台の前後トレッドなどの数字からして、プラットフォームの基本は先代と変わらず、その進化型だといえる。

車種は装備などの違いによってS、X、Gの3モデルが用意され、プライスはそれぞれ税込で3,150,360円、3,513,240円、3,990,600円となっている。

どんな感じ?

追い越し加速で進化を実感 気になる部分も

床下にバッテリーを収めているからだろう、ドライバーズシートの着座位置はガソリンもしくはディーゼルエンジンのFWD=前輪駆動車よりやや高い印象をうける。室内の空間は特に広々した印象はないが、リアシートにはふたりの大人に不足のないスペースが確保されている。

スタートボタンを押して準備完了、アクセルを普通に踏めば滑らかにスタートし、深く踏み込むと、起動時に最大トルクを発生する電気モーター独特の、ドンッと蹴飛ばされるような加速が始まる。0-100km/h 8秒台、という数字を納得させるだけの勢いがある。

さらにスピードが乗ってからの追い越し加速も、例えば60-100km/hでは先代より30%速くなっているといわれるが、たしかにそれもなかなかのものだ。とはいえ、それを愉しんでばかりいると、航続距離が短くなるのでご用心、である。

試乗車は、17インチタイヤを装備する最上級モデルのGだったが、乗り心地は角の取れた、快適なものだったといえる。ただしボディの剛性感に関しては、特に緩いわけではないが、1週間ほど前に乗ったe-ゴルフには及ばない、という印象だった。

その一方で、舗装の種類が違うので一概に比べられないが、エンジンがないために耳につきがちなロードノイズに関しては、e-ゴルフより低く感じられた。そのためもあってか、ちょっとスピードを上げると、ドアミラー周辺の風切音が耳についたけれど。

e-ペダル 曲率ゆるければサーキットでも「使える」

新型リーフのポイントのひとつは、日産がe-ペダルと呼ぶワンペダルドライビングにある。EVは電気モーターの性質上、通常でもガソリンエンジン車よりエンジンブレーキが強いが、新型リーフにはe-ペダルスイッチというモノがあり、それをONにすると減速度が一段と強まる。

さらにe-ペダルモードでは、状況によって通常のブレーキも併用するため、最終的にはブレーキペダルを踏まなくてもクルマが停止する、ワンペダルドライビングが可能になっている。実は、これを最初に僕らに提示したのはBMW i3だったが、ノートe-Powerに続いて、新型リーフもそれを採用したわけだ。

それを試す舞台として、本来はカート用のスモールサーキットが試乗コースに用意されていた。e-ペダルモードでそこを走ると、比較的緩いコーナーへの進入時などにはブレーキペダルを踏まずに充分なだけ減速されて回頭し、たしかに走り易い。

だがその一方で、コーナーの曲率がイメージした以上にきつく、e-ブレーキだけでは減速し切れないと判断、e-ブレーキから通常のフットブレーキに移る場合など、減速Gの変換がもっと自然かつスムーズになされるとより好ましい、と思ったのも事実だった。

いずれにせよ、サーキットを走るような限界的な場合を別にして、ワンペダルドライビングは魅力的なシステムだと思う。

気になる一充電走行距離 公表値の50%?

サスペンションは適度にソフトな設定なので、サーキットではそれなりにロールするが、重いバッテリーを床下に収めるEVならではの重心の低さが功を奏して、安定したコーナリングを披露してくれた。そのステアリング、適度に軽いのは好ましいが、贅沢をいえばもう少し繊細なフィールが欲しいとは思った。

いずれにせよ、新型リーフをオールラウンドな実用車として使おうとすると、実際の一充電走行距離が最も気になるところだ。日産のスタッフからは、公表値の60%くらいと考えていただければ、というニュアンスの言葉があったから、それでいうと240kmということになる。

けれども、当方の初代リーフでの経験からいうと、公表値の50%というのが確実なところだった。案の定、スモールサーキット試乗時にチラッとメーターを見たら、電気残量50%弱で、走行可能距離100km弱を示していた。

その試乗車がフル充電してからずっとサーキット走行に使われていたかどうかは不明だが、もしもそうだと仮定したら、冷徹に踏み込んで周回し続けても200kmほど走る、ということになる。だとしたら、それはそれで悪くない数字ではないかと思う。

前車追従走行などを実現するプロパイロットに加えて、縦列駐車、後ろ向き駐車、前向き駐車の3種類をすべてカバーする、プロパイロットパーキングをオプション装着できるのも新型リーフのポイントのひとつだろう。ただし今回の試乗会では、残念ながらそれを自分で試す時間がなかった。

「買い」か?

200kmを超えるような遠出をしないならば

エンジン車より静かでスムーズ、それでいて実用域では力強く、しかもゼロエミッションで環境にも優しいEVは、日常の足に使うのに理想的なクルマのように思える。けれどもそれは、往復で200kmを超えるような遠出はまずしないユーザーには、という限定条件がつく。

その一方で、初代リーフが発売された2010年には日本全国に360基しかなかった急速充電器は、2017年3月末の時点で7108基へと激増しているという。しかも今や高速道路のSA/PAの40%には急速充電器があって、ガソリンスタンドの25%を上回っているのだという。

つまり、充電する回数と時間を気にしなければ、EVでの遠出も可能な環境になった、ということだろう。初代より様々な分野で大幅に実力と魅力をアップした新型リーフだが、まずそれを買うべきは、その魅力を味わうためには充電の手間をいとわない、というひとたちではないだろうか。

日産リーフGのスペック

こんな記事も読まれています

23インチでも上質な乗り味に感服!【ランドローバー レンジローバースポーツ】
23インチでも上質な乗り味に感服!【ランドローバー レンジローバースポーツ】
グーネット
息子が目撃したグッドウッド・リバイバル 純白のハンスゲン・スペシャル(2) 世界水準の厳しい現実
息子が目撃したグッドウッド・リバイバル 純白のハンスゲン・スペシャル(2) 世界水準の厳しい現実
AUTOCAR JAPAN
Cタイプが買えないなら作ればイイ! ベースはジャガーXK120 純白のハンスゲン・スペシャル(1)
Cタイプが買えないなら作ればイイ! ベースはジャガーXK120 純白のハンスゲン・スペシャル(1)
AUTOCAR JAPAN
リカルド予選18番手「感触は良くなったが、タイムが向上しない。新パーツへの理解を深める必要がある」/F1第10戦
リカルド予選18番手「感触は良くなったが、タイムが向上しない。新パーツへの理解を深める必要がある」/F1第10戦
AUTOSPORT web
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 決勝
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 決勝
AUTOSPORT web
940万円のホンダ「プレリュード」出現!? 5速MT搭載の「スペシャリティモデル」がスゴい! 23年落ちなのになぜ「新車価格」超えた? “極上車”が米で高額落札
940万円のホンダ「プレリュード」出現!? 5速MT搭載の「スペシャリティモデル」がスゴい! 23年落ちなのになぜ「新車価格」超えた? “極上車”が米で高額落札
くるまのニュース
HKSファンなら愛車にペタリ…HKSがロゴステッカー4種類を発売
HKSファンなら愛車にペタリ…HKSがロゴステッカー4種類を発売
レスポンス
乗用車じゃ当たり前の技術ハイブリッド! 大型トラックはいまだ「プロフィア」だけなのはナゼ?
乗用車じゃ当たり前の技術ハイブリッド! 大型トラックはいまだ「プロフィア」だけなのはナゼ?
WEB CARTOP
江戸は「坂」の多い町 物資を運ぶ苦労は並大抵ではなかった!
江戸は「坂」の多い町 物資を運ぶ苦労は並大抵ではなかった!
Merkmal
雨の第3戦SUGOは安全面を考慮し赤旗終了。近藤真彦会長「最後までレースができなかったことをお詫びします」
雨の第3戦SUGOは安全面を考慮し赤旗終了。近藤真彦会長「最後までレースができなかったことをお詫びします」
AUTOSPORT web
高速道路上に「なかったはずのトンネル」が出現!? 風景がめちゃくちゃ変わる大工事 これからスゴイことに!?
高速道路上に「なかったはずのトンネル」が出現!? 風景がめちゃくちゃ変わる大工事 これからスゴイことに!?
乗りものニュース
トヨタが手がけたホンキのアソビグルマ──新型クラウン・クロスオーバーRS“ランドスケープ”試乗記
トヨタが手がけたホンキのアソビグルマ──新型クラウン・クロスオーバーRS“ランドスケープ”試乗記
GQ JAPAN
野尻智紀&岩佐歩夢のコンビでSF王座争いリードするTEAM MUGEN。しかし現状には満足せず「安定感が足らない」
野尻智紀&岩佐歩夢のコンビでSF王座争いリードするTEAM MUGEN。しかし現状には満足せず「安定感が足らない」
motorsport.com 日本版
ハミルトンが予選3番手、PPと0.3秒差「実際にはそれほど差はないはず。優勝争いに加わりたい」メルセデス/F1第10戦
ハミルトンが予選3番手、PPと0.3秒差「実際にはそれほど差はないはず。優勝争いに加わりたい」メルセデス/F1第10戦
AUTOSPORT web
アルピーヌF1、カルロス・サインツJr.争奪戦に名乗り! 新加入ブリアトーレが早速動いた!?
アルピーヌF1、カルロス・サインツJr.争奪戦に名乗り! 新加入ブリアトーレが早速動いた!?
motorsport.com 日本版
「5ナンバー車」かと思ったら「7ナンバー」だったのですが… 分類番号700番台はレア? どんな車につくのか
「5ナンバー車」かと思ったら「7ナンバー」だったのですが… 分類番号700番台はレア? どんな車につくのか
乗りものニュース
「あなたはやってる?」 乗車前の「推奨行為」ってナニ? 教習所で教わるもやってる人は少ない安全確認とは
「あなたはやってる?」 乗車前の「推奨行為」ってナニ? 教習所で教わるもやってる人は少ない安全確認とは
くるまのニュース
「英国最大のバイクブランド」がスイスの高級時計メーカーと再コラボ! 世界270台限定!! 「特別なスポーツバイク」は何が魅力?
「英国最大のバイクブランド」がスイスの高級時計メーカーと再コラボ! 世界270台限定!! 「特別なスポーツバイク」は何が魅力?
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.1583.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0484.0万円

中古車を検索
リーフの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.1583.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0484.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村