■長距離試乗で分かったガソリンモデルとの決定的な違い
編集部にジープ「レネゲード4xe」がやってきたのは、2020年12月も後半、いつもなら街中でクリスマス定番の曲が流れている頃である。
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しかし、年末から新型コロナウイルス感染者が爆発的に増え、レネゲード4xeで遠出するどころかステイホームを余儀なくされた年末年始を迎え、あれよあれよという間に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣が再び発令されてしまい、本当にクルマに乗って出かけようという雰囲気ではなくなってしまった。
しかし、ようやく(というか為す術なく)緊急事態宣言が解除されたので、信州・善光寺までレネゲード4xeでドライブに出掛けることにした。
●高速と一般道、実は同じ燃費性能だった
ジープ初となるスモールSUVのレネゲードが登場したのは、2015年のジュネーブモーターショーであった。2015年内に日本にも正規導入され、おろし立てのレネゲードを撮影したことのある思い出深いモデルだ。
その後、雪上やダートコースで試す機会にも恵まれ、普段遣いとして数日を共にしたこともある、いわば、レネゲードとは知らぬ仲ではない関係、というわけである。
しかし、長期レポート車両のレネゲードはじっくり触れたことのないプラグインハイブリッドモデル。改めてじっくりと長距離ドライブに持ち出して、身体に馴染ませてみることにした。
プラグインハイブリッドモデルは、都市部の移動では優位だけれども、高速道路での長距離移動は不経済とされてきた。だから欧州では、長らくプラグインハイブリッドよりもディーゼルの方が主流だったわけだ。しかし、カタログのスペック表を見てみると、市街地と高速での燃費はどちらも同じ18.5km/L。これは、積極的に遠出に使ってみないわけにはいかないではないか。
早朝だったので、横浜青葉ICから東名高速→首都高速3号線→大橋JCTからC2を北上し、首都高速5号線→東京外環道→関越道というルートを選択することに。
高速道路に入ってからまず感じたことは、全体的にしっとりした乗り心地であった。ガソリンモデルに比べると、首都高速のギャップを通過する際のいなし方も当たりがマイルドだ。大橋JCTのループを下っていくときには、明らかに重心が低く、上屋の動きが抑えられているのが分かる。
全体的にライトな乗り味だったレネゲードに、少しだけ重厚さが加味された感じだ。シンプルなハンバーガーに、とろとろのチェダーチーズが追加されたような、まさにそんなニュアンスである。
これには当然理由があって、ガソリンモデルに比べると4xeは、車両重量が350kgも重たい(リミテッド比)。増えた重量の大半は、バッテリーと電気モーターが占めているのだが、それらはフロア下に設置されている。乗り味がプラスの方へ変化しても不思議ではない。
気を良くしたところで関越道へ。緩やかなカーブと直線が続く高速道路のステージでは、ガソリンモデルと比べると明らかに安定したフィーリングが、ステアリングやシートから伝わってくる。ハイブリッドモデルは燃費において高速道路では不利だと思われがちだが、ガソリンモデルの高速燃費のカタログ値は、16.3km/L。わずか2.2km/Lの差だが、4xeの方が燃費に優れている。ハイブリッドモデルの高速長距離移動のネガなイメージは、この際忘れてもいいだろう。
■ジープ派からそうでない人にまで、幅広く受け入れられる素質
レネゲード4xeで初めて遠出した先は、信州・善光寺だ。善光寺の本尊である552年に伝来した「一光三尊阿弥陀如来」像は、日本に伝わったもっとも古い仏像といわれている。
善光寺の創建は644年、平城京遷都よりも古い。そのため、日本でも屈指の知名度を誇る名刹でありながら、実は無宗派である。日本で仏教の宗派ができる前の開山した古寺であるから、そもそも宗派などなかったのだから当然のことである。
●ジープの新時代を告げる「レネゲード4xe」
レネゲードは、その生い立ちからジープの歴史上、独特な存在だ。フィアット「500X」とプラットフォームを共有していることは周知の事実だが、誕生当時は、「タフ」で「ハード」なギアであることをジープに求めていた信奉者は、サイズも含めて頼りなく感じたことであろう。
さらにプラグインハイブリッドである。道なき道を分け入っていくタフなイメージとはほど遠い、エコロジーでマイルドなイメージのジープ。しかし、旧来からあるジープのブランドイメージは、実はカスタマーの選択範囲を狭めてしまってはいなかっただろうか。
善光寺を訪れている人びとは、老若男女さまざまだ。宗教心とはまったく関係なく、善光寺という名刹を楽しんでいるのが分かる。善光寺は宗派に囚われることがなかったために、余計な争いに巻き込まれることも少なく、誰にでも開かれた存在であった。だからこそ、多く人に長く愛されてきたのだろう。
実は、同じことがレネゲードにもいえるのかもしれない。レネゲードはジープのラインナップのなかで、ブランドイメージから矛盾した存在のようにも思えるが、そうではない。外観からでもジープDNAをしっかりと受け継いでいることがよく伝わる(オフロードの性能については次回レポートする)。
それでいながら、ジープにカジュアルで都会的なイメージを植え付け、ユーザー層に多様性をもたらすことに成功した。ジープが長らく陥っていた、自ら築いたイメージの呪縛から解き放ってくれた存在なのだ。
こうした意味において、レネゲード、さらにレネゲード4xeは、誰にでも開かれた1台といっていい。ジープファンだった人からそうでない人にまで、レネゲードのセブンスロット・グリルと丸目のフロントフェイスは快く受け入れられることは間違いない。
江戸末期、「一生に一度は善光寺詣り」といわれていたが、令和のいま、「一生に一度はレネゲード(もしくはジープ)」と、あながち大袈裟ではなく心からオススメしたいくらいだ。
* * *
さて、今回の善光寺詣での走行距離は635.1km(ガソリンのみの走行は555km、バッテリーでの走行は80.1km)であった。燃費走行など気にせずアクセルペダルを踏んだためか、燃費は12.8km/Lという結果だった。ドライブしていた時間はトータルで11時間57分37秒。ファーストコンタクトとしては、十分な旅であった。
今回はレネゲードのブランディングについて考察したが、次回は雪山で試したレネゲード4xeの実力と、長距離走行して気がついた点をお届けしよう。
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