2019年7月に登場したメルセデス・ベンツ初のFFプレミアムコンパクトセダン「Aクラスセダン」が注目を集めている。ただ一方ですでにFFプラットフォームを使った4ドアモデルとして「CLAクーぺ」が存在しており、そのCLAクーぺも2019年8月に2代目の新型へとフルモデルチェンジしている。となれば、セダンと4ドアクーペという違いはあるが、かなり近い存在ということになる。今回は「A250 4マティック セダン」と「CLA250 4マティック クーぺ」を中心にAクラスセダンとCLAクーぺを比較し、その共通点と違いを探ってみよう。
Aクラスセダンは「小さなCクラス」それとも「トランクのあるAクラス」?
メルセデス・ベンツの「MFA2(モジュラー・フロントドライブ・アーキテクチャー2)」と呼ばれるFFプラットフォーム系のラインアップは、今や7モデルを数えるに至っている。コンパクトメルセデスの源流というべき2ボックスハッチバックの「Aクラス」、ちょっと背の高いミニバン風コンセプトの「Bクラス」、クロスオーバーSUVの「GLA」、オフロードSUVに仕立てられた「GLB」(日本未導入)、そして今回紹介するAクラスのセダン版「Aクラスセダン」とスタイリッシュな4ドアクーぺ「CLAクーぺ」、そのステーションワゴン版「CLAシューティングブレイク」だ。
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それぞれのシリーズには4WDモデル、さらにハイパフォーマンスモデルのAMGバージョンも設定されているので、これだけで立派なフルラインアップと言えるほどの充実ぶりだ。
2019年7月に登場した「Aクラスセダン」は、Cクラスセダンの世界観をFFプラットフォームで実現したモデル。Cクラスが欲しいけど、もっとコンパクトなほうがいい、もう少し価格が低い仕様がいいというユーザーは多い。そういう人にぴったりのクルマだ。そのフォルムはCクラスセダンをそのまま小さくしたようで、メルセデス品質を求めるユーザー、FRにこだわらないユーザーにとっては、まさに「小さな、手頃なCクラス」と言えるだろう。ちなみにAクラスセダンの全長×全幅×全高は4550×1800×1430mm、Cクラスセダンは4690×1810×1445mmだから、ひと回り小さい。
一方、2019年8月に2代目の新型へと進化した「CLAクーぺ」は、CLSによく似たスタイリッシュなフォルムが特徴。全長×全幅×全高は4690×1830×1430mmと立派なサイズで、Cクラスとほぼ同じ、むしろ大きいくらいだ。実際に目にするとさらに大きく見える印象で、兄貴分にあたるCLSと同様、クラスレスなところも魅力だ。
AクラスセダンとCLAクーぺの2台を外観だけで比べてみれば、同じMFA2プラットフォームを使いホイールベースも同じながら、かなり異なる印象を受ける。
■メルセデス・ベンツ Aクラス セダンの車両価格(税込み)
A180 セダン:347万円
A180 スタイル セダン:390万円
A200d セダン:420万円
A250 4マティック セダン:490万円
メルセデスAMG A35 4マティック セダン:644万円
■メルセデス・ベンツ CLA クーぺの車両価格(税込み)
CLA180 クーぺ:446万円
CLA200d クーぺ:477万円
CLA250 4マティック クーぺ:539万円
メルセデスAMG CLA35 4マティック クーぺ:685万円
メルセデスAMG CLA45 S 4マティック+ クーぺ:865万円
インテリアのデザインはよく似ている。ともに基本的にAクラスと共通する。パネルの素材やトリムレベルで仕様を変えているが、大きな液晶パネルを2枚並べたメーターパネル、ジェットエンジンのタービンを思わせるエアアウトレットなどのデザインが印象的で、ともに若々しく未来的だ。装備の充実と新しさはこの2台の大きなポイントで、自然対話式音声認識機能を備えた対話型インフォテインメントシステム「メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス(MBUX)」を設定するのは大きな魅力となる。
室内空間はAクラスセダンとCLAクーぺとほぼ同等と言える。ホイールベースは同じ、Aクラスセダンはボディサイズの拡大を抑えているが、FFレイアウトの利点を生かして室内空間を確保、とくに後席の余裕はむしろCLAクーぺよりもある印象だ。
CLAクーぺも負けてはいない。ルーフが寝かされているため、後席の頭上空間のゆとりは少ないが、横幅の余裕もあり、スポーティなルックスから想像するよりも快適だ。
パワーユニットはAクラスセダンが最高出力136psの1.3Lの直4ターボをA180/A180スタイルに、150psの2L直4ディーゼルターボをA200dに、224psの2L直4ターボをA250 4マティックに搭載。さらにハイパフォーマンスモデルのメルセデスAMG A35 4マティックのエンジンは306psの2L直4ターボとなる。
一方、CLAクーぺも136psの1.3L直4ターボ、150psの2L直4ディーゼルターボ、224psの2L直4ターボをラインアップ。AMGモデルは306psのA35 4マティックに加え、421psのCLA45 S 4マティック+も設定されるのは、CLAクーぺのスポーティな個性を示していると言える。
トランスミッションはともに7速デュアルクラッチ(200dは8速DCT)を採用、駆動方式はFFを基本に、前後トルク配分型4WDシステムも用意する。
安全装備はもちろん充実しており、自動再発進機能付きのアダプティブクルーズコントロールやアクティブステアリングアシスト、ウインカー操作によって自動で車線変更するアクティブレーンチェンジアシスト、アクティブレーンキーピングアシスト、アクティブブレーキアシスト、アクティブブラインドスポットアシストなどを、オプション設定ではあるが揃えている。
今回は「A250 4マティック セダン」と「CLA250 4マティック クーぺ」を中心にAクラスセダンとCLAクーぺを比較してみたが、同じFFプラッットフォームを使いながら、その違いは走り味にも表れている。A250 4マティック セダンがしっとりとしてスムーズな走りを見せたのに対し、CLA250 4マティック クーぺは走りも元気いっぱいで、エンジンサウンドまで違って感じられた。
車両価格の設定にも両者の狙いの違いが感じられる。Aクラスセダンは「メルセデスの品質と高い基本性能」が300万円台から味わえるのがポイントで、上級モデルのA250 4マティック セダンが490万円と、CクラスセダンのベースモデルであるC180の489万円とクロスする形となっている。
一方のCLAクーぺは446万円(CLA180 クーぺ)から539万円(CLA250 4マティック クーぺ)と、Cクラスセダンの489万円(C180)から639万円(C200 4マティック ロウレウスエディション)とかぶる設定となっており、メルセデス・ベンツのセダンのヒエラルキーには干渉しない、独自のポジションニングにあることがうかがえる。
同じ素材を使いながら、AクラスセダンとCLAクーぺには価格差が50万円ほどあるが、確かにそれだけポジションニングが違うと言えそうだ。どちらにも価格に見合った価値がある。
メルセデス・ベンツ A250 4マティック セダン 主要諸元
●全長×全幅×全高:4550×1800×1430mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1530kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1991cc
●最高出力:224ps/5500pm
●最大トルク:350Nm/1800-4000pm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:4WD
●サスペンション:ストラット/マルチリンク
●ラゲッジルーム容量:420L
●WLTCモード燃費:12.9km/L
●タイヤサイズ:205/55R17
●車両価格:490万円
メルセデス・ベンツ CLA250 4マティック クーぺ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4690×1830×1430mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1991cc
●最高出力:224ps/5500pm
●最大トルク:350Nm/1800-4000pm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:4WD
●サスペンション:ストラット/マルチリンク
●ラゲッジルーム容量:460L
●WLTCモード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●車両価格:539万円
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