■「4WD欲しい…」の声も!?
スバルは2022年11月11日、小型SUVとして新型「レックス(REX)」を発表しました。
【画像】六角形グリルがスバル顔!? ワイルドな新型SUV「レックス」内外装を見る(26枚)
スバルのSUVには「レガシィ アウトバック」「フォレスター」「クロストレック(XV)」「ソルテラ」がありますが、同社が小型SUVを投入するのは初めて。新型レックスとはどのようなモデルなのでしょうか。
レックスとはかつてスバルが販売していた軽自動車で、30年ぶりに車名が復活。新型レックスはトヨタ「ライズ」と同じく、ダイハツ「ロッキー」のOEM車として販売されることになります。
ロッキー/ライズは軽自動車や小型車づくりを得意とするダイハツが開発したSUVとあって、5ナンバ―サイズの小さいボディであっても存在感のあるスタイリングや4人が快適に乗れる広い室内空間、たくさんの荷物を載せられる大きなラゲッジスペースなどが特徴です。
スバルからデビューした新型レックスには、ロッキー/ライズと異なる点があります。
まずはパワートレインです。ロッキー/ライズは1リッターターボ、1.2リッターガソリンと1.2リッターハイブリッド(e-SMART HYBRID)の3つが用意されるのに対し、新型レックスは1.2リッターガソリンのみ。
これに関連する違いとして、ロッキー/ライズには4WDの設定がある一方、新型レックスは2WDのみという点があげられます。
というのも、ロッキー/ライズの4WDは1リッターターボに設定されていますが、1.2リッターガソリン/ハイブリッドは2WDのみ。1.2リッターガソリンを搭載する新型レックスも2WDのみとなっています。なお、内外装の違いはエンブレム程度のようです。
スバルの小型SUVということもあり、新型レックスに4WDの設定を求める声も挙がっています。
スバルの公式ツイッターへ、「なんでや……なんでスバルなのに4WD設定ないんや」「4WDの設定が欲しかった」「なぜFFしかないの?」といった返信が寄せられていますが、パワートレインの設定上、新型レックスは2WDのみということになったのです。
■スバル車でも2WDのSUVが必要な訳
近年SUVが広く普及して、アウトドア派のユーザーだけでなく、普段使いメインのユーザーが多く乗るようになり、悪路を走らないから4WDが不要という人も増加。そのため各自動車メーカーは2WDのSUVもラインナップしています。
対するスバルは、これまではSUVに限らずセダンやワゴンでもAWD(4WD)をメインとし、購入者のAWD率は98%を誇りますが、以前から「2WDのSUVが欲しい」という要望もあったといいます。
そこで、XVの後継車となる新型クロストレックにはAWDとFWD(2WD)を設定し、ユーザー層拡大に乗り出しました。
新型になって性能が大きく向上しているものの、新型クロストレックではFWDも用意したことで、スターティングプライスが従来XVの2リッターハイブリッドとほぼ同じ266万2000円を実現。
一方で、XVに設定されていた1.6リッターガソリン車が廃止され、価格が安いSUVの空白を埋めるべく、新型レックスが投入されるという背景もあるようです。
また、地方部では1人1台クルマを所有することも多く、セカンドカーとして小さなクルマが求められています。
軽自動車から撤退したスバルですが、「シフォン」「ステラ」「サンバー」など、それぞれ「タント」「ムーヴ」「ハイゼット」といったダイハツ軽のOEM供給を受けてラインナップを拡充。
新型レックスも同様に、ファーストカーでスバル車に乗っているユーザーが、セカンドカーとして購入するという受け皿的な役割を担っているといえそうです。
※ ※ ※
レックスという車名について、「まさかレックスが復活するとは…」「昔乗っていた懐かしい軽自動車」「おじさんにはレックスって軽のイメージしかない」といった反響もありました。
スバルではダイハツ「トール」(トヨタ「ルーミー」)のOME車として「ジャスティ」をラインナップしており、こちらもかつてのスバル車の車名です。
新型レックスもジャスティもスタイルを変えて現代によみがえったわけですが、長く親しまれた車名を復活させることで、新型車の認知度を上げるという狙いがあるということなのかもしれません。
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