クルマを物置代わりに趣味や仕事で使う道具などを積みっぱなししている、なんてことは誰もがやってしまいがちなことだが、そんななかには正当な理由なくクルマに積んでいると最悪の場合逮捕されてしまうものや、危険な事故にもつながりかねないものも。
「コレもダメなの!?」と思ってしまう意外なものもあるだけに、その理由も含めて知っておくのは非常に重要。アナタの愛車のグローブボックスやトランクの中身、大丈夫ですか……!?
タイホもある!? 爆発もある!! もう一回総点検したい「積みっぱなしはダメダメ」なモノとは?
文/井澤利昭、写真/写真AC
爆発や火災の可能性も!? ライターやスプレー缶を車内に放置するのは超危険!
真夏の炎天下では、異常なほどの高温になることがあるクルマのダッシュボード。ライターなど、可燃性のガスが入っているものを放置すると、破裂や車両火災の原因にもなりかねない
本格的に暑い日が段々と増えてくるこれからの季節、うっかり車内に放置しておくと大変な事故になりかねないのが、ガスライターやカセットコンロなどに使用するガスボンベ、制汗剤や日焼け止めなどのスプレー缶といった、高熱により爆発および発火の可能性があるものだ。
日本自動車連盟=JAFが公開している「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」で行われた実験結果によると、真夏の炎天下に駐車した車内の温度は、駐車後30分も経たずに40℃を超え、最高で57℃を記録。直射日光が当たるダッシュボードではさらに高い79℃にも達したという。
さらにこのテストでは、ダッシュボード上にさまざまなものを放置する実験も合わせて行われているが、そのなかのひとつである100円ライターは2~3時間でケースに亀裂が入り、ガスが漏れ出ていたという。
このような温度上昇による破裂は、窓ガラスなど車内を破損させる危険があるのに加え、可燃性のガスが使用されている製品の場合は、火災の原因にもなりかねない。最近であれば消毒用のアルコールなども同様で、温度上昇で気化し、車内に充満したアルコールにタバコの火や静電気が原因で引火する可能性も。
炎天下の駐車場にクルマを止める場合は「少しの間だけだから……」と油断することなく、高熱によって爆発や発火の可能性があるものは車内に放置しないよう十分に気をつけたい。
故障だけじゃない!? 車両火災の原因にもなりうるスマホやパソコンなどの電子機器
古くなったスマートフォンのバッテリーは、異常な高温下に放置するなど、ちょっとしたきっかけで膨張したり、最悪の場合は爆発や発火の危険性も
ライターと同じように、ダッシュボードの上につい置いてしまいがちなのがスマートフォンやタブレットだ。これらの電子機器は非常にデリケートで、真夏の炎天下など極端に温度の高い環境下では動作不良や故障の原因にもなりかねない。
そんな不具合だけにとどまらず、さらに重大な事故につながる可能性があるのが、それら電子機器に内蔵されているバッテリーの存在だ。
近年、多くの機器で採用されているリチウム系の電池の場合、異常に高温な状態が続くと、バッテリーの膨張や発熱、破裂などの危険性があり、最悪の場合、発火による火災の原因となる恐れすらある。
ノートパソコンや充電用のモバイルバッテリーなども同様で、バッテリーが内蔵されている電子機器を車内に放置するのは非常に危険な行為と言っていいだろう。
車上荒らしによる盗難被害を防止する観点からも、クルマから降りる際は高価な電子機器は常に持ち出すよう普段から心掛けたい。
DIYでよく使う工具類のなかには、携帯すると罪に問われるものが!
マイナスドライバーは長さが15cm以上で、先端の幅が5mm以上のもの、バールであれば長さ24cm以上で、幅2cm以上、ドリルは直径1cm以上の刃が付属するものが「特殊開錠用具」と指定されている
クルマのメンテナンスやDIYを趣味にしている人であれば、誰もが持っているであろう工具類。ただそのなかには、クルマに積んでいると違法とみなされるものがあるので注意が必要だ。
具体的にはマイナスドライバーやバール、ドリルなどの工具類がそれらにあたり、検問や警察官による職務質問を受けた際、車内に“隠し持っていた”と判断されると、最悪の場合、逮捕という事態にもなりかねない。
その根拠となるのが「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」だ。これは、建物への不法な進入や車上荒らしといった犯罪によく用いられるピッキング用の工具などを理由なく携帯することを禁じた法律。
マイナスドライバーやバール、ドリルなども同様に「特殊開錠用具」として指定されており、違法な携帯とみなされれば、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される場合がある。
建設業の人が仕事で使う場合や、クルマいじりのための車載工具、それらを購入した際の帰り道など、正当な理由がある場合はもちろん問題はないが、理由なく車内にマイナスドライバーなどを隠し持っていたとして逮捕された事例は意外に多い。
無用な疑いを避けるためにも、これといった意味もなくこれらの工具をクルマに積んでおくのは、やめておいたほうが無難と言えるだろう。
カッターナイフやハサミなどの刃物や日常的に使うお馴染みの道具も違法となる可能性が!
コロナ禍もありブームとなっているアウトドアレジャーやキャンプだが、そのための道具のなかには軽犯罪法や銃刀法に触れるものもあり、クルマに積みっぱなしにしておくのは厳禁だ
昨今のアウトドアブームもあり、屋外での料理やちょっとした作業用に使うための刃物をクルマに積んでいるという人も多いかと思うが、これも違法となってしまう場合があるため気をつけたい。
キャンプなどで活躍する十徳ナイフやカッターナイフ、ハサミ程度なら問題はないのでは? と思うかもしれないが、これらも理由なく携帯すると、軽犯罪法の第一条 第二項にある「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を携帯していた者」とみなされてしまうことがある。
また、刃の長さが6cmを超える包丁やカッターナイフ、8cm以上のハサミや折り畳みナイフなどは「鉄砲刀剣類所持等取締法」俗に言うところの「銃刀法」に抵触するため、調理師が仕事場で使うために持ち運ぶといった特別な場合を除いて携帯は禁止されており、違反すれば、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されることも。
さらにゴルフクラブや金属バットなど他人に危害を与える凶器となりうるものや、空き巣や家屋への不法侵入などに使われる可能性がある懐中電灯などを本来の使用目的や犯罪の道具と使うために隠し持っていた場合も、同じく軽犯罪法違反に問われる可能性がある。
クルマを物置代わりは危険! 使うシチュエーションで載せ替えよう
ここまで日常生活に身近なものとなると、携帯が許されるものとダメなものの判断がなかなか難しくなるが、同じものであってもシーンやシチュエーションによって、携帯の可否が違ってくるという点を理解しておけばわかりやすい。
刃物の場合であれば「キャンプなどに出掛けた行き帰りの道中」や「その刃物を購入した帰り道」、ゴルフクラブやバットなどは「プレイする場所への行き帰り」など、常識的に考えて“正当な理由”がある場合は、まったく問題ないと思って大丈夫だ。
反対に、それらの道具を使う理由もなくクルマに積みっぱなしにしてしまうと、あらぬ疑いをかけられることがある、ということ。
趣味の道具は積んだり下ろしたりが億劫なだけに、一式まとめてクルマに積んでおきたいという気持ちも理解できるが、職質などでのトラブルの原因になりそうなものを積みっぱなしするのは、やはり厳禁だ。
クルマを物置代わりに使うのは、誰もがやってしまいがちなことだが、無用なトラブルや事故を未然に防ぐためにも、必要以外のものはできるだけ積まないようにするのが、賢いドライバーの習慣と言えそうだ。
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